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第3章
3-5 アカシック・レコードの改良
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オリンポスの神殿では日々アカシック・レコードシステムの改良が進めれていた。テオス・システムは14機が正式運用を開始して全宇宙と繋がっていた。
オリンポスの神々の会長である、ガイア様とウラノス様が全宇宙を治める会長に着任されたのだった。
ここで余談になるが、神界の上下関係をおさらいしておこう……
神々はガイアとウラノスが会長職で、その下にゼウス、ヘーラーが社長職で、広域地方担当神はアポロン、ダプネー、コイオス 、セレーネ、プリアーボス、ボナディア、オケアノス、テティス、ヘラクレス、ヘーベ、バッカス、アリアドネ、イアペトス、クリュメネ、ヘパイストス、アフロディテ、ポセイドン、アンフィトリテ、ヘルメス、ヘーラの順だった。なお、ゼウスとヘーラー、会長のガイアとウラノスも担当地域を持っていた。
神々の下には四大天使が部長職を与えられ、ミカエル、ガブリエル、ラファエル、ウリエルが続いた
そして上位の天使、中位の天使、下位の天使が続いていたが、この星では招霊術はまだ途上にあった。
「ミーミル、ソフィア、アテナ、アルテミス、ヘスティアー、此度の働きは大義であった」
ゼウスの妻神ヘーラーは5柱の神々に労いの言葉をかけていた。
続いて、広域地方担当神の質疑応答の時間がとられ、プリアーボスとボナディア、ヘラクレスとヘーベが代表質問をした。
「ゼウス様、ヘーラー様、今後は勇者、聖女の肩書を伏せて行動をさせるの事になるのでしょうか?」
「そうじゃ、タートル市の偽勇者と偽聖女の件はマリオとリカコでなく、民にも混乱を与える結果となった。今後は勇者と聖女の称号は伏せて行動した方が人族の世界では都合が良いようじゃ」
「ゼウス様、ヘーラー様、全ての民に祝福を授ける案はいかがいたしますか?」
「それは、人族の世界で軋轢が生まれる結果になるのでやめておこう」
「但し、渡り人に対してはこれまで通り加護を授けるのじゃ」
「はっ、仰せのとおり」
「では、民たちが勇者、聖女と担いでいる、自称:勇者と聖女もそのままにしておくのですね」
「そうじゃ、その方がジェネオスとアギオスが活動しやすい環境になるのじゃ」
「はっ、仰せのとおり」
こうして、神々の会議はアカシック・レコードシステムの改良について議論を進めたが、懸案事項であった神官が授ける『祝福』は見送られることとなった。同じように神官が授ける『職業』も見送られることとなった。
結果として、アカシック・レコードが完成してもこの世界に於いては何も変革が無かった。但し、ジェネオス・アギオスに下賜したタブレットには勇者・聖女から『冒険者についての質問』があれば職業を変更する事が会議で決められた。タブレットにも『職業変更の更新プログラム』が付与された。
神界での次の開発目標は監視衛星計画が議案として可決された。監視衛星の情報は、あらゆる自然災害を未然に防ぎ、ジェネオス・アギオスが持つタブレットに転送させる技術だった。
「では、最後にカバロスクの奴隷商館に転生者を配置して、ジェネオス・アギオスの従者とすることを決定する」
「バッカス、アリアドネ、直ぐに手配するのじゃ」
「「はっ、仰せのとおり」」
「ゼウス様、ヘーラー様、日本の神々から連絡が入り、ジェネオス・アギオスの従者は根本燿と芳川未知瑠に決定致しました」
「バッカス、アリアドネ、大儀であった。直ぐにマリオとリカコに預け育ててもらうのじゃ」
「「はっ、仰せのとおり」」
「これにて神界の会議を終了する」
神様たちは思い思いに散らばっていった。
◇ ◇ ◇ ◇
根本燿と芳川未知瑠は近畿地方の明達高校2年でラノベ研究部の同級生だった。燿は高校生になっても中二病が抜けきらず、ラノベ研究部では勇者が使っている伝説の魔剣の研究に没頭していたのだった。未知瑠はそんな燿が大好きで、アニメに出てくる赤い目の魔女のように両手杖で爆裂魔法をブッ放すのが夢だった。
ある日の放課後、二人が下校途中に老人が運転するハイブリッド車にはねられて異世界転移してしまったのだった……
(話終わり)
オリンポスの神々の会長である、ガイア様とウラノス様が全宇宙を治める会長に着任されたのだった。
ここで余談になるが、神界の上下関係をおさらいしておこう……
神々はガイアとウラノスが会長職で、その下にゼウス、ヘーラーが社長職で、広域地方担当神はアポロン、ダプネー、コイオス 、セレーネ、プリアーボス、ボナディア、オケアノス、テティス、ヘラクレス、ヘーベ、バッカス、アリアドネ、イアペトス、クリュメネ、ヘパイストス、アフロディテ、ポセイドン、アンフィトリテ、ヘルメス、ヘーラの順だった。なお、ゼウスとヘーラー、会長のガイアとウラノスも担当地域を持っていた。
神々の下には四大天使が部長職を与えられ、ミカエル、ガブリエル、ラファエル、ウリエルが続いた
そして上位の天使、中位の天使、下位の天使が続いていたが、この星では招霊術はまだ途上にあった。
「ミーミル、ソフィア、アテナ、アルテミス、ヘスティアー、此度の働きは大義であった」
ゼウスの妻神ヘーラーは5柱の神々に労いの言葉をかけていた。
続いて、広域地方担当神の質疑応答の時間がとられ、プリアーボスとボナディア、ヘラクレスとヘーベが代表質問をした。
「ゼウス様、ヘーラー様、今後は勇者、聖女の肩書を伏せて行動をさせるの事になるのでしょうか?」
「そうじゃ、タートル市の偽勇者と偽聖女の件はマリオとリカコでなく、民にも混乱を与える結果となった。今後は勇者と聖女の称号は伏せて行動した方が人族の世界では都合が良いようじゃ」
「ゼウス様、ヘーラー様、全ての民に祝福を授ける案はいかがいたしますか?」
「それは、人族の世界で軋轢が生まれる結果になるのでやめておこう」
「但し、渡り人に対してはこれまで通り加護を授けるのじゃ」
「はっ、仰せのとおり」
「では、民たちが勇者、聖女と担いでいる、自称:勇者と聖女もそのままにしておくのですね」
「そうじゃ、その方がジェネオスとアギオスが活動しやすい環境になるのじゃ」
「はっ、仰せのとおり」
こうして、神々の会議はアカシック・レコードシステムの改良について議論を進めたが、懸案事項であった神官が授ける『祝福』は見送られることとなった。同じように神官が授ける『職業』も見送られることとなった。
結果として、アカシック・レコードが完成してもこの世界に於いては何も変革が無かった。但し、ジェネオス・アギオスに下賜したタブレットには勇者・聖女から『冒険者についての質問』があれば職業を変更する事が会議で決められた。タブレットにも『職業変更の更新プログラム』が付与された。
神界での次の開発目標は監視衛星計画が議案として可決された。監視衛星の情報は、あらゆる自然災害を未然に防ぎ、ジェネオス・アギオスが持つタブレットに転送させる技術だった。
「では、最後にカバロスクの奴隷商館に転生者を配置して、ジェネオス・アギオスの従者とすることを決定する」
「バッカス、アリアドネ、直ぐに手配するのじゃ」
「「はっ、仰せのとおり」」
「ゼウス様、ヘーラー様、日本の神々から連絡が入り、ジェネオス・アギオスの従者は根本燿と芳川未知瑠に決定致しました」
「バッカス、アリアドネ、大儀であった。直ぐにマリオとリカコに預け育ててもらうのじゃ」
「「はっ、仰せのとおり」」
「これにて神界の会議を終了する」
神様たちは思い思いに散らばっていった。
◇ ◇ ◇ ◇
根本燿と芳川未知瑠は近畿地方の明達高校2年でラノベ研究部の同級生だった。燿は高校生になっても中二病が抜けきらず、ラノベ研究部では勇者が使っている伝説の魔剣の研究に没頭していたのだった。未知瑠はそんな燿が大好きで、アニメに出てくる赤い目の魔女のように両手杖で爆裂魔法をブッ放すのが夢だった。
ある日の放課後、二人が下校途中に老人が運転するハイブリッド車にはねられて異世界転移してしまったのだった……
(話終わり)
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