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551話 楽園
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「まあ、ケイガお兄様ったら。
敬愛するお兄様が動けないと聞こえましたら、
急ぎ馳せ参じて肩をお貸しするのは妹として当然の務めですわ」
「そ、そうなのか…
しかし俺が動けないって良くわかりましたね?」
「わたくしは愛しいケイガお兄様の魔力を常に把握しておりますわ。
先ほどお兄様の魔力が大きく下がったということも直ぐにわかりましたの。
このエゾン・レイギスでは魔力と体力は相互関係にありますわ。
よって此れほど急な魔力低下はケイガお兄様が御身体をまともに動かせない程に
疲弊された状態にあられることは容易に予想がつきましたわ」
「なるほど…
し、しかし俺がいる場所は伝えてはいなかった筈…
よく此処がわかりましたね?」
俺とディラムと魔竜将が手合わせをしていたこの場所は、
エクスラント聖王国の外れに広がる荒野である。
魔界五軍将のひとりである超高位魔族、
魔竜将ガルヴァーヴとの手合わせは
大規模な戦闘となることは必至。
故に戦闘力の特に高いメンツである
俺とディラム、優羽花のみでこの地に高速飛行魔法で出向いたのである。
人里から離れたこの地は、
強い戦闘力を持った者同士が戦闘を行っても
一般人を巻き込む心配が無く、
戦いの場として都合が良かったのだ。
ポーラ姫、ミリィ、ヴィシル、姫騎士団の皆は
戦闘に巻き込まれない様にホウリシア王城で待機となっていた筈なのだが…。
「わたくしはケイガお兄様の魔力の波長を記憶しております。
これぐらいの距離であれば正確な場所の感知も容易。
あとは高速飛行魔法を使ってその場を辿るだけの事ですわ」
流石はこの異世界エゾン・レイギスでも
指折りの魔法の使い手であるポーラ姫。
『見通しの眼鏡』が無くとも、
俺の魔力を瞬く間に感知することが出来るという事か。
俺が相手の気配を察することが出来る事の”魔力版”と言ったところだろう。
そして使用するには高い魔力が必要な為、
実質は魔族専用の魔法となっている高速飛行魔法も、
人間の身であっても高い魔力数値を誇るポーラ姫なら
問題なく使えるという事か。
俺の魔力の急激な低下、その正確な場所、
そしてこの場に迅速にたどり着くことが出来る高速飛行魔法…
流石というしかないだろう。
その魔法の使い手としての実力の高さに感嘆する俺の右手を
突如、『楽園』が包み込んだ。
…えっナニコレ!?
この前にも感じたことがあるこの感触は…
この男の性質を満たすコレは…
まさに楽園!!!!
俺は楽園の感触をより求めて
右手のひらを強く動かしてしまった。
「…あふぅん!?
ケイガお兄様ぁ…
そんなに強く動かされてわ…」
俺はポーラ姫の艶めかしい言葉に我に返った。
そして自分の右手があろうことか…
彼女の豊かなおっぱいの間に挟まっていることに気が付いた。
敬愛するお兄様が動けないと聞こえましたら、
急ぎ馳せ参じて肩をお貸しするのは妹として当然の務めですわ」
「そ、そうなのか…
しかし俺が動けないって良くわかりましたね?」
「わたくしは愛しいケイガお兄様の魔力を常に把握しておりますわ。
先ほどお兄様の魔力が大きく下がったということも直ぐにわかりましたの。
このエゾン・レイギスでは魔力と体力は相互関係にありますわ。
よって此れほど急な魔力低下はケイガお兄様が御身体をまともに動かせない程に
疲弊された状態にあられることは容易に予想がつきましたわ」
「なるほど…
し、しかし俺がいる場所は伝えてはいなかった筈…
よく此処がわかりましたね?」
俺とディラムと魔竜将が手合わせをしていたこの場所は、
エクスラント聖王国の外れに広がる荒野である。
魔界五軍将のひとりである超高位魔族、
魔竜将ガルヴァーヴとの手合わせは
大規模な戦闘となることは必至。
故に戦闘力の特に高いメンツである
俺とディラム、優羽花のみでこの地に高速飛行魔法で出向いたのである。
人里から離れたこの地は、
強い戦闘力を持った者同士が戦闘を行っても
一般人を巻き込む心配が無く、
戦いの場として都合が良かったのだ。
ポーラ姫、ミリィ、ヴィシル、姫騎士団の皆は
戦闘に巻き込まれない様にホウリシア王城で待機となっていた筈なのだが…。
「わたくしはケイガお兄様の魔力の波長を記憶しております。
これぐらいの距離であれば正確な場所の感知も容易。
あとは高速飛行魔法を使ってその場を辿るだけの事ですわ」
流石はこの異世界エゾン・レイギスでも
指折りの魔法の使い手であるポーラ姫。
『見通しの眼鏡』が無くとも、
俺の魔力を瞬く間に感知することが出来るという事か。
俺が相手の気配を察することが出来る事の”魔力版”と言ったところだろう。
そして使用するには高い魔力が必要な為、
実質は魔族専用の魔法となっている高速飛行魔法も、
人間の身であっても高い魔力数値を誇るポーラ姫なら
問題なく使えるという事か。
俺の魔力の急激な低下、その正確な場所、
そしてこの場に迅速にたどり着くことが出来る高速飛行魔法…
流石というしかないだろう。
その魔法の使い手としての実力の高さに感嘆する俺の右手を
突如、『楽園』が包み込んだ。
…えっナニコレ!?
この前にも感じたことがあるこの感触は…
この男の性質を満たすコレは…
まさに楽園!!!!
俺は楽園の感触をより求めて
右手のひらを強く動かしてしまった。
「…あふぅん!?
ケイガお兄様ぁ…
そんなに強く動かされてわ…」
俺はポーラ姫の艶めかしい言葉に我に返った。
そして自分の右手があろうことか…
彼女の豊かなおっぱいの間に挟まっていることに気が付いた。
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