69 / 70
第7章
7-3 ムサカを作ろうよ
しおりを挟む
ヒロシたち4人はエラーダ国のメラーナ島の中央部にログハウスを着陸させていた。
のんびり旅なので、目的地は決まっていたが、別に急ぐ必要は全く無かった。
ヒロシは思いつきだけで行動する癖があったが、ミサエさんもダリナもサブローもそんなヒロシの癖に慣れきって誰も指摘することはなかった。
午前の鐘の後、4人はとりあえず予定も無いのでリビングでのんびりとお茶を飲んでいたのだった。
「ミサエさん、今日はエラーダ料理の研究をしてみませんか?」
「ダリナ、貴女、何かいいメニューでも思いついたの?」
「はい、ムサカです」
「ダリナ、ムサカって何なの?」
「エラーダ国のお好み焼きと言うか、グランタン料理のことですよ」
「あっ、そういうことね」
ミサエさんは、AIクリスタル脳の思考加速でダリナの言おうとしている意図を読み取った。
「ダリナ、今日は私たちだけで市場に行ってムサカの研究をしましょうよ」
「はい、お供しますね」
「ヒロシさん、サブロー、ダリナと一緒に市場に行ってくるから、ヒロシさん達も好きな事をしてて」
「は~い、ミサエさん、行ってらっしゃい」
「ダリナさん、行ってらっしゃい」
ミサエさんとダリナは転移魔法で市場には直ぐに到着した。メラーナ島の市場はホンタモス市場と呼ばれ地元の海産物と野菜、果物が並べられ、活気に溢れていた。
市場に併設されている食堂で二人はムサカ料理を注文した。
「ミサエさん、ムサカって簡単に言えばナスのグラタンですよね」
「そうね、ナスを下に敷いてひき肉と上にチーズをのせたグラタンと言えばいいかしら」
「ナスを使ったお好み焼きでは駄目でしょうか?」
「ヒロシさんは、ナスの天ぷらが好きだけど……」
ミサエさんとダリナは思考加速で一気に考えた。
「「そうだ、粉チーズをのせたナスのハンバーグを作れば簡単ね」」
ミサエさんとダリナが考えたナスのハンバーグはピザ生地の代わりにナスを使ってトマトソースとひき肉と粉チーズをのせて焼いたものだった。
「これなら、オーブンを使って簡単に出来るわね」
「そうですね」
「ダリナ、ヒロシさんとサブローにオーブントースターを作ってもらいましょう」
「それから、ナスを多めに買って帰りましょうよ」
「はい」
◇ ◇ ◇ ◇
一方、ミサエさんとダリナが市場に出かけた後、ヒロシとサブローはお茶を飲みながら今後の旅について考えていた。
「ヒロシさん、魔導ジェットエンジンの改造は出来ないですか?」
「サブロー、急にどうしたんだ?」
「今後、外国に行く場合に今の飛行速度のままだと時間がかかりすぎると思ったからです」
「そうだな」
「ラファエル、ログハウスの飛行速度は改善できるのか?」
「残念ながら、ログハウスの構造上、これ以上のスピードアップは無理だと思われます」
「ラファエル、絶対防御を10枚展開しても無理か?」
「絶対防御の多重展開は可能ですが、今度はログハウスの強度が不安なのです。同じようにキャンピングカーを改造した場合も現在の速度がマックスなのです」
「そうだろうな」
「ヒロシさん、よく分かりました」
「それでも、飛空船の速度よりは6倍以上早いですから文句は言えませんね」
「俺たちの知識とこの世界で手に入る材料だけでは航空機の製造はまだ無理だらかね」
「ヒロシさん、カーボンファイバーも無理ですよね」
「サブロー、炭素繊維のことか?」
「はい、そうですよ」
「前にこの世界ではボーキサイトが無かったから機体の製造が出来なかったけど、炭素繊維なら炭から作れるな」
「そうですね」
「ラファエル、炭素繊維でログハウスの改造できるのか?」
「はい、ヨダシステムに問い合わせてみますのでしばらくお待ち下さい」
「了解、良い結果を待ってるよ」
◇ ◇ ◇ ◇
お昼前になって、ミサエさんとダリナが転移で帰ってきた。
「ヒロシさん、IHオーブンを大至急作って」
「サブローもヒロシさんを手伝って」
「ミサエさん、オーブントースターって急にどうしたの?」
「ヒロシさん、ムサカよムサカ」
ヒロシとサブローはラファエルに具現化を手伝ってもらい、コンベクション オーブントースターと呼ばれる少し大きめのオーブントースターを具現化した。
「ヒロシさん、ありがとう。これならピザもパンも両方焼けるね」
「サブローもありがとう」
チュ、ダリナはサブローにキスをした。
「ダリナさん、反対側にもお願いします」
チュ、ダリナはサブローほっぺの反対側にもキスをした。
「ダリナ、準備が出来たわよ~」
「は~い」
------------------------------------
飛空船の速度の考察
この世界での飛空船の機体は帆船と同じ木製だった。飛行速度は飛空船の重量が重かったので最大で約80km程度だった。ちなみに海上を航行する大型帆船・クリッパーの速度は20ノット、約40キロほどの速度なので飛空船の方が早かった。
のんびり旅なので、目的地は決まっていたが、別に急ぐ必要は全く無かった。
ヒロシは思いつきだけで行動する癖があったが、ミサエさんもダリナもサブローもそんなヒロシの癖に慣れきって誰も指摘することはなかった。
午前の鐘の後、4人はとりあえず予定も無いのでリビングでのんびりとお茶を飲んでいたのだった。
「ミサエさん、今日はエラーダ料理の研究をしてみませんか?」
「ダリナ、貴女、何かいいメニューでも思いついたの?」
「はい、ムサカです」
「ダリナ、ムサカって何なの?」
「エラーダ国のお好み焼きと言うか、グランタン料理のことですよ」
「あっ、そういうことね」
ミサエさんは、AIクリスタル脳の思考加速でダリナの言おうとしている意図を読み取った。
「ダリナ、今日は私たちだけで市場に行ってムサカの研究をしましょうよ」
「はい、お供しますね」
「ヒロシさん、サブロー、ダリナと一緒に市場に行ってくるから、ヒロシさん達も好きな事をしてて」
「は~い、ミサエさん、行ってらっしゃい」
「ダリナさん、行ってらっしゃい」
ミサエさんとダリナは転移魔法で市場には直ぐに到着した。メラーナ島の市場はホンタモス市場と呼ばれ地元の海産物と野菜、果物が並べられ、活気に溢れていた。
市場に併設されている食堂で二人はムサカ料理を注文した。
「ミサエさん、ムサカって簡単に言えばナスのグラタンですよね」
「そうね、ナスを下に敷いてひき肉と上にチーズをのせたグラタンと言えばいいかしら」
「ナスを使ったお好み焼きでは駄目でしょうか?」
「ヒロシさんは、ナスの天ぷらが好きだけど……」
ミサエさんとダリナは思考加速で一気に考えた。
「「そうだ、粉チーズをのせたナスのハンバーグを作れば簡単ね」」
ミサエさんとダリナが考えたナスのハンバーグはピザ生地の代わりにナスを使ってトマトソースとひき肉と粉チーズをのせて焼いたものだった。
「これなら、オーブンを使って簡単に出来るわね」
「そうですね」
「ダリナ、ヒロシさんとサブローにオーブントースターを作ってもらいましょう」
「それから、ナスを多めに買って帰りましょうよ」
「はい」
◇ ◇ ◇ ◇
一方、ミサエさんとダリナが市場に出かけた後、ヒロシとサブローはお茶を飲みながら今後の旅について考えていた。
「ヒロシさん、魔導ジェットエンジンの改造は出来ないですか?」
「サブロー、急にどうしたんだ?」
「今後、外国に行く場合に今の飛行速度のままだと時間がかかりすぎると思ったからです」
「そうだな」
「ラファエル、ログハウスの飛行速度は改善できるのか?」
「残念ながら、ログハウスの構造上、これ以上のスピードアップは無理だと思われます」
「ラファエル、絶対防御を10枚展開しても無理か?」
「絶対防御の多重展開は可能ですが、今度はログハウスの強度が不安なのです。同じようにキャンピングカーを改造した場合も現在の速度がマックスなのです」
「そうだろうな」
「ヒロシさん、よく分かりました」
「それでも、飛空船の速度よりは6倍以上早いですから文句は言えませんね」
「俺たちの知識とこの世界で手に入る材料だけでは航空機の製造はまだ無理だらかね」
「ヒロシさん、カーボンファイバーも無理ですよね」
「サブロー、炭素繊維のことか?」
「はい、そうですよ」
「前にこの世界ではボーキサイトが無かったから機体の製造が出来なかったけど、炭素繊維なら炭から作れるな」
「そうですね」
「ラファエル、炭素繊維でログハウスの改造できるのか?」
「はい、ヨダシステムに問い合わせてみますのでしばらくお待ち下さい」
「了解、良い結果を待ってるよ」
◇ ◇ ◇ ◇
お昼前になって、ミサエさんとダリナが転移で帰ってきた。
「ヒロシさん、IHオーブンを大至急作って」
「サブローもヒロシさんを手伝って」
「ミサエさん、オーブントースターって急にどうしたの?」
「ヒロシさん、ムサカよムサカ」
ヒロシとサブローはラファエルに具現化を手伝ってもらい、コンベクション オーブントースターと呼ばれる少し大きめのオーブントースターを具現化した。
「ヒロシさん、ありがとう。これならピザもパンも両方焼けるね」
「サブローもありがとう」
チュ、ダリナはサブローにキスをした。
「ダリナさん、反対側にもお願いします」
チュ、ダリナはサブローほっぺの反対側にもキスをした。
「ダリナ、準備が出来たわよ~」
「は~い」
------------------------------------
飛空船の速度の考察
この世界での飛空船の機体は帆船と同じ木製だった。飛行速度は飛空船の重量が重かったので最大で約80km程度だった。ちなみに海上を航行する大型帆船・クリッパーの速度は20ノット、約40キロほどの速度なので飛空船の方が早かった。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方
ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。
注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる