改訂版 愛のエキスと聖女さま

にしのみつてる

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第6章

6-5 ココラリホー作戦

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 タイバン島に買い物をしていたとき、ダリナとミサエさんは強盗に襲われたのだった。直ぐに絶対防御魔法が発動し、強盗たちは弾かれ、幻影魔法が強盗の三半規管に作用したのだった。強盗は口から汚物を撒き散らしながらアジトに逃げ帰ったのだった。

「親分大変です、ハオユーとムーチェンが反吐ゲロを吐きながら帰ってきました」
「親分大変です、ズーハンとユーエンも反吐ゲロを吐きながら帰ってきました」

「おい、お前らいったいどうしたんだ」

「市場で、巨乳の女に襲いかかったら魔法をかけられて反吐ゲロが止まらないんです」
「俺もそうです、巨乳の女と弱そうな男の後ろから襲いかかったら目がグルグル回って反吐ゲロが止まらないんです」

 ウゲー、ウゲー、オェー、オェー、4人の強盗たちは吐き疲れて気を失ってしまった。

「誰か、4人に回復ポーションを用意してやれ」

「俺たちのシマで余所者の勝手は許さねえ、巨乳女と弱っちい男をとっとと捕まえてこい」
「「「「「ハイ」」」」」

 強盗グループ石虎のハオランは部下を市場と9番街に配置させた。
 強盗グループ石虎はタイバン島で誘拐、人身売買、麻薬の密輸、売春斡旋、闇賭博とやりたい放題やっていたのだった。騎士団も石虎の悪事は把握していたが、国王命令で大きな悪事が無い限りは逮捕はしなかったのだった。

「ミサエさん、あいつら全然反省が無いね」
「ヒロシさん、今日は徹底的にココラリホーをしましょうよ」

「ミサエさんもエグいね」
「当たり前よ」

(ダリナ、サブロー、今からココラリホー作戦だ)
(そこのスムージーの屋台で合流しようよ)

 ダリナとサブローが合流したのでヒロシは路地裏で転移門を出して4人は着替えのため一旦ログハウスに戻ったのだった。


「皆んないいかい、作戦はこうだよ」
 ヒロシはココラリホー作戦の説明を始めた……

「まず、俺とサブローはロキシア農民の衣装に着替えて弱っちぃ役を演じるんだ。武器は何も持たない方がいいだろう」

「ミサエさんとダリナは今の格好でもいいけど、出来たら俺たちに合わせてロキシア農民の衣装がいいね」
「目立ちながら屋台で買う素振りを見せながら強盗の気を引き付けるんだ」

「それで、絶対防御が発動し、ココラリホーが発動してから俺とサブローが強盗を麻痺《パララライズ》で気絶させてバインドで拘束していくんだ」

「なるほど、それなら襲ってきた強盗たちを騎士団に引き渡せますね」


「ヒロシさん、用意が出来たわよ」
「サブローさん、行きましょう」

「ラファエル、絶対防御3重展開」

「了解です、それから、転移門を出ると『石虎』の子分たちが見張っています」
「慎重に行動して下さい」

「ラファエル、『石虎』って何?」
「はい、強盗グループの名称が石虎です」
「了解」

「サブロー、麻酔時計を付けていこう」
「そうですね」



「ユウロン兄貴、巨乳の農民女二人ですぜ」
「リーキョウ、俺たちで先に頂こうぜ」

「ゲヘヘ、兄貴、俺っち、さっきから疼いて我慢できません」
「リーキョウ、俺もだ」
ユウロンとリーキョウはわざとナニを出しながら様子を伺っていた

「リーキョウ、行くぞ」
 二人組の強盗がミサエさんとダリナに飛びかかった瞬間、絶対防御と幻影魔法が発動した。

 バチン、バチン、ココラリホー、ココラリホー、ウゲー、ゲー、オェー、ゲー

「サブロー、麻酔時計だ」
 バシュ、バシュ、バインド、バインド、二人組の強盗は麻酔で吐き気で気絶していたのでヒロシは具現化で薄い板を作った。

『私は観光客を襲った間抜けな強盗です』と薄い板にマーカーペンで書いた。サブローは魔法で二人組の強盗の衣服を外取ったので丸裸にされて首から板をぶら下げていた。

「ミサエさん、ダリナ、次に行こう」
「ダリナ、少し怖いけど裏通りに行くわよ」

 市場から続く裏通りは地元の人たちが愛する屋台が多く並んでいた。

「ミサエさん、小籠包ですね」
「ダリナ、4つ買っていきましょう」

 小籠包を売る屋台は買い物客でごった返していたのでドサクサに紛れてダリナとミサエさんの胸をつかもうと誰かがタッチしたようだった。

 バチン、バチン、バシュ、バインド、
「おい、男が女の胸を触ろうとして急に倒れたぞ」

「皆さん、驚かないで下さい。今のは自己防衛魔法です、何も怖くはありません」
「誰か騎士団を呼んできて下さい」
 サブローが大声を上げた。

「皆んな、何も無かったように知らんぷりしてこっそり逃げよう」
「「「隠密ハイド」」」
4人の姿は一瞬で見えなくなった。

「それにしても治安が悪い島だね」
「そうね」

「ヒロシさん、エッチなお店ですよ」
「サブロー、ミサエさんとダリナの前だぞ」

「おい、兄さんら金は持っているのか?」
「それとも、女二人を売りに来たのか?」
「巨乳の姉ちゃん二人は後から俺たちがたっぷりかわいがってやるぜ、グヘヘ」
 ヤーモンとズーハンは青龍刀を舐めながらヒロシとサブローにいきなり切りかかってきた。

 フッ、ハッ、フッ、ハッ、バチン、バチン、ココラリホー、ココラリホー、バチン、バチン、ココラリホー、ココラリホー、ウゲー、ウゲー、オェー、オェー、ゲー、ゲー、ウゲー、オェー、ヤーモンとズーハンはのたうち回っていた。

「サブロー、麻酔時計だ」
 バシュ、バシュ、バインド、バインド、娼館の用心棒だったヤーモンとズーハンは丸裸にされて縛られた。

「あいつら、親分が言っていた変な魔法使いだ」
「ハオラン親分に早く知らせろ」
 ヤーモンとズーハンが縛られたので石虎の子分たちが直ぐに駆けつけたのでヒロシたち4人は石虎強盗団に囲まれてしまった。

「お前らが俺たちのシマを荒らし回っている魔法使いか?」
「俺たちの子分をよくもいたぶってくれたな。野郎ども手足をもぎ取ってミンチにしてやれ」
「「「「「 おう~!! 」」」」」

「サブロー、まずい囲まれた」
「ヒロシさん、アランとイワンを呼びましょう」

「サモンゴーレム・アラン、イワン」
「アラン、イワン、周囲を警戒しながら攻撃して来た相手を麻酔で眠らせてくれ」

「「サブローさん了解です」」

「ダリナ、エレナとベッキーを呼んで」
「サモンゴーレム・エレナ、ベッキー」

「エレナ、ベッキー、攻撃されたら麻酔で眠らせて」
「「了解しました」」

 ラリホー、ラリホー、ラリホー、ラリホー、ラリホー、ラリホー、ラリホー、ラリホー、ラリホー、ラリホー、、4体のゴーレムは合唱のように声をハモらせて睡眠魔法を発動したのだった。

「親分、俺もうだめだ」
「俺も眠くなってきた」
「俺もだ」

 ガシャ、バタッ、バタッ、バタッ、バタッ、ガシャ、バタッ、バタッ、バタッ、バタッ、ガシャ、バタッ、バタッ、バタッ、バタッ、強盗団全員が青龍刀を放り出して睡眠魔法で眠ってしまった。

「サブロー、丸裸して全員を縛り上げよう」
「はい」

「おい、見ろよ、石虎が裸にされて全員縛られているぞ」
「お~い、誰か、騎士団に連絡してくれ」

「サブロー、この板を強盗の首にぶら下げておいてくれ」
「みんな、騎士団が来て面倒になる前にログハウスに戻ろうよ」
「「「「隠蔽ハイド」」」」
 ヒロシは隠密魔法をかけたまま転移門を出したので皆んなはくぐってログハウスに瞬間移動したのだった。


『私たちは観光客を襲った間抜けな強盗です』

 シャンフー騎士団長は強盗の首にかけられていた板をインチョウ国王に提出したのだった。一連の市場周辺での強盗事件は一気に解決し、市場の屋台はショバ代が廃止され、娼館もみかじめ料を払わなくてもよくなったので一気に島全体が健全営業となっていったのだった。

「シャンフーよ、懸案であった、石虎は壊滅したのだな」
「はっ、そのとおりです」

「それにしても、間抜けな強盗団だったな」
「それが、ロキシア農民の格好をした4人をゴーレム4体が守りながら魔法で歌い全員が魔法で眠らされておりました」
「他の市民からの通報では別の場所でも幻覚障害から魔力酔い起こして気を失った強盗もいるようです」

「ロキシア農民の4人は相当な魔法の使い手であるな」
「そのようです」

「一応、他国の冒険者ギルドにロキシア農民の格好をした魔法使いの紹介をかけておけ」
「はっ、仰せのままに」

「では、今から大臣の粛清にかかる」
 こうして、タイバン島の膿が出され、石虎から献金を受けていた3人の大臣とその家族はその日の内に粛清されギロチン台にかけられて闇へと消されたのだった。

(話終わり)
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