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第2章
2-4 魔物退治でレベリング
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朝食後……
「ミカエル、今日のメニューを教えてくれ」
「はい、今日は魔鉱石の採取と魔物退治でレベリングを行います」
「その前にヨーヘーさんとアッコさんのお好きな武器を一つ作ってもらいます」
「シローさん、どんな武器を持っているのか参考に見せてもらえないか?」
「スミレさんも武器を見せてもらえないかしら」
「ヨーヘー、これってアニメの魔法の杖とサーベル銃よ」
「アッコ、俺たちの子どもだった頃はスクーターに乗った白頭巾おっさんが鉄砲だったぞ」
「待てよ、同じ白頭巾でもサングラスのおっさんも鉄砲だったな」
「あとは、時代劇の侍の刀だったし」
ヨーヘーはブツブツ言いながら考えだした。
「ヨーヘー、それよ」
「ミカエル、ヨーヘーさんの武器の調整をお願い」
「はい、銃身を伸ばしてテレビで人気の金髪のお笑いおじさんが使っているこちらは銃はどうでしょうか?」
ミカエルはテオスシステムをフル活用して金髪のお笑いおじさんが使っているコルトガバメント12インチモデルを画面に写していた。
「アッコ、俺はこの鉄砲にするよ」
「ヨーヘー、かっこいいじゃない」
「ヨーヘーさん、具現化魔法の発動はタブレットの画面を見ながら頭の中でコルトガバメントを強く思い浮かべるのです」
「アッコ、やってみるよ」
ドドン、太鼓の音が鳴って空中にコルトガバメント12インチのモデルが浮かんでいた。
「次は私の武器ね」
アッコは魔女アンドロイドのアニメを思い浮かべていた。
「ミカエル、アッコさんの武器の調整をお願い」
「はい、アッコさんの武器はアニメの魔女アンドロイドが使うサーベルですが、刃渡りをアッコさんに合わせて少し短めで60センチで調整します」
「ヨーヘー、やってみるわね」
ドドン、太鼓の音が鳴って空中にサーベルが浮かんでいた。
「ヨーヘーさんも腰に剣を下げていた方が格好が付くと思いますがどうしますか?」
「本当は盲目のマッサージ師の仕込み杖と思ったけど、アッコと同じサーベルを作るよ」
「ヨーヘーさん無難な選択だと思います。この世界で日本刀は珍しいと思います」
「皆さん、武器の準備が整いましたのでシローさんのキャンピングカーに乗りましょう」
「では、今からメガロイメラ山の洞窟に魔石採取に向かいます」
「シローさん、昨日も聞いたけどこのキャンピングカーは電気自動車なのかい?」
「ヨーヘーさん、俺もよく分かっていないのでハイブリッドと答えましたが、動力は魔石板からの魔力で動いているようですよ」
「ヨーヘー、この世界はガソリンスタンドも電気も無いのだから魔法は当たり前よ」
「あっ、そうか」
メガロイメラ山の洞窟には直ぐに到着した。4人はキャンピングカーから降りた。
「では、洞窟に入りましょう。スミレさんはタブレットを持ったまま後ろで魔物探知をお願いします」
「洞窟の中央部にオークの集団が70体はいますので、ヨーヘーさんが先に撃った後にシローさん、スミレさん、アッコさんの援護射撃が必要です」
「シローさん、赤い点がたくさんこっちに向かってくるわ」
ビッ、ビッ、ビッ、シローは重力サーベル風魔導銃を構えてオーク3体を倒した。
「シローさん、俺もやってみます」
ビッ、ビッ、ビッ、ビッ、ビッ、ビッ、ビッ、ビッ、ビッ、ビッ、ヨーヘーはコルトガバメントを上手に使ってオークを10体仕留めた。
「次は私よ」
ビッ、ビッ、ビッ、ビッ、ビッ、アッコはサーベルの雷で5体のオークを倒した。
ヨーヘーさん更に攻撃です」
ビッ、ビッ、ビッ、ビッ、ビッ、ヨーヘーは追加でオークを5体倒した。ビッ、ビッ、ビッ、ビッ、ビッ、シローが5体倒し、ビッ、ビッ、ビッ、アッコさんが3体倒した。
「シローさん、ヨーヘーさん、最後のボス戦になります」
「オークキングに向かって『メガサンダーボルト』と唱えてください」
「メガサンダーボルト」
ガラガラ、ピシャーン、大きな雷鳴がとどろき、稲光はオークキングに当たって消えた。オークキングを守っていた手下のオーク38体も全て倒れたようで赤い点は全て消えていた。
シローとヨーヘーは収納魔法でオークキングとオークを全て回収した。
「ヨーヘー、光っているね」
「アッコ、そうだね」
「皆さん、直ぐに洞窟の外に出ましょう」
「シローさん、スミレさん、急いで下さい」
「今の戦いでヨーヘーさんとアッコさんはレベルが75以上に急激に上がりますから急いでマンドラゴラポーションを作りましょう」
シローたちは駆け足で洞窟の外に出てきた。
「ヨーヘーさん、アッコさん、とりあえずキャンピングカーで横になって休んでいて下さい」
「多分、すごく気持ち悪くなるはずです」
「ミカエル、周辺のマンドラゴラを表示」
「シローさん、キャンピングカーの直ぐ後ろにマンドラゴラの群生地です」
「了解」
「スミレさん、薬師の大鍋を具現化で出しますね」
時間が無いのでミカエルも具現化を使った。
「シローさん、マンドラゴラはそのまま抜くと絶叫で気絶するからそっと抜くのよ」
「スミレさん、分かった」
シローは、とりあえず、マンドラゴラ1株を土付きで持ってきた。
「スミレさん、まずはマンドラゴラ1株を洗浄です。空中に魔力水を浮かべてマンドラゴラを洗ってください」
「シローさん、りんご10個と蜂蜜を具現化で作りましょう」
「ミカエル、出来たよ」
「スミレさん、魔力水を満たしたら、マンドラゴラ1本とリンゴ1個、蜂蜜を大さじ3杯です」
「全てを入れ終わったら『サンクチュアリ』です」
「サンクチュアリ」
「ミカエル、出来たわ」
ピコーン、ピコーン、ピコーン……
「ヨーヘー、私気持ち悪い、吐きそうよ」
「アッコ、俺も二日酔いだ」
「アッコさん、ヨーヘーさん、しっかりして、この薬を飲んで」
「「スミレさん、ありがとう」」
「シローさんも薬を飲んで、早く」
「スミレさん、ありがとう」
「私も早く飲まないと……」
ピコーン、ピコーン、ピコーン……
4人はどれくらい寝ていたのか検討がつかなかった。とりあえず、シローはキャンピングカーの予備も合わせて2台出していたのでそれぞれのキャンピングカーで寝ていた。
(バイタル正常)
(【LV】115確認、【MP】115000確認、スキル:創造・創薬・具現化、鑑定、転移、収納、料理人、隠蔽、世界辞書、思念伝達、魔法付与付与完了)
(上級魔法全取得完了)
(バイタル正常)
(【LV】246確認、【MP】246000確認、スキル:創造・創薬・具現化、鑑定、転移、収納、料理人、隠蔽、世界辞書、思念伝達、魔法付与付完了確認)
(超級魔法全取得完了)
その間、ミカエルは4人の健康管理を管理していた。テオスシステムによってヨーヘーとアッコは転生3日目でレベル115のジェネオスとアギオスになっていた。オリンポスの神々は一斉に喜びコイオスとポイベを褒め称えた。
オークを倒して3日後の朝、ヨーヘーとアッコが転生してから既に4日が過ぎていた。
ピピピ、ピピピ、ピピピ、ミカエルは朝6時の定刻にシローとスミレさんをアラームで起こした。
ついでにヨーヘーとアッコもミカエルの予備アラームで起こした。
「ヨーヘー、起きて目覚ましが鳴ったよ」
「アッコ、今起きるよ」
「アッコ、魔力酔いは治まったよだな」
「ええ、ミサエさんが気を失う前に薬を飲ませてくれたのよ」
「ヨーヘー、おはよう、貴男覚えてないの?」
「アッコ、俺吐きそうで気持ち悪かったから何も覚えていないんだ」
「さぁ、シャワーを浴びてからシローさんとスミレさんにお礼を言いましょう」
「そうだな」
「よく寝たね、スミレさんおはよう」
「シローさん、おはよう」
「シローさん、ごめんね、先にシャワーを使わせて」
「スミレさん、ごゆっくりどうぞ」
シローは鍋にお湯を沸かし、野菜たっぷりの味噌汁を作った。ミニ炊飯器をセットして4人分のお米を炊いた。収納に卵があったので焼いたのだった。
スミレさんがシャワールームから出てきたのでシローもシャワーを使った。
ご飯が炊けたようなのでスミレさんは外にテーブルを出した。
「ヨーヘーさん、アッコさん、朝ご飯ですよ」
「「は~い」」
シローもシャワーを浴び終わったので4人で美味しく朝食を頂いたのだった。
(話終わり)
------------------------------------
コルトガバメント12インチモデル お笑いタレントがデザインしたバントライン・スペシャルとして販売されたモデルガンです。
「ミカエル、今日のメニューを教えてくれ」
「はい、今日は魔鉱石の採取と魔物退治でレベリングを行います」
「その前にヨーヘーさんとアッコさんのお好きな武器を一つ作ってもらいます」
「シローさん、どんな武器を持っているのか参考に見せてもらえないか?」
「スミレさんも武器を見せてもらえないかしら」
「ヨーヘー、これってアニメの魔法の杖とサーベル銃よ」
「アッコ、俺たちの子どもだった頃はスクーターに乗った白頭巾おっさんが鉄砲だったぞ」
「待てよ、同じ白頭巾でもサングラスのおっさんも鉄砲だったな」
「あとは、時代劇の侍の刀だったし」
ヨーヘーはブツブツ言いながら考えだした。
「ヨーヘー、それよ」
「ミカエル、ヨーヘーさんの武器の調整をお願い」
「はい、銃身を伸ばしてテレビで人気の金髪のお笑いおじさんが使っているこちらは銃はどうでしょうか?」
ミカエルはテオスシステムをフル活用して金髪のお笑いおじさんが使っているコルトガバメント12インチモデルを画面に写していた。
「アッコ、俺はこの鉄砲にするよ」
「ヨーヘー、かっこいいじゃない」
「ヨーヘーさん、具現化魔法の発動はタブレットの画面を見ながら頭の中でコルトガバメントを強く思い浮かべるのです」
「アッコ、やってみるよ」
ドドン、太鼓の音が鳴って空中にコルトガバメント12インチのモデルが浮かんでいた。
「次は私の武器ね」
アッコは魔女アンドロイドのアニメを思い浮かべていた。
「ミカエル、アッコさんの武器の調整をお願い」
「はい、アッコさんの武器はアニメの魔女アンドロイドが使うサーベルですが、刃渡りをアッコさんに合わせて少し短めで60センチで調整します」
「ヨーヘー、やってみるわね」
ドドン、太鼓の音が鳴って空中にサーベルが浮かんでいた。
「ヨーヘーさんも腰に剣を下げていた方が格好が付くと思いますがどうしますか?」
「本当は盲目のマッサージ師の仕込み杖と思ったけど、アッコと同じサーベルを作るよ」
「ヨーヘーさん無難な選択だと思います。この世界で日本刀は珍しいと思います」
「皆さん、武器の準備が整いましたのでシローさんのキャンピングカーに乗りましょう」
「では、今からメガロイメラ山の洞窟に魔石採取に向かいます」
「シローさん、昨日も聞いたけどこのキャンピングカーは電気自動車なのかい?」
「ヨーヘーさん、俺もよく分かっていないのでハイブリッドと答えましたが、動力は魔石板からの魔力で動いているようですよ」
「ヨーヘー、この世界はガソリンスタンドも電気も無いのだから魔法は当たり前よ」
「あっ、そうか」
メガロイメラ山の洞窟には直ぐに到着した。4人はキャンピングカーから降りた。
「では、洞窟に入りましょう。スミレさんはタブレットを持ったまま後ろで魔物探知をお願いします」
「洞窟の中央部にオークの集団が70体はいますので、ヨーヘーさんが先に撃った後にシローさん、スミレさん、アッコさんの援護射撃が必要です」
「シローさん、赤い点がたくさんこっちに向かってくるわ」
ビッ、ビッ、ビッ、シローは重力サーベル風魔導銃を構えてオーク3体を倒した。
「シローさん、俺もやってみます」
ビッ、ビッ、ビッ、ビッ、ビッ、ビッ、ビッ、ビッ、ビッ、ビッ、ヨーヘーはコルトガバメントを上手に使ってオークを10体仕留めた。
「次は私よ」
ビッ、ビッ、ビッ、ビッ、ビッ、アッコはサーベルの雷で5体のオークを倒した。
ヨーヘーさん更に攻撃です」
ビッ、ビッ、ビッ、ビッ、ビッ、ヨーヘーは追加でオークを5体倒した。ビッ、ビッ、ビッ、ビッ、ビッ、シローが5体倒し、ビッ、ビッ、ビッ、アッコさんが3体倒した。
「シローさん、ヨーヘーさん、最後のボス戦になります」
「オークキングに向かって『メガサンダーボルト』と唱えてください」
「メガサンダーボルト」
ガラガラ、ピシャーン、大きな雷鳴がとどろき、稲光はオークキングに当たって消えた。オークキングを守っていた手下のオーク38体も全て倒れたようで赤い点は全て消えていた。
シローとヨーヘーは収納魔法でオークキングとオークを全て回収した。
「ヨーヘー、光っているね」
「アッコ、そうだね」
「皆さん、直ぐに洞窟の外に出ましょう」
「シローさん、スミレさん、急いで下さい」
「今の戦いでヨーヘーさんとアッコさんはレベルが75以上に急激に上がりますから急いでマンドラゴラポーションを作りましょう」
シローたちは駆け足で洞窟の外に出てきた。
「ヨーヘーさん、アッコさん、とりあえずキャンピングカーで横になって休んでいて下さい」
「多分、すごく気持ち悪くなるはずです」
「ミカエル、周辺のマンドラゴラを表示」
「シローさん、キャンピングカーの直ぐ後ろにマンドラゴラの群生地です」
「了解」
「スミレさん、薬師の大鍋を具現化で出しますね」
時間が無いのでミカエルも具現化を使った。
「シローさん、マンドラゴラはそのまま抜くと絶叫で気絶するからそっと抜くのよ」
「スミレさん、分かった」
シローは、とりあえず、マンドラゴラ1株を土付きで持ってきた。
「スミレさん、まずはマンドラゴラ1株を洗浄です。空中に魔力水を浮かべてマンドラゴラを洗ってください」
「シローさん、りんご10個と蜂蜜を具現化で作りましょう」
「ミカエル、出来たよ」
「スミレさん、魔力水を満たしたら、マンドラゴラ1本とリンゴ1個、蜂蜜を大さじ3杯です」
「全てを入れ終わったら『サンクチュアリ』です」
「サンクチュアリ」
「ミカエル、出来たわ」
ピコーン、ピコーン、ピコーン……
「ヨーヘー、私気持ち悪い、吐きそうよ」
「アッコ、俺も二日酔いだ」
「アッコさん、ヨーヘーさん、しっかりして、この薬を飲んで」
「「スミレさん、ありがとう」」
「シローさんも薬を飲んで、早く」
「スミレさん、ありがとう」
「私も早く飲まないと……」
ピコーン、ピコーン、ピコーン……
4人はどれくらい寝ていたのか検討がつかなかった。とりあえず、シローはキャンピングカーの予備も合わせて2台出していたのでそれぞれのキャンピングカーで寝ていた。
(バイタル正常)
(【LV】115確認、【MP】115000確認、スキル:創造・創薬・具現化、鑑定、転移、収納、料理人、隠蔽、世界辞書、思念伝達、魔法付与付与完了)
(上級魔法全取得完了)
(バイタル正常)
(【LV】246確認、【MP】246000確認、スキル:創造・創薬・具現化、鑑定、転移、収納、料理人、隠蔽、世界辞書、思念伝達、魔法付与付完了確認)
(超級魔法全取得完了)
その間、ミカエルは4人の健康管理を管理していた。テオスシステムによってヨーヘーとアッコは転生3日目でレベル115のジェネオスとアギオスになっていた。オリンポスの神々は一斉に喜びコイオスとポイベを褒め称えた。
オークを倒して3日後の朝、ヨーヘーとアッコが転生してから既に4日が過ぎていた。
ピピピ、ピピピ、ピピピ、ミカエルは朝6時の定刻にシローとスミレさんをアラームで起こした。
ついでにヨーヘーとアッコもミカエルの予備アラームで起こした。
「ヨーヘー、起きて目覚ましが鳴ったよ」
「アッコ、今起きるよ」
「アッコ、魔力酔いは治まったよだな」
「ええ、ミサエさんが気を失う前に薬を飲ませてくれたのよ」
「ヨーヘー、おはよう、貴男覚えてないの?」
「アッコ、俺吐きそうで気持ち悪かったから何も覚えていないんだ」
「さぁ、シャワーを浴びてからシローさんとスミレさんにお礼を言いましょう」
「そうだな」
「よく寝たね、スミレさんおはよう」
「シローさん、おはよう」
「シローさん、ごめんね、先にシャワーを使わせて」
「スミレさん、ごゆっくりどうぞ」
シローは鍋にお湯を沸かし、野菜たっぷりの味噌汁を作った。ミニ炊飯器をセットして4人分のお米を炊いた。収納に卵があったので焼いたのだった。
スミレさんがシャワールームから出てきたのでシローもシャワーを使った。
ご飯が炊けたようなのでスミレさんは外にテーブルを出した。
「ヨーヘーさん、アッコさん、朝ご飯ですよ」
「「は~い」」
シローもシャワーを浴び終わったので4人で美味しく朝食を頂いたのだった。
(話終わり)
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コルトガバメント12インチモデル お笑いタレントがデザインしたバントライン・スペシャルとして販売されたモデルガンです。
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