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第7章
7-1 フリーズが起きていた ムール貝の白ワイン蒸し
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ヒロシたち4人は天界の宮殿で食事と酒が振る舞われ楽しい時間が過ぎていった。
「楽しい時間をありがとうございました」
「依り代を使って儂らに呼びかければ何時でも神界に来れるので遠慮なく来るのじゃ」
「それから、仙桃の実を土産に持って帰るのじゃ」
プリアーポス様とボナデア様からもらった大き目の植木鉢には仙桃の実が10個なっていた。
「仙桃の実は毎日実るから好きな時に食べるのじゃ」
「ひょっとして、ヘーラ様からのご依頼ですか?」
「そうじゃ」
「では、充分にいただきましたのでこれでお暇します」
「気をつけて帰るのじゃ」
ヒロシが天界門を開けるとログハウスに戻ってきていた。天界と地上では時間軸が少しズレているらしく、天界でほんの1日のつもりが、ヒロシたち4人は1週間ほど天界に行っていた事になっていた。
◇ ◇ ◇ ◇
「ヒロシさん、やっぱり変な物もらったじゃない」
「ミサエさん、プリアーポス様とボナデア様からもらった仙桃のこと?」
「そうよ、こんなの貴族や王様に見つかったら直ぐに没収されるよ」
「そうだよね、とりあえずピーチゼリにして皆んなで食べようよ」
「ダリナ、ピーチゼリーの準備よ」
「は~い」
ミサエさんは、ヒロシが問題を先送りすることに文句を言いたかったが、もめる元なのでぐっとこらえた。ミサエさんとダリナは仙桃の実でピーチゼリーの準備にとりかかった。
ミサエさんとダリナが作ったピーチゼリーを食べた後に4人は次の目的地を決めかねていた。
「さてと、これからどうしようか? とりあえず、ラファエルの地図機能を使って次の目的地を決めようよ」
「ええ、そうね」
「ミサエさん、スイーツ探しを最優先させませんか?」
「ダリナ、それもいいわね」
「ヒロシさん、僕は世界中の串焼き肉を全て制覇したいです」
「サブロー、それもいいな」
「ラファエル、次の目的地を探してくれ」
「了解しました」
「次の候補地は……」
ピロロン、ピロロン、ポニョニョ、ピロロン、ピロロン、ポニョニョ、ピロロン、ピロロン、ポニョニョ、……
「ミサエさん、ラファエルがエラーを起こして何も反応が無いよ」
「ヒロシさん、フリーズですか?俺の方も反応していません」
「サブロー、そんな時は再起動だ」
「そうですね」
ヒロシとサブローはそれぞれのタブレットを強制終了して再起動した。
「サブロー、これはシステムアップデート中だ」
「ヒロシさん、僕のも同じ表示です」
「ミサエさん、ダリナ、ラファエルが動かないから今日はオフの日にしようよ」
「仕方ないわね」
「ダリナ、スイーツの新しいレシピを考えましょう」
「は~い」
「ヒロシさん、サブロー、あなた達もラファエルばかりに頼らずに、たまにはデジタルデトックスをしたら」
「そうだね」
「そうですね」
これからどうするのですか?
「そうだね、具現化で模造紙に世界地図を印刷するから皆んなで行きたい場所を決めようよ」
ヒロシは具現化を発動して模造紙に世界地図を転写した。
西の大陸 マケドニア
東の大陸 プリキア
南の大陸 エーゲ
北の大陸 トラキア
「ヒロシさん、僕たちがいるのが南の大陸のエーゲですよね」
「そうだね、オルメノスはこのあたりだね」
「ヒロシさん、タコ料理ですよ、タコ」
「そうか、こっちに来て忘れていた」
「ミサエさん、ダリナ、タコだよ」
「「たこ焼き!!」」
ジュルル、
「サブローよだれ拭いてあげるね」
ダリナはハンカチでサブローのよだれを拭いた。
4人はキャンピングカーが使えないので飛翔魔法を使ってエラーダ国の港に来ていた。港の通りは新鮮な魚介類を売る店と新鮮な魚を提供する店が混在していた。
「ヒロシさん、たこ焼きの看板よ」
ミサエさんが指差す方向に鍋とタコの絵が描いてあった。
「サブロー、アヒージョなのか?」
「ヒロシさん、お店の人はガストラって言っていましたけど」
ヒロシは勘違いをしていたが、ガストラは鍋でオーブン料理のように蒸し焼きにした料理だった。
「サブロー、美味いな」
「美味しいっす」
「ヒロシさん、私はこの料理好きよ」
「ミサエさん、私も好きです。それにワインも美味しいです」
「そうね、この白ワインはお魚料理に合うわね、後で箱買いね」
「そうですね」
4人は店の主人にワインの店を聞き、酒屋に向かった。目的の白ワインはミサエさんとダリナで合計10箱買ったのだった。
4人は市場の通りを歩いて、タコ、エビ、イカ、スズキ、ホタテ、ムール貝とおなじみの魚介類を爆買いしたのだった。おかげで大分おまけをしてもらえた。
「ミサエさん、料理のレパートリーがうんと増えますね」
「そうね、ここのお魚は新鮮だし、安いから」
「そうですね」
「ヒロシさん、ラファエルに全く頼らない旅もいいでしょ」
「ミサエさん、そうだね、俺たち4人だけで知恵を出し合えば充分な事が分かったよ」
ヒロシはこの後、今夜の宿泊先をオルメノスの草原に戻るかで一人で悩んでいたので皆んなに相談することにした。
「皆んな、今夜は何処に泊まりたい?」
「ヒロシさん、僕はキャンピングカーの野宿で構いませんよ」
「私は、サブローとラブラブするから何処でもいいです」
「ヒロシさん、宿屋はお風呂が無いから却下よ」
「ミサエさん、そうなると転移門でオルメノスの草原か、人が絶対に来ない新たな場所を探すかだけど……」
「そうね、タイバン島の時のように無人島にしましょうよ」
「了解、各自絶対防御魔法と隠蔽魔法を発動して1000メートルほど空に浮かび上がろうよ」
4人は絶対防御魔法と隠蔽魔法を発動して空に浮かび上がった。最初に島を見つけたのはサブローだった。
「ヒロシさん、南に大きな島が浮かんでいます」
「皆んな行ってみようか?」
4人は絶対防御魔法と隠蔽魔法を発動したまま飛翔魔法で大きな島の中央部に降り立った。サブローが見つけた島は沿岸部に人家がちらほら建っていたが、島の中央部は人が入らないような場所だった。
「念の為にログハウスの四隅に隠蔽魔法の魔石を置いておくね」
「ヒロシさんにしては上出来よ」
「ミサエさん、ありがとうございます」
「だって、宿屋でダリナたちがラブラブしていたら宿の人に追い出されるわよ」
「多分、その辺は二人も自覚があると思いますよ」
「そうだといいね」
「ダリナ、夕飯はムール貝の白ワイン蒸しにしましょうよ」
「は~い」
「ヒロシさん、今回みたいにキャンピングカーが使えないときにゴーレム馬車を作ってみませんか?
「サブロー、そうだな、それなら他の人から怪しまれないな」
「どうせなら、一般人が近寄らないように日本の家紋が入った馬車にしましょうよ」
「そうだね」
「ヒロシさん、サブロー、出来たわよ」
「「は~い」」
うま~、ダリナさん美味しいです」
サブローはワイングラスを片手にムール貝を頬張った。
「ミサエさん、このエビも新鮮だね」
「そうよ、おばさんに値切っておまけしてもらったのよ」
「ダリナさん、ヒロシさんとミサエさんはエビだけでラブラブが出来るのですね」
サブロー、そうよ、私たちはムール貝とホタテでラブラブなのよ」
「ダリナさん、愛しています」
「サブロー、私もよ」
チュッ、「あれ~」「あれ~」
「サブロー、ダリナ、いい雰囲気だったね」
「ミサエさん、恥ずかしいです」
こうして4人は白ワインをしこたま飲んでムール貝とホタテの夜はふけていった
(話終わり)
-------------------------------------
その頃神界ではテオスシステムの大幅なアップデートが行われている最中であり、ジェネオス、アギオスから届く共有データーが逐次サーバー蓄積されていた。
ヒロシたちのタブレットが突然フリーズした原因は、ヘーラが女神たちの会議で言い出した『アギオスが作る料理はテオスシステムに全て記録していくのじゃ』に問題があったようでテオスシステム全体に負荷がかかって障害が出てしまったようだった。
神界ではミーミルとソフィアがアギオスの料理専用に新たにシステムの増強を行っていた。ヘスティア、アテナ、アルテミスの3女神がヘーラに呼ばれてミーミルとソフィアの応援に入った。
5柱の神々が話し合った結果、テオスシステムの記憶容量を、現状の21乗することでヨダシステムと名付けゼウス、ヘーラの審査待ちになったのだった。
ヒロシたち4人を担当するプリアーポス様とボナデア様はラファエルの反応が無くなった時点で神界の泉を覗いてヒロシたち4人の行動を暖かく見守ることにしたのだった。
「楽しい時間をありがとうございました」
「依り代を使って儂らに呼びかければ何時でも神界に来れるので遠慮なく来るのじゃ」
「それから、仙桃の実を土産に持って帰るのじゃ」
プリアーポス様とボナデア様からもらった大き目の植木鉢には仙桃の実が10個なっていた。
「仙桃の実は毎日実るから好きな時に食べるのじゃ」
「ひょっとして、ヘーラ様からのご依頼ですか?」
「そうじゃ」
「では、充分にいただきましたのでこれでお暇します」
「気をつけて帰るのじゃ」
ヒロシが天界門を開けるとログハウスに戻ってきていた。天界と地上では時間軸が少しズレているらしく、天界でほんの1日のつもりが、ヒロシたち4人は1週間ほど天界に行っていた事になっていた。
◇ ◇ ◇ ◇
「ヒロシさん、やっぱり変な物もらったじゃない」
「ミサエさん、プリアーポス様とボナデア様からもらった仙桃のこと?」
「そうよ、こんなの貴族や王様に見つかったら直ぐに没収されるよ」
「そうだよね、とりあえずピーチゼリにして皆んなで食べようよ」
「ダリナ、ピーチゼリーの準備よ」
「は~い」
ミサエさんは、ヒロシが問題を先送りすることに文句を言いたかったが、もめる元なのでぐっとこらえた。ミサエさんとダリナは仙桃の実でピーチゼリーの準備にとりかかった。
ミサエさんとダリナが作ったピーチゼリーを食べた後に4人は次の目的地を決めかねていた。
「さてと、これからどうしようか? とりあえず、ラファエルの地図機能を使って次の目的地を決めようよ」
「ええ、そうね」
「ミサエさん、スイーツ探しを最優先させませんか?」
「ダリナ、それもいいわね」
「ヒロシさん、僕は世界中の串焼き肉を全て制覇したいです」
「サブロー、それもいいな」
「ラファエル、次の目的地を探してくれ」
「了解しました」
「次の候補地は……」
ピロロン、ピロロン、ポニョニョ、ピロロン、ピロロン、ポニョニョ、ピロロン、ピロロン、ポニョニョ、……
「ミサエさん、ラファエルがエラーを起こして何も反応が無いよ」
「ヒロシさん、フリーズですか?俺の方も反応していません」
「サブロー、そんな時は再起動だ」
「そうですね」
ヒロシとサブローはそれぞれのタブレットを強制終了して再起動した。
「サブロー、これはシステムアップデート中だ」
「ヒロシさん、僕のも同じ表示です」
「ミサエさん、ダリナ、ラファエルが動かないから今日はオフの日にしようよ」
「仕方ないわね」
「ダリナ、スイーツの新しいレシピを考えましょう」
「は~い」
「ヒロシさん、サブロー、あなた達もラファエルばかりに頼らずに、たまにはデジタルデトックスをしたら」
「そうだね」
「そうですね」
これからどうするのですか?
「そうだね、具現化で模造紙に世界地図を印刷するから皆んなで行きたい場所を決めようよ」
ヒロシは具現化を発動して模造紙に世界地図を転写した。
西の大陸 マケドニア
東の大陸 プリキア
南の大陸 エーゲ
北の大陸 トラキア
「ヒロシさん、僕たちがいるのが南の大陸のエーゲですよね」
「そうだね、オルメノスはこのあたりだね」
「ヒロシさん、タコ料理ですよ、タコ」
「そうか、こっちに来て忘れていた」
「ミサエさん、ダリナ、タコだよ」
「「たこ焼き!!」」
ジュルル、
「サブローよだれ拭いてあげるね」
ダリナはハンカチでサブローのよだれを拭いた。
4人はキャンピングカーが使えないので飛翔魔法を使ってエラーダ国の港に来ていた。港の通りは新鮮な魚介類を売る店と新鮮な魚を提供する店が混在していた。
「ヒロシさん、たこ焼きの看板よ」
ミサエさんが指差す方向に鍋とタコの絵が描いてあった。
「サブロー、アヒージョなのか?」
「ヒロシさん、お店の人はガストラって言っていましたけど」
ヒロシは勘違いをしていたが、ガストラは鍋でオーブン料理のように蒸し焼きにした料理だった。
「サブロー、美味いな」
「美味しいっす」
「ヒロシさん、私はこの料理好きよ」
「ミサエさん、私も好きです。それにワインも美味しいです」
「そうね、この白ワインはお魚料理に合うわね、後で箱買いね」
「そうですね」
4人は店の主人にワインの店を聞き、酒屋に向かった。目的の白ワインはミサエさんとダリナで合計10箱買ったのだった。
4人は市場の通りを歩いて、タコ、エビ、イカ、スズキ、ホタテ、ムール貝とおなじみの魚介類を爆買いしたのだった。おかげで大分おまけをしてもらえた。
「ミサエさん、料理のレパートリーがうんと増えますね」
「そうね、ここのお魚は新鮮だし、安いから」
「そうですね」
「ヒロシさん、ラファエルに全く頼らない旅もいいでしょ」
「ミサエさん、そうだね、俺たち4人だけで知恵を出し合えば充分な事が分かったよ」
ヒロシはこの後、今夜の宿泊先をオルメノスの草原に戻るかで一人で悩んでいたので皆んなに相談することにした。
「皆んな、今夜は何処に泊まりたい?」
「ヒロシさん、僕はキャンピングカーの野宿で構いませんよ」
「私は、サブローとラブラブするから何処でもいいです」
「ヒロシさん、宿屋はお風呂が無いから却下よ」
「ミサエさん、そうなると転移門でオルメノスの草原か、人が絶対に来ない新たな場所を探すかだけど……」
「そうね、タイバン島の時のように無人島にしましょうよ」
「了解、各自絶対防御魔法と隠蔽魔法を発動して1000メートルほど空に浮かび上がろうよ」
4人は絶対防御魔法と隠蔽魔法を発動して空に浮かび上がった。最初に島を見つけたのはサブローだった。
「ヒロシさん、南に大きな島が浮かんでいます」
「皆んな行ってみようか?」
4人は絶対防御魔法と隠蔽魔法を発動したまま飛翔魔法で大きな島の中央部に降り立った。サブローが見つけた島は沿岸部に人家がちらほら建っていたが、島の中央部は人が入らないような場所だった。
「念の為にログハウスの四隅に隠蔽魔法の魔石を置いておくね」
「ヒロシさんにしては上出来よ」
「ミサエさん、ありがとうございます」
「だって、宿屋でダリナたちがラブラブしていたら宿の人に追い出されるわよ」
「多分、その辺は二人も自覚があると思いますよ」
「そうだといいね」
「ダリナ、夕飯はムール貝の白ワイン蒸しにしましょうよ」
「は~い」
「ヒロシさん、今回みたいにキャンピングカーが使えないときにゴーレム馬車を作ってみませんか?
「サブロー、そうだな、それなら他の人から怪しまれないな」
「どうせなら、一般人が近寄らないように日本の家紋が入った馬車にしましょうよ」
「そうだね」
「ヒロシさん、サブロー、出来たわよ」
「「は~い」」
うま~、ダリナさん美味しいです」
サブローはワイングラスを片手にムール貝を頬張った。
「ミサエさん、このエビも新鮮だね」
「そうよ、おばさんに値切っておまけしてもらったのよ」
「ダリナさん、ヒロシさんとミサエさんはエビだけでラブラブが出来るのですね」
サブロー、そうよ、私たちはムール貝とホタテでラブラブなのよ」
「ダリナさん、愛しています」
「サブロー、私もよ」
チュッ、「あれ~」「あれ~」
「サブロー、ダリナ、いい雰囲気だったね」
「ミサエさん、恥ずかしいです」
こうして4人は白ワインをしこたま飲んでムール貝とホタテの夜はふけていった
(話終わり)
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その頃神界ではテオスシステムの大幅なアップデートが行われている最中であり、ジェネオス、アギオスから届く共有データーが逐次サーバー蓄積されていた。
ヒロシたちのタブレットが突然フリーズした原因は、ヘーラが女神たちの会議で言い出した『アギオスが作る料理はテオスシステムに全て記録していくのじゃ』に問題があったようでテオスシステム全体に負荷がかかって障害が出てしまったようだった。
神界ではミーミルとソフィアがアギオスの料理専用に新たにシステムの増強を行っていた。ヘスティア、アテナ、アルテミスの3女神がヘーラに呼ばれてミーミルとソフィアの応援に入った。
5柱の神々が話し合った結果、テオスシステムの記憶容量を、現状の21乗することでヨダシステムと名付けゼウス、ヘーラの審査待ちになったのだった。
ヒロシたち4人を担当するプリアーポス様とボナデア様はラファエルの反応が無くなった時点で神界の泉を覗いてヒロシたち4人の行動を暖かく見守ることにしたのだった。
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