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第5章

5-3 何で砂漠の真ん中でキャンプなの?

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 途中、国境の町キャフテの騎士団の詰め所で1時間ほど時間をロスをしてしまったが、飛翔魔法で無事にキャンピングカーに戻ることが出来た。ヒロシとミサエさん、ダリナとサブローは昼食の真っ最中だった。2時間後、キャンピングカーは再び順調に飛行を開始した。

「もう、サブローが我儘言うから私たちが目立ってしまったじゃない」

「ダリナさん、ごめんなさい」
「ショルラッグ2本あげます」

「サブロー、ショルラッグ3本よ」
「はい」
 サブローはダリナに串焼き肉を3本取られたのだった。

「ダリナ、サブローを許してあげなさい」
「は~い」

「まぁ、怪我が無かったからいいじゃないか」
「そうね」
 ヒロシとミサエさんの細かいことを気にしない性格は転生しても変わっていなかった。

 ポーン、
「まもなく砂漠地帯に着陸します」
「明日から狩りをしますので今日はここでキャンプをします」

 ラファエルは密かにキャンピングカーを改造したようで無駄に旅客機の機内アナウンスのチャイムを付けのだった。

「ラファエル、何で砂漠の真ん中でキャンプなの?」

「明日からは、皆さんのレベル上げを兼ねて砂漠の魔物を倒してアダマンタイトを採取するのです」

「ラファエル、砂漠の魔物の種類は何なの?」
「砂漠の地中に潜んでいるジャイアントワームです」

「ジャイアントワームを討伐して解体すると体の中からアダマンタイトが出てくるのでゴーレムの素材集めを兼ねているのです」

 キャンピングカーは静かに砂漠に着陸をしたが、砂漠で長時間留まるのはジャイアントワームに不意に食べられる危険性があるので硬い岩場の高台に着陸をしたのだった。

「キャンプの前にジャイアントワームの餌を準備しましょう」
「ゴブリンかコボルトを生きたまま捕まえられると良いのですが」
「では、近くの森に弱い魔物を狩りに行きましょう」

 ラファエルは近くの森と言っていたが、結局は100キロほど戻ってテルアジャル高原の森でキャンプをすることになった。

「ミサエさん、ダリナ、魔物探知をお願い」
「サブロー、短剣型魔導銃の準備だ」

「ヒロシさん、前方から3体の魔物の反応」

「サブロー、微弱なサンダーショックで攻撃しよう」
「はい」

 グギャ、グギャ、ビッ、ビツ、ビッ、ドサ、グギャ、グギャ、ビッ、ビツ、ドサ、グギャ、グギャ、ビッ、ビツ、ビッ、ドサ、

 3体のゴブリンは微弱なサンダーショックを浴びて気絶したのだった。ヒロシは具現化でゴブリンを入れる檻を作ってゴブリンを中に入れた。

 ヒロシは収納していたログハウスを取り出した。サブローは直ぐにログハウスの土台を作ってくれた。

「ミサエさん、ダリナ、今夜はここでキャンプだね」
「ダリナさん、ショルラッグを食べましょう」

「サブロー、出来立てのままよ」
「ダリナさん、収納に入れておくと冷めないです」

「そうなのね」
 サブローとダリナは美味しそうに串焼き肉を頬張っていた。
「ミサエさん、俺たちもお昼のお好み焼きを食べようよ」

「ヒロシさんお好み焼きが温かいままね」
「ミサエさん、収納に入れておくと何故か冷めないし、腐らないみたいだね」
「そうだったね」

「ダリナ、サブロー、先にお風呂に入りなさい」
「は~い」

「サブロー、おちんちんを綺麗に洗ってあげるね」
「ダリナさん、またですか?いいですよ」

「ダリナ、ちゃんと体も洗うのよ」
「は~い」

「ミサエさん、明日の朝早く肉屋さんで魔物の餌になるような内蔵肉を買ってこない?」
「ヒロシさん、急にどうしたの?」

「うん、ゴブリンは可愛そうでは無いけど、生きたままジャイアントワームに喰われるのを見ているのは気持ち悪いと思ったの」

「そうね、ゴブリンが生きたまま喰われるのは残酷ね」

 翌朝、ヒロシとミサエさんはキャンピングカーでオウランバータまで走行した。肉屋を探してグランドシープの内蔵肉を30キロ銀貨3枚で買ったのだった。グランドシープの内蔵肉が高かったのは網焼きでホルモン焼きにするそうで肉屋の店主から言われてそうだと気付いたときには既に代金を支払った後だった。

「ミサエさん、急いで戻ろう」
「ええ、ダリナとサブローが起きる頃ね」

 ヒロシとミサエさんが急いでログハウスに戻ったが、ダリナとサブローは呑気にまだ寝ていた。

「ミサエさん、あの大きな穴は何?
ヒロシさん、ジャイアントワームの穴かも」

「グランドシープの内蔵肉を少し置いてみようよ」

 5分後、ゴボゴボ、ゴボボボ、ガボ、グランドシープの内蔵肉は大きな口に飲み込まれた

「ヒロシさん、大きなミミズ」
「ミサエさん、本当だね」

「ヒロシさん、ゴブリンの檻に向かっていくよ」

「サンダーアロー」
 バチン、バチン、バチン、

「駄目だ、サンダーアローでは効かない」

「ヒロシさん、『メガサンダーボルト』です」
「メガサンダーボルト」

 バシューン、バチ、バチ、バチ、バチ、ジャイアントワームは黒焦げになってソフトボール大のアダマンタイトを落とした。

「ヒロシさん、アダマンタイトよ」

「ミサエさん、大きな玉だね」

(ダリナとサブロー、早く起きないとミミズの餌になるぞ)
「ヒロシさん、どうしたのですか?」

「サブロー、ゴブリンの檻が壊れたよ」
「早く逃げようよ」

 グギャ、ギギー、ギギー、ギギー、 3匹のジャイアントワームはゴブリン3匹を一気に丸呑みにしてしまった。

「サブロー、メガサンダーボルトを撃つんだ」

「メガサンダーボルト」
「メガサンダーボルト」
 ヒロシも同時に撃った。

 バシューン、バチ、バチ、バチ、バチ、バシューン、バチ、バチ、バチ、バチ、大きな稲妻が2匹のジャイアントワームに落ちた。2匹のジャイアントワームは黒焦げになってアダマンタイトを落とした。


「ダリナ、私たちもメガサンダーボルトよ」

「メガサンダーボルト」
「メガサンダーボルト」
 ミサエさんもダリナに合わせてメガサンダーボルトを撃った。

 バシューン、バシューン、バチ、バチ、バチ、バチ、バチ、バチ、残り一匹のジャイアントワームも黒焦げになってアダマンタイトを落とした。


「ヒロシさん、やっつけましたね」
「ダリナ、サブロー、安心するのはまだ早いよ」
「どうやら、うじゃうじゃいるぞ」

「ラファエル、地下のジャイアントワームを探す方法は有るのか?」

「はい、地下探索グランドサーチです」
「ラファエル、駄目だ範囲が広すぎて分からない」

「ヒロシさん、ジャイアントワームの穴を煙で燻すのよ」
「ミサエさん、ゴキブリ退治と同じだね」

「そうよ、煙の出る固形燃料を具現化で作って」

「ミサエさん、大型の固形燃料を30個作ってみたよ」

「ダリナ、サブロー、ATV用意」
「ヒロシさん、了解っす」

「ラファエル、ジャイアントワームの巣穴を表示してくれ」
「了解です、タブレットに表示します」

「ダリナ、サブロー、ATVの高度はダイヤルを最大にして地上10メートルから固形燃料を巣穴に落としてくれ」
「俺とミサエさんで画面の上半分を受け持つから、ダリナ、サブローは画面の下半分を受け持ってくれ」

「ヒロシさん、分かりました」

「出発!!」

「ダリナさん、背中におっぱいを押し付けないでくださいよ」
「それと、おちんちんを強く握らないでください」

「だって、感じてきたの」
「ダリナさん、真面目に乗っていないと本当に落ちますよ」

「サブロー、後でしようね」
「わかりました、ジャイアントワームを全部倒してからですよ」
「うん」

「ミサエさん、あの巣穴だな」
「そうよ、ヒロシさん固形燃料を落として」

「ミサエさん、うまく穴に落ちたよ」

(サブロー、そっちはどうだ?)
(ヒロシさん、5個落としました)

「ヒロシさん、次の穴に向かいましょう」
「了解」

「5分後、全ての穴に煙の出る固形燃料を落とした」

「サブロー、一斉点火だ」
「「ファイアー」」

 砂漠に煙が立ち上がって、大型の固形燃料の煙はジャイアントワームの巣穴に充満していた。

「ヒロシさん、出てきた」

「ミサエさん、メガサンダーボルト」

「「「メガサンダーボルト」」
 バシューン、バシューン、バチ、バチ、バチ、バチ、バチ、バチ、

「サブロー、おっきなおちんちん」

「ダリナさん、あれはジャイアントワームですよ」
「よそ見していると喰われますよ」

「「メガサンダーボルト」」
 バシューン、バシューン、バチ、バチ、バチ、バチ、バチ、バチ、

「ラファエル、もっと効率の良い方法は無いのか?」

「ヒロシさん、『雷矢メガサンダーアロー』です」

「ミサエさん、特大の雷矢メガサンダーアローを落とそうか」
「そうね」

「ダリナ、サブロー、ジャイアントワームに『メガサンダーアロー』だ」
「了解っす」

「「「「メガサンダーアロー」」」」

 パリパリ、バリバリ、バリバリ、バリバリ、ピシャーン、ピシャーン、ピシャーン、ピシャーン……雷鳴が轟き極太の落雷が全ての巣穴に落ちたので、辺り一面に大粒のアダマンタイトが転がっていた。

「ラファエル、広域魔物探索」
「今のメガサンダーアローでジャイアントワームは全滅しました」

「サブロー、アダマンタイトは全部回収だ」
「「収納」」

 大粒のアダマンタイト100個は全てヒロシとサブローの収納にしまわれた。

「皆さん、今からログハウスに強制転移します」
 4人は転移門でテルアジャル高原の森に仮設したログハウスに一瞬で戻って来た。

(話終わり)
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