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第1章
1-3 ドリポスタ町のゴブリン退治
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マリオとリカコが転生して3日目……朝の鐘が鳴った
昨日は運河の堤防でマグワートの採取をしていたが、幸い魔物に遭うわけでも無く無事に一日が終わったのだった。
「リカコ、今日の仕事を探そうか」
「ええ、そうしましょう」
二人は簡単に朝食を済ませてナニサカ市の冒険者ギルドへと向かった
リカコは鑑定スキルを持っているので薬草の見分けは直ぐに出来たのだった。薬草採取はスキルを持っていない一般冒険者には無理な仕事だとマリオは思っていたが、そもそも他の冒険者がどのような依頼を受けているかは、今の時点では知る手段が無かったのだった。
「リカコ、『Eランク:ドリポスタ町でラウレルの葉の採取』この仕事を受けてみようか?」
「マリオさん、ドリポスタ町って、何処にあるの?」
二人は受付で、ドリポスタ町に行く方法を詳しく聞いていた。ドリポスタ町へ行くにはナニサカ市から朝一番の乗り合い馬車で1時間ほどで到着するので、明日の朝早くに出発するように言われたのだった。
ラウレルの葉はドリポスタ町に自生する低木でいい匂いの葉っぱが特徴だと教えてもらった。何かの薬の原料になると思うが、ラウレルの葉のいい匂いに誘われて、弱い魔物が寄ってくるので細心の注意を払うように言われたのだった。
「では、明日の朝よろしくお願いします」
「納品期限は7日後にしておきます」
「ハイ、よろしくお願いします」
「リカコ、今日この後はどうするの?」
「マリオさん、図書室で明日の勉強をしておいた方がいいと思うわ」
「そうだね」
マリオとリカコは具体的に何を用意したら良いのか分からなかった。とりあえずはギルド併設の図書室で薬草の種類を覚えることにしたのだった。
図書室で薬草採取のコツについて書かれた本は直ぐに見つかった。
ラウレルの葉の採取は1枚ずつ葉っぱを丁寧に採取するように書かれていて、マリオは少し面倒だと思ったのだった。
「リカコ、初級魔導書を読んでみようよ」
「そうね、そうしましょう」
マリオとリカコの二人は初級魔導書を眺めては見たが魔素の練り方を教わっていないので眺めているだけだった。
「貴方達、初心者さんにしては熱心に勉強しているのね、関心だわ」
「サーシャ先生、こんにちは」
「私は姉のナターシャよ」
「貴方達、何処に行くつもりなの」
「はい、明日はドリポスタ町でラウレルの葉の採取に行く予定です」
「貴方達、見たところ何も持っていないけど護身用に狩猟用ナイフだけは下の売店で買って行った方がいいわよ」
「狩猟用ナイフは下の売店で銀貨5枚だけどゴブリンが出てくるので絶対に買っていくといいわ」
「ナターシャ先生、ありがとうございます」
マリオたちに声を掛けてきたのはギルド講師のナターシャ先生だった。ナターシャ先生とサーシャ先生は姉妹でこのギルドで講師として働いていた。
マリオとリカコはギルド売店で狩猟用ナイフ2本と薬草を入れる小さな籠を買ったのだった。
「リカコ、親切な職員さんもいるもんだね」
「そうね、この世界も悪い人たちばかりでは無いと思うわ」
「そうだね」
◇ ◇ ◇ ◇
翌朝、マリオとリカコは朝一番のドリポスタ町に行く乗り合い馬車に乗っていた。乗り合い馬車は公共の交通機関で馬が引く幌馬車の事で主に引退をした冒険者が御者をしており道中の警護役を兼ねているとの事だった。
乗合馬車に乗っていた他のお客は品の良さそうなご婦人と、太った商人風の男だった。
「お二人は、ドリポスタ町に行かれるのですか?」
品の良さそうなご婦人がマリオとリカコに訪ねてきた。
「はい、主人と一緒に冒険者ギルドの仕事を受けまして、これからラウレルの葉の採取に向かいます」
「まぁ、それは大変ですわ、ラウレルの葉のある森はゴブリンが出てきますのでお気を付け下さいね」
「お二人に神の御加護があらんことを」
品の良さそうなご婦人はマリオとリカコのためにお祈りをしてくれたのだった。
マリオとリカコは冒険者初心者講習でスライムとゴブリンの倒し方は講習を受けてはいるが、実践は初めてだった。やがて、乗り合い馬車はドリポスタ町の停車場に着いたので、ラウレルの葉の有る森へと急いだ。
「リカコ、狩猟用ナイフの他にも護身用の武器を作ろうか?」
「マリオさん、本当に出来るの?」
「うん、簡単な剣だったら創作で作れそうな気がするんだ」
「マリオさん、頑張って」
「剣よ出ろ出ろ、剣よ出ろ」
マリオは適当に呪文を叫んでみたが、剣が出てくる気配は全く無かった。
「マリオさん、頭の中で剣をイメージしてみたら」
リカコの一言で、マリオは頭の中で剣をイメージしようとしたが、こちらの世界の剣は全く知らないので武士が持っている日本刀をイメージしたのだった。
「リカコ、武士が持っている刀が出てきたよ」
「まぁ、いいんじゃないの~」
マリオは自分の身長に合わせて二尺四寸の日本刀を作ったのと、リカコには少し短い二尺二寸の日本刀を具現化で作った。
「この刀でリカコを守るからね」
「マリオさん、絶対に無理はしないでね」
二人はラウレルの森に到着していた。
「マリオさん、スライムが来たわ」
マリオはスライムに刀を突き刺すと簡単に緑色の魔石に変わっていった。
「リカコも早く突き刺して」
「えい」スライムは緑の魔石に変わっていった。
「少し、スライムを倒すコツが分かってきたね」
「ええ、少しね」
二人でスライムを50匹以上は倒していた。
ピコーン、ピコーン、ピコーン、ピコーン、ピコーン、二人の頭の中ではレベルの上がる音が鳴り響いていた。
「リカコ、スライムを倒しても【LV】が上がるんだね」
「マリオさん、急いでラウレルの葉を摘み取りましょうよ」
「うん、早く終わらせよう」
ラウレルの葉を入れる籠は余分に買って来なかったので、創作スキルで麻袋を作った。二人が熱心にラウレルの葉を摘んでいると、森の奥からガサゴソと音がしだした。
クギャ、クギャ、ゴブリンは威嚇のポーズをとった。
「マリオさん、ゴブリン」
「リカコ後ろに隠れて」
ブシュー、ズバッ!! あっけなくゴブリンは倒れた。
ギギ、ギギ、
「マリオさん、後ろ」
ブシュー、ズバッ!! バキッ!! もう一体のゴブリンも倒した。
「もう大丈夫だね」
「そう言えば、講習でゴブリンの耳を持って帰れと言っていたよね」
「ええ、そうよ」
マリオはゴブリンの耳を狩猟用ナイフで削ぎ落として、予備の麻袋に入れて討伐の証拠にしたのだった。
「リカコ、疲れたし、もう帰ろうよ」
「ええ、私もヘトヘトなの」
ドリポスタ町の停車場からナニサカ市行きの乗り合い馬車は直ぐに出発した。お客はマリオとリカコの二人だけだったので、疲れていた二人は寝てしまったのだった。
「リカコ、着いたみたいだよ」
「ええ、マリオさん無事に帰ってこられて良かったわ」
「うん、リカコありがとう」
冒険者ギルドで、籠に入ったラウレルの葉を出した。それと、ゴブリンの耳とスライムの魔石も一緒に出した。
「大変な目に遭われたようですね」
「ええ、スライムとゴブリンに襲われましたが初心者講習を受けていたので助かりました」
「怪我が無くて良かったですね」
「ラウレルの葉は全部で金貨3枚で買い取りいたします」
「それから、ゴブリンの討伐報酬は1体が銀貨3枚ですから2体で銀貨6枚になります。スライムの魔石は1個が銅貨1枚ですから、計50個で、銀貨5枚になります。合わせて、金貨4枚と銀貨1枚です。お確かめ下さい」
「ありがとうございます」
「リカコ、先に食事にしようよ」
「ええ、マリオさん、私、お腹ペコペコだったの」
二人は冒険者ギルドの食堂で、温かいシチューとワインを注文したのだった。
「マリオさん、ここのシチューは美味しいね」
「ああ、そうだね、腹にしみわたるな」
「兄さん、変わった得物を持っているのだな?」
マリオより少し若い赤毛の男がマリオとリカコに声をかけてきた。
「侍の刀です」
「サムライの刀??」
「ええ、私たちがいた遠い国の武器です」
「お前たち北のダテホコからガレオン船に乗って来たのか?」
「ええ、まぁそうです……」
「そうか、ところでお前ら、何でダンジョンに潜らないのだ?」
「ダンジョンって、何ですか?」
「お前ら、本当に何も知らない田舎者だな」
「すみません、赤毛の方にエールとおつまみセット1つお願いします」
「お前たち、なかなか仁義を心得ている感心なヤツだな」
「ところで、名は何というのだ」
「マリオとリカコです。ナニサカ市には最近越してきたばかりで右も左も分かっていないのです」
「俺はトビーだ」
「いいか、初心者が効率よく金を稼ぐ方法はダンジョンだけだ」
「薬草採取はスキルを持っていない無能者がやる仕事だから冒険者の連中は誰もやらないのだ」
「そうなんですか、でも私たち駆け出しですよ」
「ダンジョンの1階と2階なら駆け出しの初心者でも直ぐにレベル上げが出来るのさ」
マリオたちにダンジョンの事を教えてくれた赤毛の男は名をトビーと名乗った。トビーはDランクだったがCランクに昇級間近で主にダンジョンの3階と4階で狩りをしていると教えてくれた。
「トビーさんありがとうございます」
「いいってことよ、それよりもエールごちそうさん」
冒険者ギルドから帰ってきて、二人でベッドに入ったが、マリオは食堂で声を掛けてくれたトビーの言葉が気になってなかなか寝付かれなかったが、リカコと結合してその内に深い眠りに落ちてしまったのだった。
(話終わり)
昨日は運河の堤防でマグワートの採取をしていたが、幸い魔物に遭うわけでも無く無事に一日が終わったのだった。
「リカコ、今日の仕事を探そうか」
「ええ、そうしましょう」
二人は簡単に朝食を済ませてナニサカ市の冒険者ギルドへと向かった
リカコは鑑定スキルを持っているので薬草の見分けは直ぐに出来たのだった。薬草採取はスキルを持っていない一般冒険者には無理な仕事だとマリオは思っていたが、そもそも他の冒険者がどのような依頼を受けているかは、今の時点では知る手段が無かったのだった。
「リカコ、『Eランク:ドリポスタ町でラウレルの葉の採取』この仕事を受けてみようか?」
「マリオさん、ドリポスタ町って、何処にあるの?」
二人は受付で、ドリポスタ町に行く方法を詳しく聞いていた。ドリポスタ町へ行くにはナニサカ市から朝一番の乗り合い馬車で1時間ほどで到着するので、明日の朝早くに出発するように言われたのだった。
ラウレルの葉はドリポスタ町に自生する低木でいい匂いの葉っぱが特徴だと教えてもらった。何かの薬の原料になると思うが、ラウレルの葉のいい匂いに誘われて、弱い魔物が寄ってくるので細心の注意を払うように言われたのだった。
「では、明日の朝よろしくお願いします」
「納品期限は7日後にしておきます」
「ハイ、よろしくお願いします」
「リカコ、今日この後はどうするの?」
「マリオさん、図書室で明日の勉強をしておいた方がいいと思うわ」
「そうだね」
マリオとリカコは具体的に何を用意したら良いのか分からなかった。とりあえずはギルド併設の図書室で薬草の種類を覚えることにしたのだった。
図書室で薬草採取のコツについて書かれた本は直ぐに見つかった。
ラウレルの葉の採取は1枚ずつ葉っぱを丁寧に採取するように書かれていて、マリオは少し面倒だと思ったのだった。
「リカコ、初級魔導書を読んでみようよ」
「そうね、そうしましょう」
マリオとリカコの二人は初級魔導書を眺めては見たが魔素の練り方を教わっていないので眺めているだけだった。
「貴方達、初心者さんにしては熱心に勉強しているのね、関心だわ」
「サーシャ先生、こんにちは」
「私は姉のナターシャよ」
「貴方達、何処に行くつもりなの」
「はい、明日はドリポスタ町でラウレルの葉の採取に行く予定です」
「貴方達、見たところ何も持っていないけど護身用に狩猟用ナイフだけは下の売店で買って行った方がいいわよ」
「狩猟用ナイフは下の売店で銀貨5枚だけどゴブリンが出てくるので絶対に買っていくといいわ」
「ナターシャ先生、ありがとうございます」
マリオたちに声を掛けてきたのはギルド講師のナターシャ先生だった。ナターシャ先生とサーシャ先生は姉妹でこのギルドで講師として働いていた。
マリオとリカコはギルド売店で狩猟用ナイフ2本と薬草を入れる小さな籠を買ったのだった。
「リカコ、親切な職員さんもいるもんだね」
「そうね、この世界も悪い人たちばかりでは無いと思うわ」
「そうだね」
◇ ◇ ◇ ◇
翌朝、マリオとリカコは朝一番のドリポスタ町に行く乗り合い馬車に乗っていた。乗り合い馬車は公共の交通機関で馬が引く幌馬車の事で主に引退をした冒険者が御者をしており道中の警護役を兼ねているとの事だった。
乗合馬車に乗っていた他のお客は品の良さそうなご婦人と、太った商人風の男だった。
「お二人は、ドリポスタ町に行かれるのですか?」
品の良さそうなご婦人がマリオとリカコに訪ねてきた。
「はい、主人と一緒に冒険者ギルドの仕事を受けまして、これからラウレルの葉の採取に向かいます」
「まぁ、それは大変ですわ、ラウレルの葉のある森はゴブリンが出てきますのでお気を付け下さいね」
「お二人に神の御加護があらんことを」
品の良さそうなご婦人はマリオとリカコのためにお祈りをしてくれたのだった。
マリオとリカコは冒険者初心者講習でスライムとゴブリンの倒し方は講習を受けてはいるが、実践は初めてだった。やがて、乗り合い馬車はドリポスタ町の停車場に着いたので、ラウレルの葉の有る森へと急いだ。
「リカコ、狩猟用ナイフの他にも護身用の武器を作ろうか?」
「マリオさん、本当に出来るの?」
「うん、簡単な剣だったら創作で作れそうな気がするんだ」
「マリオさん、頑張って」
「剣よ出ろ出ろ、剣よ出ろ」
マリオは適当に呪文を叫んでみたが、剣が出てくる気配は全く無かった。
「マリオさん、頭の中で剣をイメージしてみたら」
リカコの一言で、マリオは頭の中で剣をイメージしようとしたが、こちらの世界の剣は全く知らないので武士が持っている日本刀をイメージしたのだった。
「リカコ、武士が持っている刀が出てきたよ」
「まぁ、いいんじゃないの~」
マリオは自分の身長に合わせて二尺四寸の日本刀を作ったのと、リカコには少し短い二尺二寸の日本刀を具現化で作った。
「この刀でリカコを守るからね」
「マリオさん、絶対に無理はしないでね」
二人はラウレルの森に到着していた。
「マリオさん、スライムが来たわ」
マリオはスライムに刀を突き刺すと簡単に緑色の魔石に変わっていった。
「リカコも早く突き刺して」
「えい」スライムは緑の魔石に変わっていった。
「少し、スライムを倒すコツが分かってきたね」
「ええ、少しね」
二人でスライムを50匹以上は倒していた。
ピコーン、ピコーン、ピコーン、ピコーン、ピコーン、二人の頭の中ではレベルの上がる音が鳴り響いていた。
「リカコ、スライムを倒しても【LV】が上がるんだね」
「マリオさん、急いでラウレルの葉を摘み取りましょうよ」
「うん、早く終わらせよう」
ラウレルの葉を入れる籠は余分に買って来なかったので、創作スキルで麻袋を作った。二人が熱心にラウレルの葉を摘んでいると、森の奥からガサゴソと音がしだした。
クギャ、クギャ、ゴブリンは威嚇のポーズをとった。
「マリオさん、ゴブリン」
「リカコ後ろに隠れて」
ブシュー、ズバッ!! あっけなくゴブリンは倒れた。
ギギ、ギギ、
「マリオさん、後ろ」
ブシュー、ズバッ!! バキッ!! もう一体のゴブリンも倒した。
「もう大丈夫だね」
「そう言えば、講習でゴブリンの耳を持って帰れと言っていたよね」
「ええ、そうよ」
マリオはゴブリンの耳を狩猟用ナイフで削ぎ落として、予備の麻袋に入れて討伐の証拠にしたのだった。
「リカコ、疲れたし、もう帰ろうよ」
「ええ、私もヘトヘトなの」
ドリポスタ町の停車場からナニサカ市行きの乗り合い馬車は直ぐに出発した。お客はマリオとリカコの二人だけだったので、疲れていた二人は寝てしまったのだった。
「リカコ、着いたみたいだよ」
「ええ、マリオさん無事に帰ってこられて良かったわ」
「うん、リカコありがとう」
冒険者ギルドで、籠に入ったラウレルの葉を出した。それと、ゴブリンの耳とスライムの魔石も一緒に出した。
「大変な目に遭われたようですね」
「ええ、スライムとゴブリンに襲われましたが初心者講習を受けていたので助かりました」
「怪我が無くて良かったですね」
「ラウレルの葉は全部で金貨3枚で買い取りいたします」
「それから、ゴブリンの討伐報酬は1体が銀貨3枚ですから2体で銀貨6枚になります。スライムの魔石は1個が銅貨1枚ですから、計50個で、銀貨5枚になります。合わせて、金貨4枚と銀貨1枚です。お確かめ下さい」
「ありがとうございます」
「リカコ、先に食事にしようよ」
「ええ、マリオさん、私、お腹ペコペコだったの」
二人は冒険者ギルドの食堂で、温かいシチューとワインを注文したのだった。
「マリオさん、ここのシチューは美味しいね」
「ああ、そうだね、腹にしみわたるな」
「兄さん、変わった得物を持っているのだな?」
マリオより少し若い赤毛の男がマリオとリカコに声をかけてきた。
「侍の刀です」
「サムライの刀??」
「ええ、私たちがいた遠い国の武器です」
「お前たち北のダテホコからガレオン船に乗って来たのか?」
「ええ、まぁそうです……」
「そうか、ところでお前ら、何でダンジョンに潜らないのだ?」
「ダンジョンって、何ですか?」
「お前ら、本当に何も知らない田舎者だな」
「すみません、赤毛の方にエールとおつまみセット1つお願いします」
「お前たち、なかなか仁義を心得ている感心なヤツだな」
「ところで、名は何というのだ」
「マリオとリカコです。ナニサカ市には最近越してきたばかりで右も左も分かっていないのです」
「俺はトビーだ」
「いいか、初心者が効率よく金を稼ぐ方法はダンジョンだけだ」
「薬草採取はスキルを持っていない無能者がやる仕事だから冒険者の連中は誰もやらないのだ」
「そうなんですか、でも私たち駆け出しですよ」
「ダンジョンの1階と2階なら駆け出しの初心者でも直ぐにレベル上げが出来るのさ」
マリオたちにダンジョンの事を教えてくれた赤毛の男は名をトビーと名乗った。トビーはDランクだったがCランクに昇級間近で主にダンジョンの3階と4階で狩りをしていると教えてくれた。
「トビーさんありがとうございます」
「いいってことよ、それよりもエールごちそうさん」
冒険者ギルドから帰ってきて、二人でベッドに入ったが、マリオは食堂で声を掛けてくれたトビーの言葉が気になってなかなか寝付かれなかったが、リカコと結合してその内に深い眠りに落ちてしまったのだった。
(話終わり)
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