14 / 69
第2章
2-2 ダニヤ村のダンジョン2階
しおりを挟む
ヒロシとミサエさんがダンジョン2階に降りる少分前……
獣人族のダリナは些細な事で孤児仲間と喧嘩したので今日はソロで狩りをすることにした。
ダンジョン1階では小火炎弾でホーンラビット数匹を狩ったが、ダリナの小さな火炎弾を見ていた三人の男たちは火魔法の使い方が大変上手だと褒めてくれた。
三人の男たちに褒められたので、ダリナは上機嫌になり仲間と喧嘩した事も忘れていた。三人の男たちはダリナに2階でゴブリンを倒せば直ぐにレベルが上って上級の火魔法が直ぐに使えるようになるとダリナに嘘の情報を教えたのだった。
ダンジョン2階は奥に行くに従ってゴブリンが常時2体から3体が出現していた。ダリナの小火炎弾はホーンラビットとスライムには効果があったが、体が大きなゴブリンには威力が弱かった。
始めのうちはゴブリン2体を簡単に倒せたが、3体目のゴブリンが出てきた時にダリナの火炎弾は外れてしまったのだった。ダリナは慌てて横の小部屋に隠れたが3体のゴブリンに見つかってしまったのだった。
「キャー、助けて、痛い、痛い」
ギギィ、ギギィ、ギギィ、ギギィ、ギギィ、ギギィ、ゴブリンはダリナの腕や腹に噛みついて腹わたを食いちぎろうとしていた。ダリナは腕と腹をゴブリンに食い千切られて出血して既に気を失っていた。
「ヒロシさん、誰かが魔物に襲われているよ」
「マッピング・オープン」
「ミサエさん、その先の2つ目の小部屋だ」
「急いで」
ギィ、ギィ、ギィ、ゴブリン3体は執拗に気を失った獣人族の少女に襲いかかっていた。ヒロシはレイピアを抜いてゴブリンの脇腹に刺した。
ブシュー、ギギィ、ブシュー、ギギィ、ブシュー、ギギィ、ゴブリン3体は直ぐに息絶えて魔石に変わっていった。
「とんだ邪魔が入ったようだ」
「直ぐに次のガキを探すぞ」
近くの小部屋からダリナの様子を伺っていた三人の男たちは地団駄を踏んで悔しがった。
「ミサエさん、獣人の女の子にヒールを何回かに分けてかけてあげて」
「ヒール」
「ゴブリンから受けた咬み傷は消えたね」
「ええ、そうね」
「ヒール」
「まだ目を覚まさないね」
「ヒロシさん、強めのハイヒールをかけてみるわ」
「ハイヒール」
3回目のヒールが終わって獣人族の少女はようやく気がついた。
「うっ、ゴブリンは」
「大丈夫、既にやっつけたからいないよ」
「助けていただきありがとうございます。私はダリナです」
「ヒロシとミサエです」
「ダリナ、どうしてゴブリンに襲われていたの?」
「私が魔力切れを起こしたので囮にされて仲間に置いていかれたのです」
「ダリナ、貴女荷物はどうしたの?」
「仲間に持っていかれたようです」
「ヒロシさん助けてあげて」
ヒロシはこっそりとダリナに鑑定魔法を使ったのだった。
◇ ◇ ◇ ◇
【名前】ダリナ
【種族】獣人族
【年齢】15
【称号】
【スキル】
火属性
【LV】8
【MP】2000
◇ ◇ ◇ ◇
(賢者、ダリナの魔法属性を増やすことは可能なのか?)
(ヒロシさんたちが採取した魔鉱石はかなり余っていますので直ぐに魔導ブースターを作りましょう)
(ダリナさんの魔力量を10倍に嵩上げすれば覚醒して直ぐに全属性の魔法が使えるようになります)
ヒロシは賢者に手伝ってもらいながら具現化で魔導ブースターのペンダントを作った。
「ダリナ、このペンダントを着けるといいよ」
「俺たちの村のお守りでペンダントを着けると魔力量が上がって魔物に襲われにくくなるなるんだ」
「ヒロシさん、大切な物をありがとうございます。大事に使わせて頂きます」
「ミサエさん、ダリナの両手杖を作ってみるよ」
「ヒロシさん、お願いね」
ヒロシは講習会で女性たちが使っていた水晶の珠をはめた両手杖を具現化で作成した。
「ミサエさん、ヒロシさんは錬金術師様なのですか?」
「そうかもしれないわね」
ミサエさんは冗談のつもりで答えたが、ダリナはヒロシが本当の錬金術師だと信じていた。
「ダリナ、その壁に火魔法の試し打ちをしてみて」
「火球よ、焼き尽くせ、ファイアーボール」
バン、直径1メートルほどのかなり大きな火球が壁に当たって壁一面が黒焦げになって大きな穴が開いていた。
「ミサエさん、私、今までにこんな大きなファイアーボール撃ったことがありません」
「これが杖とペンダントの効果なのですか?」
「そうかも知れないけど、ダリナ自身が魔法に目覚めたのだと思うわ」
「ミサエさん、ありがとうございます。私、魔法に自信がつきました」
「ヒロシさん、ミサエさん、よろしければ暫くの間、私を一緒に連れて行ってくれませんか?」
「お二人から魔法をもっと習いたいです」
「ミサエさん、どうする?」
「ヒロシさん、荷物を盗られた女の子を放っておけないわよ」
「そうだね、一旦、ギルドでダリナの被害届を出してからソタイン村の家に帰ろうか」
「ヒロシさん、ミサエさん、助けてもらい本当にありがとうございます」
ヒロシは転移門をダンジョンの小部屋に取り付け、オカロダ町の冒険者ギルドの裏に瞬時に転移していた。
「ヒロシさん、今の魔道具は何ですか?」
「ダリナ、神様からもらった転移の魔道具なので他言無用でお願いします」
「分かりました」
三人は直ぐに冒険者ギルドの受付に向かった。時間は午前の鐘が鳴った後だったので冒険者ギルドの受付は閑散としていた。
「女性冒険者の被害届を出したいのだが……」
「どうされたのですか?」
「ダニヤ村のダンジョン2階で女性冒険者が置き去りにされたのだ。その時に荷物と金を全て盗られたようだ」
「分かりました、こちらの被害届にお名前を記入して下さい」
「ダリナ、どうかしたの?」
ダリナは急にモジモジして落ち着きがなくなった。
「ミサエさん、ごめんなさい」
「本当は荷物もお金も盗られていないのです」
「私、魔力量が無いのに格好良く見せようと粋がってダンジョンを進んでいったら途中で魔力切れを起こしてあの部屋に自分で駆け込んだのです」
「ヒロシ様、ミサエ様、それではダリナさんの被害は無かったのですね」
「はい、そのようです」
「彼女はダンジョンの小部屋でゴブリン3体に襲われていたので私たちが保護しました」
ヒロシはゴブリンの小さな魔石を3個をカウンターに置いた。
「では、暫くの間、3人でパーティを組まれるのはいかがでしょうか?」
「それでお願いします」
「では、ヒロシ様、ミサエ様、ダリナ様の3人で冒険者パーティ『暖かい仲間』の申請を受け付けました」
「ダンジョン以外で私たちが出来る仕事はありますか?」
「そうですね、常設依頼の仕事は薬草採取が主になりますが、ヒロシ様とミサエ様はソタイン村から出て来られたのでしたね」
「はいそうです」
「では、獣人族の里近くの森でラウレルの葉とウルフベリーの実の採取はいかがですか?」
「どちらもソタイン村から近い場所なので徒歩で採取場所に行くことが可能です」
「ラウレルの葉とウルフベリーの実はソタイン村の商業ギルドで買い取り代行をしてくれますので大丈夫です」
「その依頼を受けますのでよろしくお願いします」
「納期は7日以内です、ラウレルの葉とウルフベリーの実は出来る限り多く納入して下さい」
「わかりました」
ヒロシとミサエさん、ダリナの3人はオカロダ町の冒険者ギルドでラウレルの葉とウルフベリーの実の採取の依頼を受け、アチヤ川の堤防の上でヒロシが再び転移門を出してソタイン村の魔女の家に帰ってきていた。
(話終わり)
獣人族のダリナは些細な事で孤児仲間と喧嘩したので今日はソロで狩りをすることにした。
ダンジョン1階では小火炎弾でホーンラビット数匹を狩ったが、ダリナの小さな火炎弾を見ていた三人の男たちは火魔法の使い方が大変上手だと褒めてくれた。
三人の男たちに褒められたので、ダリナは上機嫌になり仲間と喧嘩した事も忘れていた。三人の男たちはダリナに2階でゴブリンを倒せば直ぐにレベルが上って上級の火魔法が直ぐに使えるようになるとダリナに嘘の情報を教えたのだった。
ダンジョン2階は奥に行くに従ってゴブリンが常時2体から3体が出現していた。ダリナの小火炎弾はホーンラビットとスライムには効果があったが、体が大きなゴブリンには威力が弱かった。
始めのうちはゴブリン2体を簡単に倒せたが、3体目のゴブリンが出てきた時にダリナの火炎弾は外れてしまったのだった。ダリナは慌てて横の小部屋に隠れたが3体のゴブリンに見つかってしまったのだった。
「キャー、助けて、痛い、痛い」
ギギィ、ギギィ、ギギィ、ギギィ、ギギィ、ギギィ、ゴブリンはダリナの腕や腹に噛みついて腹わたを食いちぎろうとしていた。ダリナは腕と腹をゴブリンに食い千切られて出血して既に気を失っていた。
「ヒロシさん、誰かが魔物に襲われているよ」
「マッピング・オープン」
「ミサエさん、その先の2つ目の小部屋だ」
「急いで」
ギィ、ギィ、ギィ、ゴブリン3体は執拗に気を失った獣人族の少女に襲いかかっていた。ヒロシはレイピアを抜いてゴブリンの脇腹に刺した。
ブシュー、ギギィ、ブシュー、ギギィ、ブシュー、ギギィ、ゴブリン3体は直ぐに息絶えて魔石に変わっていった。
「とんだ邪魔が入ったようだ」
「直ぐに次のガキを探すぞ」
近くの小部屋からダリナの様子を伺っていた三人の男たちは地団駄を踏んで悔しがった。
「ミサエさん、獣人の女の子にヒールを何回かに分けてかけてあげて」
「ヒール」
「ゴブリンから受けた咬み傷は消えたね」
「ええ、そうね」
「ヒール」
「まだ目を覚まさないね」
「ヒロシさん、強めのハイヒールをかけてみるわ」
「ハイヒール」
3回目のヒールが終わって獣人族の少女はようやく気がついた。
「うっ、ゴブリンは」
「大丈夫、既にやっつけたからいないよ」
「助けていただきありがとうございます。私はダリナです」
「ヒロシとミサエです」
「ダリナ、どうしてゴブリンに襲われていたの?」
「私が魔力切れを起こしたので囮にされて仲間に置いていかれたのです」
「ダリナ、貴女荷物はどうしたの?」
「仲間に持っていかれたようです」
「ヒロシさん助けてあげて」
ヒロシはこっそりとダリナに鑑定魔法を使ったのだった。
◇ ◇ ◇ ◇
【名前】ダリナ
【種族】獣人族
【年齢】15
【称号】
【スキル】
火属性
【LV】8
【MP】2000
◇ ◇ ◇ ◇
(賢者、ダリナの魔法属性を増やすことは可能なのか?)
(ヒロシさんたちが採取した魔鉱石はかなり余っていますので直ぐに魔導ブースターを作りましょう)
(ダリナさんの魔力量を10倍に嵩上げすれば覚醒して直ぐに全属性の魔法が使えるようになります)
ヒロシは賢者に手伝ってもらいながら具現化で魔導ブースターのペンダントを作った。
「ダリナ、このペンダントを着けるといいよ」
「俺たちの村のお守りでペンダントを着けると魔力量が上がって魔物に襲われにくくなるなるんだ」
「ヒロシさん、大切な物をありがとうございます。大事に使わせて頂きます」
「ミサエさん、ダリナの両手杖を作ってみるよ」
「ヒロシさん、お願いね」
ヒロシは講習会で女性たちが使っていた水晶の珠をはめた両手杖を具現化で作成した。
「ミサエさん、ヒロシさんは錬金術師様なのですか?」
「そうかもしれないわね」
ミサエさんは冗談のつもりで答えたが、ダリナはヒロシが本当の錬金術師だと信じていた。
「ダリナ、その壁に火魔法の試し打ちをしてみて」
「火球よ、焼き尽くせ、ファイアーボール」
バン、直径1メートルほどのかなり大きな火球が壁に当たって壁一面が黒焦げになって大きな穴が開いていた。
「ミサエさん、私、今までにこんな大きなファイアーボール撃ったことがありません」
「これが杖とペンダントの効果なのですか?」
「そうかも知れないけど、ダリナ自身が魔法に目覚めたのだと思うわ」
「ミサエさん、ありがとうございます。私、魔法に自信がつきました」
「ヒロシさん、ミサエさん、よろしければ暫くの間、私を一緒に連れて行ってくれませんか?」
「お二人から魔法をもっと習いたいです」
「ミサエさん、どうする?」
「ヒロシさん、荷物を盗られた女の子を放っておけないわよ」
「そうだね、一旦、ギルドでダリナの被害届を出してからソタイン村の家に帰ろうか」
「ヒロシさん、ミサエさん、助けてもらい本当にありがとうございます」
ヒロシは転移門をダンジョンの小部屋に取り付け、オカロダ町の冒険者ギルドの裏に瞬時に転移していた。
「ヒロシさん、今の魔道具は何ですか?」
「ダリナ、神様からもらった転移の魔道具なので他言無用でお願いします」
「分かりました」
三人は直ぐに冒険者ギルドの受付に向かった。時間は午前の鐘が鳴った後だったので冒険者ギルドの受付は閑散としていた。
「女性冒険者の被害届を出したいのだが……」
「どうされたのですか?」
「ダニヤ村のダンジョン2階で女性冒険者が置き去りにされたのだ。その時に荷物と金を全て盗られたようだ」
「分かりました、こちらの被害届にお名前を記入して下さい」
「ダリナ、どうかしたの?」
ダリナは急にモジモジして落ち着きがなくなった。
「ミサエさん、ごめんなさい」
「本当は荷物もお金も盗られていないのです」
「私、魔力量が無いのに格好良く見せようと粋がってダンジョンを進んでいったら途中で魔力切れを起こしてあの部屋に自分で駆け込んだのです」
「ヒロシ様、ミサエ様、それではダリナさんの被害は無かったのですね」
「はい、そのようです」
「彼女はダンジョンの小部屋でゴブリン3体に襲われていたので私たちが保護しました」
ヒロシはゴブリンの小さな魔石を3個をカウンターに置いた。
「では、暫くの間、3人でパーティを組まれるのはいかがでしょうか?」
「それでお願いします」
「では、ヒロシ様、ミサエ様、ダリナ様の3人で冒険者パーティ『暖かい仲間』の申請を受け付けました」
「ダンジョン以外で私たちが出来る仕事はありますか?」
「そうですね、常設依頼の仕事は薬草採取が主になりますが、ヒロシ様とミサエ様はソタイン村から出て来られたのでしたね」
「はいそうです」
「では、獣人族の里近くの森でラウレルの葉とウルフベリーの実の採取はいかがですか?」
「どちらもソタイン村から近い場所なので徒歩で採取場所に行くことが可能です」
「ラウレルの葉とウルフベリーの実はソタイン村の商業ギルドで買い取り代行をしてくれますので大丈夫です」
「その依頼を受けますのでよろしくお願いします」
「納期は7日以内です、ラウレルの葉とウルフベリーの実は出来る限り多く納入して下さい」
「わかりました」
ヒロシとミサエさん、ダリナの3人はオカロダ町の冒険者ギルドでラウレルの葉とウルフベリーの実の採取の依頼を受け、アチヤ川の堤防の上でヒロシが再び転移門を出してソタイン村の魔女の家に帰ってきていた。
(話終わり)
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる