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第4章
4-11 ドマティオ岬のクラーケンとリッチ
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「コーヘー、窓の外が光ってる」
「あっ、本当だ」
「これが…怪奇現象の原因だったのか?」
二人はキャンピングカーに乗り込んで、沖合の不気味な光を放つ場所にゆっくりと近づいたその時だった。
海面から2本の太い触手が現れてキャンピングカーは捕まってしまった。
『緊急事態、緊急事態、強制転移発動』
コーヘーとチハールはドマティオ岬に浮かぶログハウスに強制転移されていた。
「チハール、大丈夫か?」
「ええ、コーヘーさん、いったい何が起きたの?」
「コーヘーさん、チハールさん、クラーケンにキャンピングカーが捕まったので強制転移を発動したのです」
「ハニエル、キャンピングカーはどうなったの?」
「残念ながら、キャンピングカーのボディはクラーケンに喰われてしまいましたが、魔導ジェットと魔石板は回収済みなので直ぐに復元可能です」
「ハニエル、直ぐにキャンピングカーの製作にかかってくれ」
「了解しました」
ハニエルはゴーレムの核を使ったキャンピングカーの製作の提案してきたのでコーヘーはオッケーを出した。
二人はクラーケンに食べられそうになった興奮でなかなか寝付けなかったが、明け方近くになって深い眠りに入った。
翌朝、午前の鐘がなった頃、二人はベッドから起きて身支度を整えて、遅い朝食を食べた。
「コーヘーさん、チハールさん、新しいキャンピングカーが完成しました」
回収された魔導ジェットエンジンと魔石板は再利用されて、二人の前に真新しいキャンピングカーが浮かんでいた。
「今度は魔物の襲来に備えも完璧です」とハニエルは自信たっぷりに報告した。
「ありがとう、ハニエル。今夜にでもリベンジに向かおう」とコーヘーが言った。
その夜、新しいキャンピングカーに乗り込み、再び沖合の不気味な光を放つ場所に向かった二人だった。
「コーヘー、触手よ」
「絶対零度」
ピキピキ、ピキピキ、コーヘーは冷凍魔法を発動したので見る見るうちに海面が凍って不気味な触手の動きが止まった。
「コーヘーさん、クラーケンの頭に爆裂魔法です」
「エクスプロージョン」
ドーン、大きな爆音が響き、海面に大蛸の化け物が浮かび上がった。
「収納」
「チハール、終わったね」
「コーヘーさん、良かったね」
「コーヘーさん、喜ぶのはまだ早いです、あちらをご覧ください」
クラーケンを倒した後で巨大ガレオン船が海底から浮かび上がってきた。
「チハール、幽霊船だ」
「コーヘーさん、大丈夫よ」
「チハールさん、聖俗聖魔法です」
「「アギオスヒーリー」」
巨大ガレオン船には光るリッチとその仲間たちが姿を現していたが、コーヘーとチハールは聖俗聖魔法によって全て浄化されて、こうしてドマティオ岬の海域は再び平穏な海に戻った。
ガレオン船の残骸はコーヘーが収納にしまった。
翌朝、二人は転移門で冒険者ギルドに瞬間移動していた。受付でドマティオ岬の調査が終わったことを報告してニ階の応接室に案内されたのだった。
「お前たちもう終わったのか?」
「はい、ドマティオ岬の怪現象はクラーケンとガレオン船のリッチでした」
「はぁ~、お前たち魔物を二つも倒してきたのか?」
「はい、そうです」
「証拠のクラーケンと沈没したガレオン船はそのまま収納で持って帰ってきています」
「ち、ちょっとまってくれ」
ギルドマスターのハリーセンさんは頭を掻きむしった。
「イメリオ、騎士団と漁業ギルドに直ぐに連絡だ」
「はい、分かりました」
1時間後、騎士団と冒険者ギルドの職員たちと漁業ギルドの職員たちが港に待機していた。
「コーヘー出してくれ」
「はい、出しま~す」
「「「「「「「「「「おぉ~~~~」」」」」」」」」」
冒険者ギルドの職員と漁業ギルドの職員は港で全員が腰を抜かした。辛うじて騎士団長とギルドマスターは腰を抜かさなかった。
「コーヘー、クラーケンがいたのか?」
「はい、いました」
「2本の触手で俺たちを掴もうとしたのです。それで冷凍魔法を発動してから頭を爆裂魔法で狙ったのです」
「凄まじい戦いだったのだな?」
「はい、クラーケンを収納した後でガレオン船が浮かび上がってきたのです」
「光るリッチとその仲間たちは俺とチハールの聖俗聖魔法で全て浄化したのです」
「お前たち、聖女の浄化魔法も使えるのか?」
「はい、使えます」
「騎士団長、300年前に沈んだオスマニ国の巨大ガレオン船です」
「間違いないようだな」
「ギルドマスター、クラーケンの巨大な魔石です」
魔石は直径1メートルを超えそうな青い大きな魔石だった。
「これなら新造船の動力源として高く売れますね」
「ああ、たぶん領主が買い取るだろう」
「騎士団長、船底から宝箱が100箱出てきました」
「なに本当か?」
「ええ、金貨と宝石も混ざっています」
「コーヘー、チハール、見聞は終了だ。報酬は1週間後に冒険者ギルドに来てくれ」
「分かりました」
約束の1週間後、コーヘーとチハールは冒険者ギルドの2階でギルドマスターのハリーセンさんから報酬の説明を聞いていた。
(話終わり)
「あっ、本当だ」
「これが…怪奇現象の原因だったのか?」
二人はキャンピングカーに乗り込んで、沖合の不気味な光を放つ場所にゆっくりと近づいたその時だった。
海面から2本の太い触手が現れてキャンピングカーは捕まってしまった。
『緊急事態、緊急事態、強制転移発動』
コーヘーとチハールはドマティオ岬に浮かぶログハウスに強制転移されていた。
「チハール、大丈夫か?」
「ええ、コーヘーさん、いったい何が起きたの?」
「コーヘーさん、チハールさん、クラーケンにキャンピングカーが捕まったので強制転移を発動したのです」
「ハニエル、キャンピングカーはどうなったの?」
「残念ながら、キャンピングカーのボディはクラーケンに喰われてしまいましたが、魔導ジェットと魔石板は回収済みなので直ぐに復元可能です」
「ハニエル、直ぐにキャンピングカーの製作にかかってくれ」
「了解しました」
ハニエルはゴーレムの核を使ったキャンピングカーの製作の提案してきたのでコーヘーはオッケーを出した。
二人はクラーケンに食べられそうになった興奮でなかなか寝付けなかったが、明け方近くになって深い眠りに入った。
翌朝、午前の鐘がなった頃、二人はベッドから起きて身支度を整えて、遅い朝食を食べた。
「コーヘーさん、チハールさん、新しいキャンピングカーが完成しました」
回収された魔導ジェットエンジンと魔石板は再利用されて、二人の前に真新しいキャンピングカーが浮かんでいた。
「今度は魔物の襲来に備えも完璧です」とハニエルは自信たっぷりに報告した。
「ありがとう、ハニエル。今夜にでもリベンジに向かおう」とコーヘーが言った。
その夜、新しいキャンピングカーに乗り込み、再び沖合の不気味な光を放つ場所に向かった二人だった。
「コーヘー、触手よ」
「絶対零度」
ピキピキ、ピキピキ、コーヘーは冷凍魔法を発動したので見る見るうちに海面が凍って不気味な触手の動きが止まった。
「コーヘーさん、クラーケンの頭に爆裂魔法です」
「エクスプロージョン」
ドーン、大きな爆音が響き、海面に大蛸の化け物が浮かび上がった。
「収納」
「チハール、終わったね」
「コーヘーさん、良かったね」
「コーヘーさん、喜ぶのはまだ早いです、あちらをご覧ください」
クラーケンを倒した後で巨大ガレオン船が海底から浮かび上がってきた。
「チハール、幽霊船だ」
「コーヘーさん、大丈夫よ」
「チハールさん、聖俗聖魔法です」
「「アギオスヒーリー」」
巨大ガレオン船には光るリッチとその仲間たちが姿を現していたが、コーヘーとチハールは聖俗聖魔法によって全て浄化されて、こうしてドマティオ岬の海域は再び平穏な海に戻った。
ガレオン船の残骸はコーヘーが収納にしまった。
翌朝、二人は転移門で冒険者ギルドに瞬間移動していた。受付でドマティオ岬の調査が終わったことを報告してニ階の応接室に案内されたのだった。
「お前たちもう終わったのか?」
「はい、ドマティオ岬の怪現象はクラーケンとガレオン船のリッチでした」
「はぁ~、お前たち魔物を二つも倒してきたのか?」
「はい、そうです」
「証拠のクラーケンと沈没したガレオン船はそのまま収納で持って帰ってきています」
「ち、ちょっとまってくれ」
ギルドマスターのハリーセンさんは頭を掻きむしった。
「イメリオ、騎士団と漁業ギルドに直ぐに連絡だ」
「はい、分かりました」
1時間後、騎士団と冒険者ギルドの職員たちと漁業ギルドの職員たちが港に待機していた。
「コーヘー出してくれ」
「はい、出しま~す」
「「「「「「「「「「おぉ~~~~」」」」」」」」」」
冒険者ギルドの職員と漁業ギルドの職員は港で全員が腰を抜かした。辛うじて騎士団長とギルドマスターは腰を抜かさなかった。
「コーヘー、クラーケンがいたのか?」
「はい、いました」
「2本の触手で俺たちを掴もうとしたのです。それで冷凍魔法を発動してから頭を爆裂魔法で狙ったのです」
「凄まじい戦いだったのだな?」
「はい、クラーケンを収納した後でガレオン船が浮かび上がってきたのです」
「光るリッチとその仲間たちは俺とチハールの聖俗聖魔法で全て浄化したのです」
「お前たち、聖女の浄化魔法も使えるのか?」
「はい、使えます」
「騎士団長、300年前に沈んだオスマニ国の巨大ガレオン船です」
「間違いないようだな」
「ギルドマスター、クラーケンの巨大な魔石です」
魔石は直径1メートルを超えそうな青い大きな魔石だった。
「これなら新造船の動力源として高く売れますね」
「ああ、たぶん領主が買い取るだろう」
「騎士団長、船底から宝箱が100箱出てきました」
「なに本当か?」
「ええ、金貨と宝石も混ざっています」
「コーヘー、チハール、見聞は終了だ。報酬は1週間後に冒険者ギルドに来てくれ」
「分かりました」
約束の1週間後、コーヘーとチハールは冒険者ギルドの2階でギルドマスターのハリーセンさんから報酬の説明を聞いていた。
(話終わり)
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