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第1章

1-8 キャンピングカーと家を作ろう2

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 夕方、転移門で冒険者ギルドに戻った二人は猫のあくび亭でいつものように夕飯を食べた。宿の娘に明日の朝チェックアウトすることを伝えた。

 夕食後……

「スミレさん、明日からはキャンピングカーで寝れるね」
「シローさん、それよりそろそろお風呂に入りたいね」

「そうだね、毎日お湯で体を拭いてクリーンだけでは落ち着かないね」

(シローさん、スミレさん、キャンピングカーはシャワーですが、ログハウスを作ればお風呂は解決しますよ)
(それから、魔鉱石が規定量集まりましたので今から私のアップデートを行います)

「シローさん、明日は食べ物を買いましょうよ」
「スミレさん、調理器具はどうするの?」

「シローさんの具現化で作れると思うわ」
「そうだけど、ナビ子さんはアップデート中だよ」

「多分、魔鉱石から加工してIHコンロみたいに調理をすると思うのよ」
「ああ、そういうことだね」

「スミレさん、明日は魔導具店に行ってみようよ」
「そうね、ヒントになる道具があるかもね」

消音サイレント
「スモールライト」

 シローはスモールライトで部屋を暗くしてベッドサイドだけを照らした。ほのかに照らされたスミレさんの体を優しく愛撫し始めた。

 スミレは転生前はシローに対して奥手だったがポリネシアンセックスでより大胆になり今夜はシロー上にまたがって大きく前後にグラインドするセックスを楽しんでいた。

 ◇ ◇ ◇ ◇

 翌朝、猫のあくび亭をチェックアウトした二人は直ぐにでも魔導具店に行きたかったが、トキセロ村には魔導具店は一軒も無かった。仕方が無いので食料品の買い出しに出かけた。二人は先に冒険者ギルドの売店で冒険者がどうのような装備をしているのか復習を兼ねて売店で売られている食品を見て研究をした。


「スミレさん、冒険者の食料なんて全く参考にならないよ」
「そうよ、冷蔵庫も何もないのだから、腐らない干し肉と乾パンだけだと思うわ」
「スミレさんのおっしゃるとおりです」

 二人は市場で新鮮な野菜と肉、卵、牛乳、田舎パンを購入した。それとスパークリングワインが売っていたので試飲させてもらい、1ケース12本を買った。米が売っていたので20キロほど購入をした。シローは具現化で革製のショルダーバッグとスミレさんには革製のポーチを作った。それぞれが異空間に繋がっているので絶対に分からなかった。

「スミレさん、道具屋で鍋を見ていこうよ」
「ええ見ていきましょう」

 調理道具を扱う雑貨屋に置いてある鍋は二人が予想してたより大きすぎた。

「スミレさん、具現化でスミレさんが使いやすい大きさの鍋を作るよ」
「シローさん、任せたわ」

 二人は転移門を使ってタカマリ山の草原に移動していた。

「スミレさん、まずはキャンプ用のアウトドアテーブルを具現化するね」
 シローは前世の知識をフルに活かして天板が木製の折りたたみアウトドアテーブルを具現化した。

 パパーン、パソコンに似た起動音がして空中にタブレットが浮かんでいた。

「シローさん、タブレットよ」
「本当だ、ナビ子さんが進化したんだね」

 シローはタブレットのスイッチを入れたのだった。

「シローさん、スミレさん、私は進化して天使長・ミカエルの名を授かりました」
「これからはミカエルとお呼び下さい」

「ミカエル、キャンピングカーを動かしたいのと、調理器具はどうやって作るの?」

「はい、それなら大丈夫です。既にキャンピングカーの調理道具は昨日の内に出来ておりました」
「それから、キャンピングカーの動力は魔鉱石から魔石板を抽出していただきます」

 タブレットの画面にはA4サイズの魔石板が写っていた。

「スミレさん、お願いね」
「ええ、シローさんいいわよ」
 スミレさんの細い手がシローのペニスを掴み魔力の還流が起きた

 シローは画面を見ながら魔石板を10枚作ることだけに集中した。ドドン、ドドン、ドドン、ドドン、ドドン、ドドン、ドドン、ドドン、ドドン、ドドン、太鼓の音は10回鳴って魔石板10枚が空中に浮かんでいた。

「シローさん、キャンピングカー横のスライド板を開けて魔石板を10枚セットして下さい」
「ミカエル、出来たよ」

「シローさん、了解しました」
「それでは、今から飛行準備にとりかかります」

「「絶対防御3重展開」
「魔導ジェットエンジン異常なし」
「与圧システム異常なし」
「計器類オールグリーン」
「フライトチェック、完了」

「では、キャンピングカーに乗り込んで下さい」
「タブレットはコクピットのくぼみにセット願います」

「セット確認完了」
「では、青いボタンを押し下さい。離陸します」

「テイクオフ」

 ポーン、シートベルトを着用して下さい

「スミレさん、何だか飛行機に乗っている気分だね」
 キャンピングカーは上昇を続け、規定の12000ft《高度4000メートル》まで上昇した。

「只今より、王都ケトマスを通過してチアフィーロ市で飛行して帰ってくるテストフライトを行います」

 ポーン、ポーン、

「シローさん、下を見てトキセロ村があんなに小さくなっているよ」
「スミレさん、本当だね、俺たちこんな山奥に来ていたんだ」

 飛行開始から約10分後……

「シローさん、海よ海、船が浮かんでいるわ」
「本当だ、大きな帆船だね」

「スミレさん、トキセロ村で狩った魔物をケトマスの冒険者ギルドで売ってみようか」
「シローさん、大丈夫なの?」

「シローさん、冒険者ギルドに行く前に誤解を防ぐためにステータスの隠蔽をおすすめします」
「トキセロ村での登録時はレベル15でしたが、シローさんとスミレさんの現在のステータスは現在レベル156まで上がっていて冒険者ギルドではステータスが測れないのです」

「冒険者ギルドではステータスチェックが常に行われるので、レベルを45程度に改ざんしておくのです」
「ミカエル、分かったよ、レベルの件は全てお任せするよ」

「それから、お二人の服装を魔女と錬金術師の服装に今から着替えましょう」
「こちらが、魔女と錬金術師の衣装になります」

 スミレさんの魔女服は紫のスカートに黒のマントと紫のリボンが付いた黒の魔女帽子だった。シローの錬金術師の服は濃い青の上下に黒のマントだった。二人は具現化で直ぐに作ったのだった。

「スミレさん、よく似合っていますよ」
「シローさんもかっこいいわね」

「では、こちらがお二人の現在のステータスです」

「「ステータスオープン」」

 ◇ ◇ ◇ ◇

【名前】シロー・アマダ
【種族】人族
【年齢】22
【称号】薬師・錬金術師《ジェネオス》
【スキル】
 ゼウス神の加護、ヘーラー神の加護
 創造・創薬・具現化、鑑定、転移、収納、料理人、隠蔽、世界辞書、思念伝達、魔法付与

【LV】157
【MP】157000

【名前】スミレ・アマダ
【種族】人族
【年齢】22
【称号】薬師・魔女《アギオス》
【スキル】
 ゼウス神の加護、ヘーラー神の加護
 創造・創薬・具現化、鑑定、転移、収納、料理人、隠蔽、世界辞書、思念伝達、魔法付与

【LV】157
【MP】157000

 ◇ ◇ ◇ ◇

「ミカエル、ジェネオスとアギオスって何なの?」 
「ジェネオスとアギオスの称号は神様から正式に認められたレベル99以上の勇者と聖女に与えられる称号です」

「それじゃあ、魔王とかドラゴンを倒しに行くの?」
「いいえ、この世界にはドラゴンはいますが、魔王は存在しません」
「お二人にはこれから勇者・聖女の育成をする旅に出発していただく事になると思います」

「スミレさん、そう言えば、神様が『自ら工夫をして早期にレベル99まで上げるのじゃ』って言ってたね」
「そうだったわね」

 ポーン、ポーン、まもなくケトマス港に着陸します。
 キャンピングカーは高度を下げてケトマス港の倉庫の裏に無事着陸をした。

「シローさん、スミレさん、冒険者ギルドまでは転移門で移動可能です」
「ミカエル、行ったことが無い場所に転移できるの?」

「はい、冒険者ギルドの座標は共有データに既に入っています」

 シローは転移門を使わずに今回は転移魔法ワープを唱えた。一瞬で景色が変わり冒険者ギルドの前に立っていた。二人は冒険者ギルドのドアを開けて中に入っていった。

「王都の冒険者ギルドにようこそ」
 シローは受付嬢にトキセロ村の山奥で魔物を狩ってそのまま王都まで来たことを告げた。

(話終わり)
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