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第5章
5-1 Sクラスが新設される事になった1
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週末のパーティが終わって月曜日の朝……
モトヤとヒナノはいつものように職員室に出ていくと辞令が貼り出されていた。国王と貴族を魔物から救った功績で本当に国立魔法学園の名誉教授になっていたのだった。
「ヒナノ、やっちまったな」
「そうね、魔法学園の学園長にならなかっただけマシよ」
「責任を押し付けられるだけよ」
「ヒナノ、辞令をよく見てごらん、Sクラス特別担任と書いてあるぞ」
「国王と王妃は学校にいる間も王子と王女に護衛を付ける腹積もりなのね」
「そうかも知れないな、あの事件の後だからな」
新学期は始まって間もなかったが、生徒たちもクラス替えがあり、新たにSクラスが新設される事になった。Sクラスとは簡単に言えばジョージ国王とメアリー王妃の肝いりで出来た召喚士を養成するクラスでアンドレ王子とマーガレット王女、ステラ、ヨウスケとユカが一緒のクラスだった。Sクラス新設予算として宮殿から特別予算として金貨10000枚が支給されたので教頭一人が踊ったのだった。
Sクラス募集要項は学園内のロビーに張り出された
▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽
王家とアンギリア国のためにSクラスを新設する
募集要項は以下のとおりである
剣聖の素質を持つ生徒
上級薬師の素質を持つ生徒
聖魔法の素質を持つ生徒
高位精霊を召喚出来る生徒
の4つの条件が示された。
高位精霊とは下記四大精霊の事である
火の精霊 サラマンダー
風の精霊 シルフィー
地の精霊 ノーム
水の精霊 ニンフ
Sクラス編入の実技試験は3ヶ月後とする
なお、学科試験は免除とする
△ △ △ △ △
貴族の子弟たちは親のメンツから魔力の特訓を今直ぐ受けるように厳しく言い渡される事になったのだった。
「教頭、魔法剣士の特別レッスンを今直ぐ始めてください」
「教頭、薬師の特別レッスンを今直ぐ始めてください」
「教頭、聖魔法の特別レッスンを始めてください」
「教頭、高位召喚術の特別レッスンを始めてください」
「学園長、今直ぐは無理だと思います」
「私の言うことが聞けないなら、君はクビだ、今すぐ出て行け」
学園長は特別レッスンを開講するように教頭に詰め寄っていった。学園長が急に騒ぎ立てているのは貴族から金を受け取ったに違いないと思ったが、モトヤとヒナノにはそんな事はどうでも良かった。それよりも、誰がSクラスを仕組んだのか訳が知りたかったのだ。
「ミズノ公爵、この状況を何とかしてください」
教頭は職員室を出ていったので主任教諭が素直に頭を下げた。
「そもそも何で何で朝から学園長に特別レッスンを開講するように教頭に詰め寄っているのですか?」
「それは私が説明しましょう」
「アンドレ王子とマーガレット王女が週末のパーティで聖獣様を召喚して、スティアート公爵家のステラ嬢とスミス公爵家の子息、サミエルとケニーは王家から聖剣エクスカリバーを下賜された事に他の貴族たちが王家と学園にクレームを入れたのです」
「特に王家に尽くしていた辺境伯爵4家からSクラスを新設するにあたって、Sクラス編入試験に新たに剣聖と上級薬師、聖魔法師を付け加えるように王家と学園に圧力を掛けたのです」
「なるほど、全ての学園の生徒に関係するのですね」
「はいそうです」
(ザドキエル、何か良い案はないか?)
(はい、まずは学園全体の魔力量を上げるために教師と生徒全員に共有されている魔導ペンダントを渡しましょう)
(今から4体のゴレームをイポニアのアガミノル山に派遣して魔鉱石を大量に採取してきます)
(ゴーレムをリンクして魔導ペンダントと杖は作らせる事が可能です)
(わかった、直ぐに準備にかかってくれ)
(ヒナノ、貴族とは本当に厄介な生き物だな)
(そうよ、メンツだけで生きているのよ)
(教師も同じようだな)
(そうね、良くても子爵家または男爵家だと思うわ)
「分かりました、イポニアにいた時にヨウスケとユカを育てましたのでここに呼んで魔力を上げる方法をお見せします」
(ヨウスケ、ユカ、職員室に入る前にザドキエルから魔導ペンダントもらって掛けてくれ)
(隠蔽魔法で魔力量は9万に固定してくれ、レベルは99のままでいい)
((了解です))
「失礼します」
職員室にヨウスケとユカが入ってきた。
「ヨウスケ、ユカ、魔導ペンダントを先生方に見せてあげて」
「ヒナノ先生、わかりました」
「ミズノ公爵、これが、サミエルとケニーが下賜された伝説級のペンダントなのですか?」
「学園長、違います」
「イポニアの魔道具店で普通に売っている魔力量を上げるペンダントを俺が改良したものです」
「鑑定の出来る先生は魔導ペンダントの鑑定をお願いします」
◇ ◇ ◇ ◇
魔導ブースターのペンダント
錬金術師が作ったペンダント
魔力量を10倍に上げるので魔法が直ぐに習得出来る
使用者のレベルが上がりやすくなる
◇ ◇ ◇ ◇
(ヒナノ、秘密もへったくれも無いな。王宮での出来事はダダ漏れだぞ)
(おかしいと思わないか)
(貴族とは自慢したがる生き物なので、仕方ないと思うけどおかしいわね)
(モトヤ、盗聴されたかも?)
(あっ、そうか)
「ミズノ公爵、こんなちっぽけな魔道具持ってきてどうされるつもりですか?」
「まずは先生方が魔力量を今の10倍していただき魔力量10000以上を目指してもらいます」
「生徒に指導するのはそれからです」
「まずはヨウスケとユカの魔力量を調べてみて下さい」
「気に入らなければ今の話は無かったことにさせていただきます」
ヨウスケとユカは直ぐに魔力量を測定され、レベル99、魔力量9万の数値を出した。
「教頭、この魔力量は出鱈目では無いのか?」
「学園長、忘れたのですか?生徒二人はレッドドラゴンを倒したSSランク冒険者ですよ」
(ザドキエル、朝から学園長の様子が変だから、直ぐにスティアート公爵に通信魔導具を渡してきてくれ)
(どうも嫌な事が起こりそうな予感がする)
(了解です)
「学園長、ここはミズノ先生に素直に従いましょう」
「いや、それはならぬ」
「では、学園長、貴方が実際にペンダントをお掛けになったらどうですの?」
「さぁ、どうぞ」
モトヤは学園長にペンダントを渡そうとしたが、手で払いのけられた。
「サモン、サレオス」
学園長はポケットから黒い悪魔召喚護符を出してワニに乗った悪魔を召喚したのだった。
「きゃぁ~、悪魔よ」
「皆んな、一か所に集まるんだ」
「ザドキエル、絶対防御五重展開」
「サモン、ゴーレム」
バチン、バチン、バチン、モトヤは絶対防御魔法で職員室の半分を覆ったのでサレオスの攻撃は全て弾かれた。
「先生方は落ち着いて行動して下さい」
「絶対防御で守っていますから、後ろの扉から退出して下さい」
「ヨウスケ、ゴーレム召喚」
「サモン、ゴーレム」
◇ ◇ ◇ ◇
その頃、スティアート公爵は執務室でザドキエルが置いていった通信魔道具から複数の悲鳴が聞こえたのでびっくりした。
「大変じゃ、学園に悪魔が出たぞ」
「国王に緊急連絡じゃ」
スティアート公爵は慌てて王の執務室に走っていった
先生方はアンドレ王子、マーガレット王女、ステラ、サミエルとケニーを呼びに行ったので直ぐに5人が職員室に駆けつけたのだった。
「耐物理結界七重展開」
モトヤはサレオスを取り囲む物理結界を展開した。
「爆裂魔法」
ボム、ドゴーン、ボム、ドゴーン、ボム、ドゴーン、耐物理結界の中で3回小爆発が起こってワニの悪魔サレオスは塵になって消えていった。校長は召喚と引き換えに悪魔サレオスに命を取られて心臓麻痺を起こして死亡したのだった。
「教頭、学園長が死んでいます」
「直に王宮から騎士団が来るだろうから状況見聞が終わるまで学園長の遺体はそのままにしておきなさい」
「ミズノ先生、大丈夫でしたか?」
「アンドレ王子、マーガレット王女、聖獣を召喚してもらうでも無かったな」
「ステラ、サミエルとケニーもありがとう」
「ミズノ公爵、ヒナノ様、大丈夫でしたか?」
スティアート公爵と騎士団が駆けつけてきた。騎士団は直ぐに学園長の状況見聞を始めたのだった。
「びっくりしましたぞ」
「スティアート公爵、もう大丈夫です」
「爆裂魔法で悪魔は爆破して片付けました」
「スティアート公爵、学園長が悪魔サレオスを召喚したのです」
教頭は学園長が急変し悪魔を召喚した事を話しだした。
カーン、始業のチャイムが鳴ったが、全体放送が流れた。
「本日は臨時休校とします、生徒の皆さんは寮に戻って各自で自習して下さい」
学園長の遺体はロープで厳重に縛られて騎士団の詰め所に運ばれていった。
「どうやら、厄介な事になったようですな」
「スティアート公爵、暫くの間、生徒の安全のために騎士団を学園に派遣していただけませんか?」
「教頭、分かりました。国王にかけあってみます」
「教頭、学園長の席はどうするのですか?」
「爵位の順で行くと、実力と知識量からしても、ミズノ公爵に学園長を務めていただくのが一番いいと思います」
「教頭、賛成です」
「「「「「賛成」」」」」
(ヒナノ、冗談で言ったことが現実になったな)
(そうね)
「スティアート公爵、未熟者ですがよろしくお願い申し上げます」
「ミズノ公爵、後ほど国王より新学園長の認証式を執り行っていただきましょう」
「それは、Sクラスが無事に開講してからにしていただけませんか」
「何故ですかな?」
「まだ、他にも何か悪企みがあるようなので、王宮の方でも貴族全員を調べて頂きたいのです」
「私もあの場では聞かされずに国王が急にSクラスを作ったので驚いていたのです」
「分かりました、スミスと一緒に伯爵家から洗ってみます」
「スティアート公爵、それと、王宮全ての部屋に盗聴の魔道具が仕掛けられていないか調べて下さい」
「学園長は王宮でサミエルとケニーに渡した魔道具の事を知っていたのです」
「それでは今まで以上に防犯対策を強化しましょう」
「お願いします」
(話終わり)
モトヤとヒナノはいつものように職員室に出ていくと辞令が貼り出されていた。国王と貴族を魔物から救った功績で本当に国立魔法学園の名誉教授になっていたのだった。
「ヒナノ、やっちまったな」
「そうね、魔法学園の学園長にならなかっただけマシよ」
「責任を押し付けられるだけよ」
「ヒナノ、辞令をよく見てごらん、Sクラス特別担任と書いてあるぞ」
「国王と王妃は学校にいる間も王子と王女に護衛を付ける腹積もりなのね」
「そうかも知れないな、あの事件の後だからな」
新学期は始まって間もなかったが、生徒たちもクラス替えがあり、新たにSクラスが新設される事になった。Sクラスとは簡単に言えばジョージ国王とメアリー王妃の肝いりで出来た召喚士を養成するクラスでアンドレ王子とマーガレット王女、ステラ、ヨウスケとユカが一緒のクラスだった。Sクラス新設予算として宮殿から特別予算として金貨10000枚が支給されたので教頭一人が踊ったのだった。
Sクラス募集要項は学園内のロビーに張り出された
▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽
王家とアンギリア国のためにSクラスを新設する
募集要項は以下のとおりである
剣聖の素質を持つ生徒
上級薬師の素質を持つ生徒
聖魔法の素質を持つ生徒
高位精霊を召喚出来る生徒
の4つの条件が示された。
高位精霊とは下記四大精霊の事である
火の精霊 サラマンダー
風の精霊 シルフィー
地の精霊 ノーム
水の精霊 ニンフ
Sクラス編入の実技試験は3ヶ月後とする
なお、学科試験は免除とする
△ △ △ △ △
貴族の子弟たちは親のメンツから魔力の特訓を今直ぐ受けるように厳しく言い渡される事になったのだった。
「教頭、魔法剣士の特別レッスンを今直ぐ始めてください」
「教頭、薬師の特別レッスンを今直ぐ始めてください」
「教頭、聖魔法の特別レッスンを始めてください」
「教頭、高位召喚術の特別レッスンを始めてください」
「学園長、今直ぐは無理だと思います」
「私の言うことが聞けないなら、君はクビだ、今すぐ出て行け」
学園長は特別レッスンを開講するように教頭に詰め寄っていった。学園長が急に騒ぎ立てているのは貴族から金を受け取ったに違いないと思ったが、モトヤとヒナノにはそんな事はどうでも良かった。それよりも、誰がSクラスを仕組んだのか訳が知りたかったのだ。
「ミズノ公爵、この状況を何とかしてください」
教頭は職員室を出ていったので主任教諭が素直に頭を下げた。
「そもそも何で何で朝から学園長に特別レッスンを開講するように教頭に詰め寄っているのですか?」
「それは私が説明しましょう」
「アンドレ王子とマーガレット王女が週末のパーティで聖獣様を召喚して、スティアート公爵家のステラ嬢とスミス公爵家の子息、サミエルとケニーは王家から聖剣エクスカリバーを下賜された事に他の貴族たちが王家と学園にクレームを入れたのです」
「特に王家に尽くしていた辺境伯爵4家からSクラスを新設するにあたって、Sクラス編入試験に新たに剣聖と上級薬師、聖魔法師を付け加えるように王家と学園に圧力を掛けたのです」
「なるほど、全ての学園の生徒に関係するのですね」
「はいそうです」
(ザドキエル、何か良い案はないか?)
(はい、まずは学園全体の魔力量を上げるために教師と生徒全員に共有されている魔導ペンダントを渡しましょう)
(今から4体のゴレームをイポニアのアガミノル山に派遣して魔鉱石を大量に採取してきます)
(ゴーレムをリンクして魔導ペンダントと杖は作らせる事が可能です)
(わかった、直ぐに準備にかかってくれ)
(ヒナノ、貴族とは本当に厄介な生き物だな)
(そうよ、メンツだけで生きているのよ)
(教師も同じようだな)
(そうね、良くても子爵家または男爵家だと思うわ)
「分かりました、イポニアにいた時にヨウスケとユカを育てましたのでここに呼んで魔力を上げる方法をお見せします」
(ヨウスケ、ユカ、職員室に入る前にザドキエルから魔導ペンダントもらって掛けてくれ)
(隠蔽魔法で魔力量は9万に固定してくれ、レベルは99のままでいい)
((了解です))
「失礼します」
職員室にヨウスケとユカが入ってきた。
「ヨウスケ、ユカ、魔導ペンダントを先生方に見せてあげて」
「ヒナノ先生、わかりました」
「ミズノ公爵、これが、サミエルとケニーが下賜された伝説級のペンダントなのですか?」
「学園長、違います」
「イポニアの魔道具店で普通に売っている魔力量を上げるペンダントを俺が改良したものです」
「鑑定の出来る先生は魔導ペンダントの鑑定をお願いします」
◇ ◇ ◇ ◇
魔導ブースターのペンダント
錬金術師が作ったペンダント
魔力量を10倍に上げるので魔法が直ぐに習得出来る
使用者のレベルが上がりやすくなる
◇ ◇ ◇ ◇
(ヒナノ、秘密もへったくれも無いな。王宮での出来事はダダ漏れだぞ)
(おかしいと思わないか)
(貴族とは自慢したがる生き物なので、仕方ないと思うけどおかしいわね)
(モトヤ、盗聴されたかも?)
(あっ、そうか)
「ミズノ公爵、こんなちっぽけな魔道具持ってきてどうされるつもりですか?」
「まずは先生方が魔力量を今の10倍していただき魔力量10000以上を目指してもらいます」
「生徒に指導するのはそれからです」
「まずはヨウスケとユカの魔力量を調べてみて下さい」
「気に入らなければ今の話は無かったことにさせていただきます」
ヨウスケとユカは直ぐに魔力量を測定され、レベル99、魔力量9万の数値を出した。
「教頭、この魔力量は出鱈目では無いのか?」
「学園長、忘れたのですか?生徒二人はレッドドラゴンを倒したSSランク冒険者ですよ」
(ザドキエル、朝から学園長の様子が変だから、直ぐにスティアート公爵に通信魔導具を渡してきてくれ)
(どうも嫌な事が起こりそうな予感がする)
(了解です)
「学園長、ここはミズノ先生に素直に従いましょう」
「いや、それはならぬ」
「では、学園長、貴方が実際にペンダントをお掛けになったらどうですの?」
「さぁ、どうぞ」
モトヤは学園長にペンダントを渡そうとしたが、手で払いのけられた。
「サモン、サレオス」
学園長はポケットから黒い悪魔召喚護符を出してワニに乗った悪魔を召喚したのだった。
「きゃぁ~、悪魔よ」
「皆んな、一か所に集まるんだ」
「ザドキエル、絶対防御五重展開」
「サモン、ゴーレム」
バチン、バチン、バチン、モトヤは絶対防御魔法で職員室の半分を覆ったのでサレオスの攻撃は全て弾かれた。
「先生方は落ち着いて行動して下さい」
「絶対防御で守っていますから、後ろの扉から退出して下さい」
「ヨウスケ、ゴーレム召喚」
「サモン、ゴーレム」
◇ ◇ ◇ ◇
その頃、スティアート公爵は執務室でザドキエルが置いていった通信魔道具から複数の悲鳴が聞こえたのでびっくりした。
「大変じゃ、学園に悪魔が出たぞ」
「国王に緊急連絡じゃ」
スティアート公爵は慌てて王の執務室に走っていった
先生方はアンドレ王子、マーガレット王女、ステラ、サミエルとケニーを呼びに行ったので直ぐに5人が職員室に駆けつけたのだった。
「耐物理結界七重展開」
モトヤはサレオスを取り囲む物理結界を展開した。
「爆裂魔法」
ボム、ドゴーン、ボム、ドゴーン、ボム、ドゴーン、耐物理結界の中で3回小爆発が起こってワニの悪魔サレオスは塵になって消えていった。校長は召喚と引き換えに悪魔サレオスに命を取られて心臓麻痺を起こして死亡したのだった。
「教頭、学園長が死んでいます」
「直に王宮から騎士団が来るだろうから状況見聞が終わるまで学園長の遺体はそのままにしておきなさい」
「ミズノ先生、大丈夫でしたか?」
「アンドレ王子、マーガレット王女、聖獣を召喚してもらうでも無かったな」
「ステラ、サミエルとケニーもありがとう」
「ミズノ公爵、ヒナノ様、大丈夫でしたか?」
スティアート公爵と騎士団が駆けつけてきた。騎士団は直ぐに学園長の状況見聞を始めたのだった。
「びっくりしましたぞ」
「スティアート公爵、もう大丈夫です」
「爆裂魔法で悪魔は爆破して片付けました」
「スティアート公爵、学園長が悪魔サレオスを召喚したのです」
教頭は学園長が急変し悪魔を召喚した事を話しだした。
カーン、始業のチャイムが鳴ったが、全体放送が流れた。
「本日は臨時休校とします、生徒の皆さんは寮に戻って各自で自習して下さい」
学園長の遺体はロープで厳重に縛られて騎士団の詰め所に運ばれていった。
「どうやら、厄介な事になったようですな」
「スティアート公爵、暫くの間、生徒の安全のために騎士団を学園に派遣していただけませんか?」
「教頭、分かりました。国王にかけあってみます」
「教頭、学園長の席はどうするのですか?」
「爵位の順で行くと、実力と知識量からしても、ミズノ公爵に学園長を務めていただくのが一番いいと思います」
「教頭、賛成です」
「「「「「賛成」」」」」
(ヒナノ、冗談で言ったことが現実になったな)
(そうね)
「スティアート公爵、未熟者ですがよろしくお願い申し上げます」
「ミズノ公爵、後ほど国王より新学園長の認証式を執り行っていただきましょう」
「それは、Sクラスが無事に開講してからにしていただけませんか」
「何故ですかな?」
「まだ、他にも何か悪企みがあるようなので、王宮の方でも貴族全員を調べて頂きたいのです」
「私もあの場では聞かされずに国王が急にSクラスを作ったので驚いていたのです」
「分かりました、スミスと一緒に伯爵家から洗ってみます」
「スティアート公爵、それと、王宮全ての部屋に盗聴の魔道具が仕掛けられていないか調べて下さい」
「学園長は王宮でサミエルとケニーに渡した魔道具の事を知っていたのです」
「それでは今まで以上に防犯対策を強化しましょう」
「お願いします」
(話終わり)
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