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第3章
3-10 そして新たな旅立ち
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シローとスミレさんはハヤト、サクラ夫婦と一緒に昼間は海洋ダンジョンを攻略して、夜はモツ焼きと焼き肉で過ごしていた。サクラさんとスミレさんは女子会と称して、冒険者ギルドの女子職員たちとハカトン市内でグルメとショッピングを楽しんでいた。
シローとハヤトは今夜もいつものように焼酎の水割りを酌み交わし、サクラさんとスミレさんはスパークリングワインを飲んでいた。
「信心深き者たちよ」
シローのタブレットが光りゼウス様とヘーラー様が現れた。同じくハヤトのタブレットも光って、ポセイドン様とアンピトリテ様が現れた。
「信心深き清き者たちよ」
「シロー、スミレ、此度の働き、誠に大義であった。次の神託は、ヘパイストスとアフロディテからの依頼で、今からマツイヨ市に飛んで欲しいのじゃ」
「明日の朝早くに、マツイヨ市の冒険者ギルドでコーへーとチハールと落ち合いタブレットを渡し、育成をするのじゃ」
「はっ、仰せのままに」
「次は儂らじゃ」
「信心深き者たちよ」
「ハヤトサクラ夫婦はシローとスミレ夫婦の指導の下、早期にレベルを上げたことは大義であった」
「今後は夫婦二人で力を合わせ、世のため民のために尽くすのじゃ」
「早々ではであるが、これよりパラチ島へと旅立つのじゃ」
「パラチ島でリバイアサンが出没し漁師と船乗りたちがとても困っておるのじゃ」
「なお、現地に到着後、アリエルの指示に従いキャンピングカーにデッキを取り付けトローリングでリバイアサンをおびき出すのじゃ」
「はっ、仰せのままに」
神託を告げられると四柱の3Dフォログラムは消えていった。
「シローさん、神様たちはいきなり現れて神託を出してくるのか?」
「ええ、ハヤトさんたちの指導を言われたときもこんな感じでしたね」
「へえ~、いきなりなんだ」
「サクラ、俺たちもやるっきゃないな」
「そうよ、それでこそ勇者ハヤトよ」
「シローさん、スミレさん、短い間でしたがご指導ありがとうございました」
「ポセイドン様とアンピトリテ様より神託が下りましたのでこれより出発したいと思います」
ハヤトとサクラは深々と頭を下げた。
「ハヤトさん、サクラさんも明日からはお二人でリバイアサンを倒してきて下さい」
「お二人ならきっと大丈夫ですよ」
「では、私たちも出発の準備をしますね」
「「ゴーホーム」」
4人は固い握手を交わして別れた。
「サクラ、出発の準備だ」
「ハヤト、その前に酔い醒ましをしてからよ、はい冷たいお水」
「サクラ、ありがとう」
(出発に備えて回復魔法を発動、キュアポイズン、ハイヒール)
「アリエル、パラチ島まで今から飛んでくれ」
「はい、お任せください」
「パラチ島までは2時間のフライトになります」
「絶対防御5重展開」
「圧力隔壁異常無し」
「飛空システム異常なし」
「オートバランサー作動正常」
「オートジャイロ作動正常」
「計器類オールグリーン」
「フライト前チェック、完了」
「目的地をパラチ島に決定、オートパイロット作動よし」
「テイクオフ」
(ハヤトさん、サクラさん、お元気で)
(シローさん、スミレさんもお元気で)
「アリエル、パラチ島の情報を教えてくれ」
「パラチ島はサーミツ市からのガレオン船とタイバン国のジャンク船が入港する海上の重要な中継点の島です」
ハヤトとサクラはAIクリスタル脳の情報から南蛮航路と呼ばれている
ハカトン市 →サーツミ市→パラチ島 →タイバン国 →トンド王国 →タンロン国 →サイアム国 →ケリアミ島 → マダガスカリ島 → ケーラト岬 → オットマン帝国に至る貿易航路を理解した。
「アリエル、リバイアサンの戦いなんてどうやって戦うんだ」
「ハヤトさん、サクラさん、ジェネオスアギオスはリバイアサンを爆裂魔法で倒しています」
「でも、海の底にいるリバイアサンをどうやって見つけるのだ」
「はい、対潜水艦用のソノブイです」
「はぁ~、そんな高度な兵器までジェネオスとアギオスは作っていたのか?」
「はい、軍事オタクな知識もテオスシステムで使い放題ですから……」
「ハヤト、文句はそれぐらいにして、ソナーでリバイアサンは発見出来るし戦いに勝てるわよ」
「サクラ、何で分かるんだ」
「前世で潜水艦の映画を見たのを思い出したのよ」
「潜水艦は海の底に潜っているからソナーで見つけるのよ」
「ああ、それなら俺の頭でも理解できるよ」
「ハヤトは並列処理でサクラが前世で見た潜水艦の映画を理解した」
翌朝……
ピピピ、ピピピ、ピピピ、アリエルは朝6時にアラームでハヤトとサクラを起こしてきた。
「サクラ、おはよう」
「ハヤト、おはよう」
「どうやら無事にパラチ島に着いたようだな」
二人はコクピットに映し出される全周モニターでパラチ島の様子を眺めていた。
「ハヤト、今朝は貝汁よ」
「サクラ、ありがとう、酒を飲んだ翌朝は貝汁だな」
「ハヤト、貝汁は毎朝飲んでいるでしょ」
「ああ、そうだった」
(ハヤトさん、サクラさん、時間になりましたので先に教会に向かいましょう)
朝食後、二人は教会に顔をだした。教会は朝のお祈りの時間だったらしく、静まり返っていた。
「おはようございます。ポセイドン様とアンピトリテ様の神託で参じたハヤトとサクラです」
「使徒様がいらしたぞ」
「「「「「「「使徒様じゃ~」」」」」」」
「新しい使徒様じゃな」「そうじゃな」「今度の使徒様も若いな」
パラチ島の島民たちは一斉にハヤトとサクラを囲んだ。
「使徒様、漁業ギルドにご案内します」
ハヤトとサクラは漁業ギルドに案内された。
漁業ギルド長はパラチ島の沖合は海の怪物が度々出没するので漁師や南蛮船の船乗りたちを驚かせていると説明した。前回は4人の使徒様が海の怪物を全て退治してくれたので安心していたところ、今度はリバイアサンが何処かの海から流れ付き1週間前から被害が出ていると教えてくれた。
今朝は海の神ポセイドンを祀る教会でリバイアサンがこれ以上暴れないように魔物を鎮める祈祷を漁民全員で祈っていたのだった。
「分かりました。俺とサクラは飛翔魔法が使えますので上空からリバイアサンを探します」
「とりあえず、拠点の無人島を中心に半径100キロの海域を警戒しますので7日間は猶予を下さい」
「漁業長、オラたちは使徒様に従うだ」
「「「「「「「そうだ、そうだ」」」」」」」
島民たちはバラバラに家に帰って行ったのでハヤトとサクラはパラチ島のすぐ隣の無人島に移動を開始した。
「サクラ、澄んだ海だな」
「ええ、本当に綺麗ね」
キャンピングカーは海面から5メートル高さをゆっくりとした速度で飛んでいた。南洋の海は陽の光を受けてキラキラ輝いていた。
「サクラ、タブレットに反応は無いな」
「全く無いわ」
この日は3時間弱海上を飛び回ったが、全く収穫なしだった。
(話終わり)
シローとハヤトは今夜もいつものように焼酎の水割りを酌み交わし、サクラさんとスミレさんはスパークリングワインを飲んでいた。
「信心深き者たちよ」
シローのタブレットが光りゼウス様とヘーラー様が現れた。同じくハヤトのタブレットも光って、ポセイドン様とアンピトリテ様が現れた。
「信心深き清き者たちよ」
「シロー、スミレ、此度の働き、誠に大義であった。次の神託は、ヘパイストスとアフロディテからの依頼で、今からマツイヨ市に飛んで欲しいのじゃ」
「明日の朝早くに、マツイヨ市の冒険者ギルドでコーへーとチハールと落ち合いタブレットを渡し、育成をするのじゃ」
「はっ、仰せのままに」
「次は儂らじゃ」
「信心深き者たちよ」
「ハヤトサクラ夫婦はシローとスミレ夫婦の指導の下、早期にレベルを上げたことは大義であった」
「今後は夫婦二人で力を合わせ、世のため民のために尽くすのじゃ」
「早々ではであるが、これよりパラチ島へと旅立つのじゃ」
「パラチ島でリバイアサンが出没し漁師と船乗りたちがとても困っておるのじゃ」
「なお、現地に到着後、アリエルの指示に従いキャンピングカーにデッキを取り付けトローリングでリバイアサンをおびき出すのじゃ」
「はっ、仰せのままに」
神託を告げられると四柱の3Dフォログラムは消えていった。
「シローさん、神様たちはいきなり現れて神託を出してくるのか?」
「ええ、ハヤトさんたちの指導を言われたときもこんな感じでしたね」
「へえ~、いきなりなんだ」
「サクラ、俺たちもやるっきゃないな」
「そうよ、それでこそ勇者ハヤトよ」
「シローさん、スミレさん、短い間でしたがご指導ありがとうございました」
「ポセイドン様とアンピトリテ様より神託が下りましたのでこれより出発したいと思います」
ハヤトとサクラは深々と頭を下げた。
「ハヤトさん、サクラさんも明日からはお二人でリバイアサンを倒してきて下さい」
「お二人ならきっと大丈夫ですよ」
「では、私たちも出発の準備をしますね」
「「ゴーホーム」」
4人は固い握手を交わして別れた。
「サクラ、出発の準備だ」
「ハヤト、その前に酔い醒ましをしてからよ、はい冷たいお水」
「サクラ、ありがとう」
(出発に備えて回復魔法を発動、キュアポイズン、ハイヒール)
「アリエル、パラチ島まで今から飛んでくれ」
「はい、お任せください」
「パラチ島までは2時間のフライトになります」
「絶対防御5重展開」
「圧力隔壁異常無し」
「飛空システム異常なし」
「オートバランサー作動正常」
「オートジャイロ作動正常」
「計器類オールグリーン」
「フライト前チェック、完了」
「目的地をパラチ島に決定、オートパイロット作動よし」
「テイクオフ」
(ハヤトさん、サクラさん、お元気で)
(シローさん、スミレさんもお元気で)
「アリエル、パラチ島の情報を教えてくれ」
「パラチ島はサーミツ市からのガレオン船とタイバン国のジャンク船が入港する海上の重要な中継点の島です」
ハヤトとサクラはAIクリスタル脳の情報から南蛮航路と呼ばれている
ハカトン市 →サーツミ市→パラチ島 →タイバン国 →トンド王国 →タンロン国 →サイアム国 →ケリアミ島 → マダガスカリ島 → ケーラト岬 → オットマン帝国に至る貿易航路を理解した。
「アリエル、リバイアサンの戦いなんてどうやって戦うんだ」
「ハヤトさん、サクラさん、ジェネオスアギオスはリバイアサンを爆裂魔法で倒しています」
「でも、海の底にいるリバイアサンをどうやって見つけるのだ」
「はい、対潜水艦用のソノブイです」
「はぁ~、そんな高度な兵器までジェネオスとアギオスは作っていたのか?」
「はい、軍事オタクな知識もテオスシステムで使い放題ですから……」
「ハヤト、文句はそれぐらいにして、ソナーでリバイアサンは発見出来るし戦いに勝てるわよ」
「サクラ、何で分かるんだ」
「前世で潜水艦の映画を見たのを思い出したのよ」
「潜水艦は海の底に潜っているからソナーで見つけるのよ」
「ああ、それなら俺の頭でも理解できるよ」
「ハヤトは並列処理でサクラが前世で見た潜水艦の映画を理解した」
翌朝……
ピピピ、ピピピ、ピピピ、アリエルは朝6時にアラームでハヤトとサクラを起こしてきた。
「サクラ、おはよう」
「ハヤト、おはよう」
「どうやら無事にパラチ島に着いたようだな」
二人はコクピットに映し出される全周モニターでパラチ島の様子を眺めていた。
「ハヤト、今朝は貝汁よ」
「サクラ、ありがとう、酒を飲んだ翌朝は貝汁だな」
「ハヤト、貝汁は毎朝飲んでいるでしょ」
「ああ、そうだった」
(ハヤトさん、サクラさん、時間になりましたので先に教会に向かいましょう)
朝食後、二人は教会に顔をだした。教会は朝のお祈りの時間だったらしく、静まり返っていた。
「おはようございます。ポセイドン様とアンピトリテ様の神託で参じたハヤトとサクラです」
「使徒様がいらしたぞ」
「「「「「「「使徒様じゃ~」」」」」」」
「新しい使徒様じゃな」「そうじゃな」「今度の使徒様も若いな」
パラチ島の島民たちは一斉にハヤトとサクラを囲んだ。
「使徒様、漁業ギルドにご案内します」
ハヤトとサクラは漁業ギルドに案内された。
漁業ギルド長はパラチ島の沖合は海の怪物が度々出没するので漁師や南蛮船の船乗りたちを驚かせていると説明した。前回は4人の使徒様が海の怪物を全て退治してくれたので安心していたところ、今度はリバイアサンが何処かの海から流れ付き1週間前から被害が出ていると教えてくれた。
今朝は海の神ポセイドンを祀る教会でリバイアサンがこれ以上暴れないように魔物を鎮める祈祷を漁民全員で祈っていたのだった。
「分かりました。俺とサクラは飛翔魔法が使えますので上空からリバイアサンを探します」
「とりあえず、拠点の無人島を中心に半径100キロの海域を警戒しますので7日間は猶予を下さい」
「漁業長、オラたちは使徒様に従うだ」
「「「「「「「そうだ、そうだ」」」」」」」
島民たちはバラバラに家に帰って行ったのでハヤトとサクラはパラチ島のすぐ隣の無人島に移動を開始した。
「サクラ、澄んだ海だな」
「ええ、本当に綺麗ね」
キャンピングカーは海面から5メートル高さをゆっくりとした速度で飛んでいた。南洋の海は陽の光を受けてキラキラ輝いていた。
「サクラ、タブレットに反応は無いな」
「全く無いわ」
この日は3時間弱海上を飛び回ったが、全く収穫なしだった。
(話終わり)
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