シスターヴレイヴ!~上司に捨て駒にされ会社をクビになり無職ニートになった俺が妹と異世界に飛ばされ妹が勇者になったけど何とか生きてます~

尾山塩之進

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548話 俺の最高の技

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「熱ッ!?」

 俺とディラムは攻撃の手を収めると後ろへと跳躍し、
 ガルヴァーヴの身体から吹き上がった炎の柱から退避する。
 何という凄まじい熱さ…
 あのまま突っ込んでいたら只では済まなかっただろう。

「これは…俺たちの接近を阻む魔竜将の防御技か?」

「いや違うぞケイガ。
これはガルヴァーヴ様が内の魔力を外に解放しただけの事。
特に防御技や攻撃技という訳では無い」

 ん…?
 つまりこれはあれか。
 俺が気を解放した時に、
 気が火柱のように吹き上がる現象の魔力版という訳か?
 だが24000という高すぎる魔力数値は、
 物理的な破壊力すら伴っている…と。
 そ、そんな馬鹿な…。

「ガアアアッ!!」

 ガルヴァーヴの咆哮と共に、
 魔力の火柱が周囲に拡散して俺たちに迫り来る。
 これも魔竜将に取っては攻撃手段という訳では無く、
 ちょっとした運動みたいなものなのだろう。
 だが俺に取って見れば、
 直撃すれば致命傷になりかねない。
 俺は全身に気を纏うとロケットの様に高速で宙を舞い、
 迫り来る魔力の悉くを回避する。

 どう見ても俺と魔竜将ガルヴァーヴとの力の差は歴然、
 勝ち目は無いだろう。
 だがこれはあくまでも手合わせなのだ、
 殺し合いでは無い。
 この異世界エゾン・レイギスで稀有けうな存在である
 ”気”の使い手である俺の力をその身で味わってみたいという…
 魔竜将自身が望んだ手合わせなのである。

 だったら…
 見せてやるよ俺の持てる気の技の全てを!
 それで気が済んだら、
 この手合わせを終わりにしやがれッ!!
 いや、早く終わりにしてくださいッ!!

地ノ宮流気士術ちのみやりゅうきしじゅつ・一の型・改、雷迅王らいじんおう!」

 俺は雷撃状の気を全身に纏うと、
 自身を巨大な雷弾と化して魔竜将に突貫した。
 巨大な竜の胸部分に突き刺さった雷弾状の俺、
 だがその固い皮膚に阻まれて弾き飛ばされる。

「うおおおおおお!
地ノ宮流気士術ちのみやりゅうきしじゅつ・五の型、流星りゅうせい!」

俺は雷迅王らいじんおうの気をそのまま変換し、
両手のひらに集中させると気のエネルギー波を解き放った。
気の光が巨大な竜の頭に直撃する。
だが…この程度の技では、
魔竜将には全くダメージを与えられてないだろう。
これではとてもじゃないが彼の気が済むとは思えない。

だったら…
俺が今使える最高の技を繰り出すしかない。

俺は気を極限まで高める、
今持てる全ての気を、
この両手のひらの中に。

地ノ宮流気士術ちのみやりゅうきしじゅつ五の型・改、極光きょくこう!」

 俺の両手から放たれた巨大な気のエネルギー波は
 閃光となって魔竜将の巨大な竜の身体を包み込んだ。
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