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第3章
3-2 空飛ぶ家が完成した 紫の魔女と黒の錬金術師
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二人は王都の冒険者ギルドで紹介してもらった魔女服を扱っている洋品店に来ていた。
「導師様、魔女様、お二人共とてもよくお似合いでございます」
洋服店の女性店員は二人をべた褒めに褒めてくれたので衣装代として金貨15枚を女性店員に払った。
「これなら大丈夫かな」
シローとスミレさんは変身した自分たちの格好にとても満足をしていた。
「スミレさん、市場で買い物をしてからピーラ山に行こうよ」
「ええ、そうしましょう」
二人はピーラー山でログハウスを出してぐっすりと眠ったのだった。
翌朝……
ピピピ、ピピピ、ピピピ、ミカエルは朝6時の定刻にアラームでシローとスミレさんを起こしてきた。
「スミレさん、おはよう」
「シローさん、おはよう」
「シローさん、スミレさん、おはようございます。空飛ぶ家が完成しました」
「では、一旦、家の外に出てご覧下さい。家に戻る時は『ゴーハウス』です」
「シローさん、お家が空に浮かんでいるよ」
「本当だ、スミレさん凄いね」
二人は暫くの間空に浮かぶログハウスに見とれていた。
「「ゴーハウス」」
二人が呪文を唱えると一瞬で家の中に戻った。液晶モニターには外の様子が360度写っていた。
「では、コクピットにご案内します」
2階ロフト部分は宇宙船のコクピットように魔改造されていた。
「シローさん、宇宙船のアニメみたいだよ」
「スミレさん、今から何処かに行こうよ」
「ええ、連れて行って」
「ミカエル、目的地はお任せでテスト飛行は可能なの?」
「はい、すべて自動操縦オートパイロットなので全てお任せください」
「絶対防御5重展開」
「圧力隔壁異常無し」
「飛空システム異常なし」
「オートバランサー作動正常」
「オートジャイロ作動正常」
「計器類オールグリーン」
「フライトチェック、完了」
「目的地決定、自動操縦作動」
「テイクオフ」
ポーン、まもなく高度12000ftです。水平飛行に移行します。
「スミレさん、下のリビングで朝食にしようよ」
「そうだったわ、すっかり忘れたわ」
「スミレさん、俺も手伝うから」
「ええ、お願いね」
ラファエルはケトマス湾の上空をゆっくりと周回してから一気に加速して南西方向に飛んだ。リビングのモニター画面にはイポニアの地図と『ハカトン市まで895キロ1時間47分』と表示されていた。
「スミレさん、ミカエルは南西に飛んでハカトン市に向かうみたいだよ」
「シローさん、美味しい物が食べれるね」
「そうだね」
二人は朝食を食べながらリビングのモニターに映し出される外の景色を眺めていた。
その時、突然モニターが金色に光り、ゼウス様とヘーラー様が映し出された。
「シロー、スミレ、悪いが、今回はハカトン市の勇者と聖女のレベルを上げてくれぬか」
「ゼウス様、どうされたのですか?」
「ポセイドンとアンピトリテにもう一度、チャンスを与えるためじゃ」
「それから、勇者ハヤトと聖女サクラは既にAIクリスタルに移植を終えたのじゃ。この前のような失敗は無いはずじゃ。勇者ハヤトと聖女サクラの詳細はミカエルから聞くのじゃ」
「分かりました。お受けします」
「スミレさん、スイーツの探訪をお願いね」
ヘーラー様はウインクでスミレさんに念押しをされた。
「ヘーラー様、スイーツはお任せ下さい」
ポーン、まもなくハカトン港上空です。着陸態勢に入ります。
「シローさん、ナニサカ市から商用で来たことして入りましょう」
「そうしよう」
「ミカエル、ハヤトに渡すタブレットは出来ているの?」
「はい、既に完成しております」
「では、倉庫の影に転移するよ」
「「転移」」
シローは転移魔法でハカトン港に降り立った。港の門番には、夫婦二人ででナニサカ市から商用で来たことを伝えて無事に入れてもらった。
シローとスミレさんは冒険者ギルドまで歩きながら、ハカトン市の情報を色々と仕入れた。
ハカトン市は古くからの大陸貿易の玄関口で、他の都市とは違った独自の発展をしていた。港に入港している大型船もジャンク船と呼ばれ、シローたちが知っているガレオン船とは形が違っていたので容易に区別がついたのだ。
ハカトン市の冒険者ギルドで受付のお姉さんが海洋ダンジョンの無料券をくれたので、二人は海洋ダンジョンに入っていった。
海洋ダンジョンとは、元は炭坑だった施設らしく、地下20階層まである本格的な冒険施設だった。シローとスミレさんは、無料券で入ったので、1階の初心者コースしか戦えないが、少し歩いてみることにしたのだった。
「シローさん、赤いゼリー」
「スミレさん、普通のレイピアを出したよ」
シローは収納の武器庫にしまってあったレイピアを取り出してスミレさんに渡した。
プシュッ、プシュッ、プシュッ、プシュッ、プシュッ、プシュッ、プシュッ、プシュッ、プシュッ、プシュッ、プシュッ、プシュッ、プシュッ、プシュッ、プシュッ、
赤い石は辺り一面に散らばっていた。
「あんたら、この赤い石を拾わないのかい?」
「えっ、この赤い石のことですか?」
「ああ、この赤い石10個で出口の景品交換所で明太子に交換してもらえるのだよ」
「そうなんですか、どうもありがとうございます」
親切なダンジョンの職員は、名札にハヤトと書いてあった。年格好は22歳くらいでシローよりも少し歳上に感じだ。
ミカエルの情報ではハヤト、サクラ夫婦は半年前にリストラされた勇者と聖女だった。都合の良いときだけ雇われ用済みになったので解雇されたのだった。今は海上ダンジョンに嘱託職員として雇用されているとの事だった。
「失礼ですが、勇者ハヤトさんですか?」
「ああそうだが」
「私はシローと言います、こっちは妻のスミレです」
「ああ、ポセイドン様から神託で聞いているよ」
「申し訳ないが、俺もサクラも昼までの勤務なので、昼の鐘がなったら、冒険者ギルドのフロアーで会おう」
「分かりました、連絡もせずに突然来てしまったのですみません」
「お昼までは二人で市内観光をして時間を潰してきます」
「ああ、そうしてもらえると助かるよ」
シローとスミレさんはダンジョンの外に出て、昼まで市内観光をすることにしたのだった。
シローとスミレさんは海上ダンジョンの外に出て、昼まで市内観光をすることにした。赤いスライムを倒して拾った赤い石は出口の交換所で明太子と交換してもらった。
ダンジョンを出て、直ぐの場所にいちごパンケーキの看板が立てかけてあった。
「シローさん、いちごパンケーキよ」
「スミレさん、ダッシュで走らなくても、今行きますよ」
珍しくスミレさんが脱兎の如く看板に向かって走って行ったのでシローは追いかけるのに必死だった。
店内は落ち着いた雰囲気で、女性客を中心に賑わっていたのだった。
「いちごパンケーキ2つお願いします」
「かしこまりました。いちごパンケーキ2つですね。お飲み物はどうされますか?」
「コーヒーを2つお願いします」
「おまたせしました。いちごパンケーキとコーヒーです」
「う~ん、甘~い」
スミレさんが甘味で至福の顔をしている姿をシローは初めて見た気がしたのだった。シローは、いちごパンケーキを食べながら、これからの事を考えていた。
「シローさん、そろそろ出ましょうか?」
「スミレさん、いちごパンケーキ美味しかったね」
「いちごは、王都ケトマスでは見たことがないよね」
「そうね、まだ作付けがされていないかも知れないね」
(シローさん、スミレさん、約束の時間になりますのでそろそろ戻りましょう)
(ミカエル、ありがとう)
二人はいちごパンケーキの店を出て、冒険者ギルドに戻ったのだった。丁度、昼の交代時間になったらしく、受付の女性は俺たちの顔を見て、こちらにやって来た。
「はじめまして、ハヤトの妻のサクラです」
「はじめまして、王都ケトマスから来たシローです」
「妻のスミレです」
「サクラ、遅れてすまん、すまん」
「ハヤトさん、そんなに走らないで下さいな」
「シローさん、スミレさん、私達の家に来ませんか?」
「そこなら、人目を気にしなくて済みますから」
ギルド職員用の社宅は 冒険者ギルドから少し離れた場所に建っていた。ハヤト、サクラ夫妻はそこに住んでいたのだった。
(話終わり)
「導師様、魔女様、お二人共とてもよくお似合いでございます」
洋服店の女性店員は二人をべた褒めに褒めてくれたので衣装代として金貨15枚を女性店員に払った。
「これなら大丈夫かな」
シローとスミレさんは変身した自分たちの格好にとても満足をしていた。
「スミレさん、市場で買い物をしてからピーラ山に行こうよ」
「ええ、そうしましょう」
二人はピーラー山でログハウスを出してぐっすりと眠ったのだった。
翌朝……
ピピピ、ピピピ、ピピピ、ミカエルは朝6時の定刻にアラームでシローとスミレさんを起こしてきた。
「スミレさん、おはよう」
「シローさん、おはよう」
「シローさん、スミレさん、おはようございます。空飛ぶ家が完成しました」
「では、一旦、家の外に出てご覧下さい。家に戻る時は『ゴーハウス』です」
「シローさん、お家が空に浮かんでいるよ」
「本当だ、スミレさん凄いね」
二人は暫くの間空に浮かぶログハウスに見とれていた。
「「ゴーハウス」」
二人が呪文を唱えると一瞬で家の中に戻った。液晶モニターには外の様子が360度写っていた。
「では、コクピットにご案内します」
2階ロフト部分は宇宙船のコクピットように魔改造されていた。
「シローさん、宇宙船のアニメみたいだよ」
「スミレさん、今から何処かに行こうよ」
「ええ、連れて行って」
「ミカエル、目的地はお任せでテスト飛行は可能なの?」
「はい、すべて自動操縦オートパイロットなので全てお任せください」
「絶対防御5重展開」
「圧力隔壁異常無し」
「飛空システム異常なし」
「オートバランサー作動正常」
「オートジャイロ作動正常」
「計器類オールグリーン」
「フライトチェック、完了」
「目的地決定、自動操縦作動」
「テイクオフ」
ポーン、まもなく高度12000ftです。水平飛行に移行します。
「スミレさん、下のリビングで朝食にしようよ」
「そうだったわ、すっかり忘れたわ」
「スミレさん、俺も手伝うから」
「ええ、お願いね」
ラファエルはケトマス湾の上空をゆっくりと周回してから一気に加速して南西方向に飛んだ。リビングのモニター画面にはイポニアの地図と『ハカトン市まで895キロ1時間47分』と表示されていた。
「スミレさん、ミカエルは南西に飛んでハカトン市に向かうみたいだよ」
「シローさん、美味しい物が食べれるね」
「そうだね」
二人は朝食を食べながらリビングのモニターに映し出される外の景色を眺めていた。
その時、突然モニターが金色に光り、ゼウス様とヘーラー様が映し出された。
「シロー、スミレ、悪いが、今回はハカトン市の勇者と聖女のレベルを上げてくれぬか」
「ゼウス様、どうされたのですか?」
「ポセイドンとアンピトリテにもう一度、チャンスを与えるためじゃ」
「それから、勇者ハヤトと聖女サクラは既にAIクリスタルに移植を終えたのじゃ。この前のような失敗は無いはずじゃ。勇者ハヤトと聖女サクラの詳細はミカエルから聞くのじゃ」
「分かりました。お受けします」
「スミレさん、スイーツの探訪をお願いね」
ヘーラー様はウインクでスミレさんに念押しをされた。
「ヘーラー様、スイーツはお任せ下さい」
ポーン、まもなくハカトン港上空です。着陸態勢に入ります。
「シローさん、ナニサカ市から商用で来たことして入りましょう」
「そうしよう」
「ミカエル、ハヤトに渡すタブレットは出来ているの?」
「はい、既に完成しております」
「では、倉庫の影に転移するよ」
「「転移」」
シローは転移魔法でハカトン港に降り立った。港の門番には、夫婦二人ででナニサカ市から商用で来たことを伝えて無事に入れてもらった。
シローとスミレさんは冒険者ギルドまで歩きながら、ハカトン市の情報を色々と仕入れた。
ハカトン市は古くからの大陸貿易の玄関口で、他の都市とは違った独自の発展をしていた。港に入港している大型船もジャンク船と呼ばれ、シローたちが知っているガレオン船とは形が違っていたので容易に区別がついたのだ。
ハカトン市の冒険者ギルドで受付のお姉さんが海洋ダンジョンの無料券をくれたので、二人は海洋ダンジョンに入っていった。
海洋ダンジョンとは、元は炭坑だった施設らしく、地下20階層まである本格的な冒険施設だった。シローとスミレさんは、無料券で入ったので、1階の初心者コースしか戦えないが、少し歩いてみることにしたのだった。
「シローさん、赤いゼリー」
「スミレさん、普通のレイピアを出したよ」
シローは収納の武器庫にしまってあったレイピアを取り出してスミレさんに渡した。
プシュッ、プシュッ、プシュッ、プシュッ、プシュッ、プシュッ、プシュッ、プシュッ、プシュッ、プシュッ、プシュッ、プシュッ、プシュッ、プシュッ、プシュッ、
赤い石は辺り一面に散らばっていた。
「あんたら、この赤い石を拾わないのかい?」
「えっ、この赤い石のことですか?」
「ああ、この赤い石10個で出口の景品交換所で明太子に交換してもらえるのだよ」
「そうなんですか、どうもありがとうございます」
親切なダンジョンの職員は、名札にハヤトと書いてあった。年格好は22歳くらいでシローよりも少し歳上に感じだ。
ミカエルの情報ではハヤト、サクラ夫婦は半年前にリストラされた勇者と聖女だった。都合の良いときだけ雇われ用済みになったので解雇されたのだった。今は海上ダンジョンに嘱託職員として雇用されているとの事だった。
「失礼ですが、勇者ハヤトさんですか?」
「ああそうだが」
「私はシローと言います、こっちは妻のスミレです」
「ああ、ポセイドン様から神託で聞いているよ」
「申し訳ないが、俺もサクラも昼までの勤務なので、昼の鐘がなったら、冒険者ギルドのフロアーで会おう」
「分かりました、連絡もせずに突然来てしまったのですみません」
「お昼までは二人で市内観光をして時間を潰してきます」
「ああ、そうしてもらえると助かるよ」
シローとスミレさんはダンジョンの外に出て、昼まで市内観光をすることにしたのだった。
シローとスミレさんは海上ダンジョンの外に出て、昼まで市内観光をすることにした。赤いスライムを倒して拾った赤い石は出口の交換所で明太子と交換してもらった。
ダンジョンを出て、直ぐの場所にいちごパンケーキの看板が立てかけてあった。
「シローさん、いちごパンケーキよ」
「スミレさん、ダッシュで走らなくても、今行きますよ」
珍しくスミレさんが脱兎の如く看板に向かって走って行ったのでシローは追いかけるのに必死だった。
店内は落ち着いた雰囲気で、女性客を中心に賑わっていたのだった。
「いちごパンケーキ2つお願いします」
「かしこまりました。いちごパンケーキ2つですね。お飲み物はどうされますか?」
「コーヒーを2つお願いします」
「おまたせしました。いちごパンケーキとコーヒーです」
「う~ん、甘~い」
スミレさんが甘味で至福の顔をしている姿をシローは初めて見た気がしたのだった。シローは、いちごパンケーキを食べながら、これからの事を考えていた。
「シローさん、そろそろ出ましょうか?」
「スミレさん、いちごパンケーキ美味しかったね」
「いちごは、王都ケトマスでは見たことがないよね」
「そうね、まだ作付けがされていないかも知れないね」
(シローさん、スミレさん、約束の時間になりますのでそろそろ戻りましょう)
(ミカエル、ありがとう)
二人はいちごパンケーキの店を出て、冒険者ギルドに戻ったのだった。丁度、昼の交代時間になったらしく、受付の女性は俺たちの顔を見て、こちらにやって来た。
「はじめまして、ハヤトの妻のサクラです」
「はじめまして、王都ケトマスから来たシローです」
「妻のスミレです」
「サクラ、遅れてすまん、すまん」
「ハヤトさん、そんなに走らないで下さいな」
「シローさん、スミレさん、私達の家に来ませんか?」
「そこなら、人目を気にしなくて済みますから」
ギルド職員用の社宅は 冒険者ギルドから少し離れた場所に建っていた。ハヤト、サクラ夫妻はそこに住んでいたのだった。
(話終わり)
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