21 / 42
第2章
2-10 中級ポーションを作ってみた
しおりを挟む
モトヤとヨウスケは朝からゴーレムのテストにアガミノル山に行ってしまった。ヒナノとユカは食後のお茶を飲みながらゆったりした朝の時間を楽しんでいた。
◇ ◇ ◇ ◇
「ユカ、今日は中級ポーションを作りましょう」
「材料はアロイ、ラベンダー、ユペリコ草よ、薬草園で採ってきて」
「ヒナノさん、この前使ったマグワートもユペリコ草も見習い冒険者が集めてくる薬草ですよね」
「そうよ、見習い冒険者が集めてくる薬草でポーションは作れるけど、その事を知っているのは薬師と一部の錬金術師だけね」
「もしかして、一般の人は魔力水を作る事が出来ないからですか?」
「ユカ、それはこの世界の常識よ、そもそも聖属性魔法が使えないと回復や治療は出来ないのよ」
「聖女だけの特権だと思っていました」
「そんな事は無いわ、聖属性魔法は私とモトヤがいたガリア国では高位の神官も使っていたわ、それとヒーラーと呼ばれる聖属性魔法に特化した魔法使いが普通にいたのよ」
「ヒナノさんが聖属性魔法を使えるようになったのは何時からですか?」
「私もレベルが上ってから聖属性魔法が使えるようになったのよ」
「じゃぁ、私と同じ時期からなのですね」
「そうかもね」
「ユカ、基本知識はこれくらいにして、大鍋に魔力水を満たしてくれる、今回は意識して魔力をたっぷり注いでみて」
「はい」
「アロイ、ラベンダー、ユペリコ草を大鍋に入れたら『サンクチュアリ』よ」
「サンクチュアリ」
「大鍋が光って、中級ポーションが出来上がった」
「ユカ、具現化でポーションを入れる小瓶を100個作ってみて」
「はい」
ポーションの小瓶100個は直ぐに出来上がったので、出来上がった中級ポーションを小分けした。
「ユカ、この前の下級ポーションと今作った中級ポーションを鑑定してみて」
「はい、『鑑定』ですね」
ユカは下級ポーションと中級ポーションを鑑定してみた。
◇ ◇ ◇ ◇
下級ポーション
外傷(切り傷、咬傷、擦り傷)を回復する
解熱、下毒作用がある
怪我により失われた体力を半分回復する
但し、骨折、欠損は回復できない
味は苦くてかなり飲みにくい
◇ ◇ ◇ ◇
中級ポーション
外傷(切り傷、咬傷、擦り傷)を全回復する
解熱、下毒作用がある
怪我により失われた体力を全回復する
骨折、一部欠損を回復出来る
味は爽やかな味でかなり飲みやすい
◇ ◇ ◇ ◇
「ユカには教えて無かったけど、回復魔法の『ヒール』は初級、中級、上級と別れていて、ヒール、ハイヒール、エクストラヒールと呪文が違うのよ」
「それから、中級ポーションは下級ポーションに比べて魔力が沢山含まれるので回復効果が高いのよ」
「ハターニアとユペリコ草の違いは有るのですか?」
「ハターニアは解毒作用の効果が有るけど、一般の薬師は殆ど知らないと思うわ」
「えっ、何でですか?」
「私のオリジナルよ、ユペリコ草の代わりに入れてみたのよ」
「じゃぁ、一般の中級ポーションの効果なのですか?」
「それは無いわ、マグワートは止血用だから一般の下級ポーションと同じで傷を治すだけよ」
「ヒナノさん、分かりました」
「ヒナノさん、このポーションをギルドで売ってもいいのでしょうか?」
「ユカ、他人には売らない方が良いと思うわ」
「領主や貴族に囲われてしまったら、一生、ポーションを作り続ける羽目になると思うわ」
「そうですね、一生働くのは絶対に嫌です」
「そうよ、私もユカもお金の為に働かなくても生活は出来るから、ポーション作りは趣味として考えるのよ」
「その代わり、目の前で怪我をした人がいれば使ってあげて」
「はい、分かりました」
(モトヤ、お昼にしましょう)
(ああ、今から転移門で帰る)
ヒナノはモトヤと思念伝達で連絡を取った。程なくしてモトヤとヨウスケが帰ってきた。
「ユカたちはどうしてたの?」
「私たちは中級ポーションを作ったのよ」
「へえ~、凄いね」
「ユカ、お昼はオムレツにしましょう」
「はい」
ヒナノとユカは手際よく昼食の準備をしてくれた。オムレツを食べながユカがヨウスケに聞いてきた。
「ヨウスケ、ゴーレムはどうだったの?」
「成功です、モトヤさんが2体作ったので全部で4体になりました」
「そうなの、よかったわね」
(話終わり)
◇ ◇ ◇ ◇
「ユカ、今日は中級ポーションを作りましょう」
「材料はアロイ、ラベンダー、ユペリコ草よ、薬草園で採ってきて」
「ヒナノさん、この前使ったマグワートもユペリコ草も見習い冒険者が集めてくる薬草ですよね」
「そうよ、見習い冒険者が集めてくる薬草でポーションは作れるけど、その事を知っているのは薬師と一部の錬金術師だけね」
「もしかして、一般の人は魔力水を作る事が出来ないからですか?」
「ユカ、それはこの世界の常識よ、そもそも聖属性魔法が使えないと回復や治療は出来ないのよ」
「聖女だけの特権だと思っていました」
「そんな事は無いわ、聖属性魔法は私とモトヤがいたガリア国では高位の神官も使っていたわ、それとヒーラーと呼ばれる聖属性魔法に特化した魔法使いが普通にいたのよ」
「ヒナノさんが聖属性魔法を使えるようになったのは何時からですか?」
「私もレベルが上ってから聖属性魔法が使えるようになったのよ」
「じゃぁ、私と同じ時期からなのですね」
「そうかもね」
「ユカ、基本知識はこれくらいにして、大鍋に魔力水を満たしてくれる、今回は意識して魔力をたっぷり注いでみて」
「はい」
「アロイ、ラベンダー、ユペリコ草を大鍋に入れたら『サンクチュアリ』よ」
「サンクチュアリ」
「大鍋が光って、中級ポーションが出来上がった」
「ユカ、具現化でポーションを入れる小瓶を100個作ってみて」
「はい」
ポーションの小瓶100個は直ぐに出来上がったので、出来上がった中級ポーションを小分けした。
「ユカ、この前の下級ポーションと今作った中級ポーションを鑑定してみて」
「はい、『鑑定』ですね」
ユカは下級ポーションと中級ポーションを鑑定してみた。
◇ ◇ ◇ ◇
下級ポーション
外傷(切り傷、咬傷、擦り傷)を回復する
解熱、下毒作用がある
怪我により失われた体力を半分回復する
但し、骨折、欠損は回復できない
味は苦くてかなり飲みにくい
◇ ◇ ◇ ◇
中級ポーション
外傷(切り傷、咬傷、擦り傷)を全回復する
解熱、下毒作用がある
怪我により失われた体力を全回復する
骨折、一部欠損を回復出来る
味は爽やかな味でかなり飲みやすい
◇ ◇ ◇ ◇
「ユカには教えて無かったけど、回復魔法の『ヒール』は初級、中級、上級と別れていて、ヒール、ハイヒール、エクストラヒールと呪文が違うのよ」
「それから、中級ポーションは下級ポーションに比べて魔力が沢山含まれるので回復効果が高いのよ」
「ハターニアとユペリコ草の違いは有るのですか?」
「ハターニアは解毒作用の効果が有るけど、一般の薬師は殆ど知らないと思うわ」
「えっ、何でですか?」
「私のオリジナルよ、ユペリコ草の代わりに入れてみたのよ」
「じゃぁ、一般の中級ポーションの効果なのですか?」
「それは無いわ、マグワートは止血用だから一般の下級ポーションと同じで傷を治すだけよ」
「ヒナノさん、分かりました」
「ヒナノさん、このポーションをギルドで売ってもいいのでしょうか?」
「ユカ、他人には売らない方が良いと思うわ」
「領主や貴族に囲われてしまったら、一生、ポーションを作り続ける羽目になると思うわ」
「そうですね、一生働くのは絶対に嫌です」
「そうよ、私もユカもお金の為に働かなくても生活は出来るから、ポーション作りは趣味として考えるのよ」
「その代わり、目の前で怪我をした人がいれば使ってあげて」
「はい、分かりました」
(モトヤ、お昼にしましょう)
(ああ、今から転移門で帰る)
ヒナノはモトヤと思念伝達で連絡を取った。程なくしてモトヤとヨウスケが帰ってきた。
「ユカたちはどうしてたの?」
「私たちは中級ポーションを作ったのよ」
「へえ~、凄いね」
「ユカ、お昼はオムレツにしましょう」
「はい」
ヒナノとユカは手際よく昼食の準備をしてくれた。オムレツを食べながユカがヨウスケに聞いてきた。
「ヨウスケ、ゴーレムはどうだったの?」
「成功です、モトヤさんが2体作ったので全部で4体になりました」
「そうなの、よかったわね」
(話終わり)
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方
ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。
注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
婚約破棄してたった今処刑した悪役令嬢が前世の幼馴染兼恋人だと気づいてしまった。
風和ふわ
恋愛
タイトル通り。連載の気分転換に執筆しました。
※なろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、pixivに投稿しています。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる