気が付いたら偽勇者と偽聖女になっていた リカコとマリオと

にしのみつてる

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第4章

4-2 魔道具のアイディアが売れた

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 当初の予定ではマリオとリカコはもっと早くにゲヌマヌイ鉱山に飛ぶ予定だったが、ハバロフキで出会ったヒカルとミチルを育てながらの冒険はマリオとリカコにとっても大きな成長になった。四人は借りていたログハウスのトイレと風呂場を元通りに戻して冒険者ギルドに行った。

「イワノフさん、レジーナさん、お世話になりました」
「貴方達、行ってしまうのね」

「ヒカル、ミチル、貴方達、いい顔つきになったわね」
「いつでも戻ってきてもいいのよ」

「レジーナさん、ユリアさん、これを使って下さい」
「イワノフさんは、こちらです」
 マリオは通信魔法と絶対防御の魔道具を付与したペンダントをレジーナさんとユリアさん渡した。イワノフさんには通信魔法を付与したチョーカーを渡した。

「俺たちが作った通信魔法と絶対防御を付与した魔道具のペンダントとチョーカーです」
「イワノフさんのは通信魔法だけです」
「よろしかったら使って下さい」

「マリオ、ヒカル、この魔道具についてもっと詳しく説明して」
「イワノフ、この魔道具は売れるわよ」

 マリオたちは、ナトホカの街へケーキを買いに行ってチンピラに絡まれた事、魔道具店で通信魔法の魔道具を見て自分たちでも作れると思ったので、アクセサリー店でペンダントとチョーカーを買ってきた事を話した。

 リカコとミチルはナトホカの街で買ったショートケーキを人数分出した。ユリアさんはとても嬉しそうな顔をしてお茶を入れてくれた。

「じゃぁ、マリオとヒカルは錬金術師の才能が有るのでエンチャントが出来るのね」
「イワノフ、マリオたちは規格外ね」

「そうだな」

「マリオ、通信魔法の術式をこの羊皮紙に付与してくれないか?」
「ええ、いいですよ、魔法式を解析してもらって構いませんから」
 マリオが通信魔法の術式を羊皮紙に転送した。

「次は通信魔法と絶対防御の二重術式を付与してくれ」
「はい」

「レジーナ、解析できたか?」
「ええ、通信魔法は交信範囲が1キロは通話可能よ」
「絶対防御はAランクの魔物に襲われても大丈夫よ」

「そんなに凄いのか?」
「そうよ、魔力も少量なので画期的な通信魔法の術式よ」

 通信魔法と絶対防御の契約書が取り交わされ、マリオとヒカルには1個売れる度に各々の口座に5%の手数料が振り込まれる事になった。


「マリオ、リカコ、ヒカル、ミチル、元気でね」
「イワノフさん、レジーナさん、ユリアさんもお元気で、お世話になりありがとうございました」

 四人は冒険者ギルドを後にして、ハバロフキ駅に向かって歩き出したのだった。駅に向かう途中から方向を変えてアムーロ川の河原でキャンピングカーを出して乗り込んだ。

「ウリエル、ゲヌマヌイ鉱山に飛んで」

「了解しました、ハバロフキからゲヌマヌイまではおよそ2000キロ、4時間のフライトになります」
 ヒカルは青いボタンを押した。キャンピングカーは規定高度まで上昇すると、高度12000ftを維持しながら巡航速度で飛行した。

「マリオさん、キャンピングカーの飛行速度は時速500キロですか?」
「そうだよ、レベル45の時は時速250キロでヘリコプターの飛行速度だったけど、レベル75を超えると魔導ジェット2に交換されるので。飛行速度も時速500キロにスピードアップするよ」

「じゃぁ、小型ターボプロップ機並の飛行速度ですか?」
「そういう事だね」

「細かな仕様変更があったけど、全てウリエルに任せているので俺たちは仕組みが分からなくてもいいんだよ」
「そうですね」

「ミチルとリカコは収納からピロシキを出して準備をしてくれた」
「マリオさん、ヒカル、お昼にしましょう」
「ミチル、ありがとう」

「リカコさん、船が空を飛んでいます」
「ミチル、あれは飛空船よ」

「ヒカルさん、凄いね。空飛ぶ船って、やっぱり異世界なんだね」
「うん、そうだね」

(話終わり)
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