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545話 百鬼丸
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「おい!
いい加減に起きやがれケイガッ!!」
俺は大声にせかされて目を開けた。
身を起こして見れば、
一人の巨漢が仁王立ちで俺を見下ろしている。
「…百鬼丸か?
つまり此処はあの世とやらで…
俺は、死んだって事になるのか?」
「いーや、お前さんはまだ死んじゃいねえよ?
まあ、このまま寝たままでいやがるなら
本当に死んじまうかも知れないがなあ?」
二本の角を頭上から生やした筋骨隆々の大男は、
俺を見据えながらニヤリと笑った。
コイツはその見た目通り人では無い、
妖の中でも特に強い力を持つ”鬼”。
それも只の鬼では無い、
鬼を統べる鬼の王なのだ。
百鬼丸と俺は、
人と鬼、
互いに相容れない存在同士…
互いの生存を掛けて何度も戦った。
その熾烈な戦いの末に俺は奴を倒した。
ゲームやアニメで言う所の、
人のセカイを救ったことに俺はなるのだろうか?
だが実際の戦いは…
創作の英雄物語の様な気持ちの良いものでは無かった。
百鬼丸自体は悪い奴では無く、
正々堂々とした戦い方を好む、
むしろ下手な人間よりも
よっぽど気持ちの良い性格の男だったのである。
そんな奴を、
自分たちが生き残るためとはいえ、
命を奪った事は…
とてもじゃないが後味が良いものでは無かった。
「ん?
どうしたケイガ?
ずいぶんとしけた顔しているじゃねえか!
ははーん…
もしかしてお前さん、
俺を殺ったことに対してまだ後悔してるのか?」
「…だって俺は…
出来ることなら、
最後までお前を殺したくは無かった…」
「そうは言ってもなあケイガ?
あの京での要石を巡る戦いは、
俺様達、妖の世と
お前さん達、人の世の入れ替わりを賭けた…
互いの生存を賭けた戦いだったろう?
どっちも一歩も譲ることは出来なかった。
そして俺はお前さんと真正面から戦って、
力を全て出し尽くして負けたんだ。
こちとらは別に悔いも恨みもねえよ」
そう…百鬼丸はこういう性格の男なのだ。
俺が止めを刺した時も、
コイツは同じ様な事を言って安らかに逝ったのである。
だからこそ何で百鬼丸は、
人の敵である鬼として生まれて
俺と戦う事になってしまったのかと、
悔恨の念にさいやまれたのだ。
そして…
何らかの方法で、
人と鬼が和解できる方法が無かったのか
今でも悔やまれてならないのだ。
「…まあ俺たち鬼とお前さんたち人は最後まで相容れなかったけどよお。
今度の相手とは上手くやれる可能性はあるんじゃねえか?
だったら過去の事にいつまでもくよくよしなさんな。
今は前だけ見ろケイガ…そしていい加減に目を覚ませしやがれッ!」
百鬼丸の身体がまぶしく輝いて周囲が閃光に包まれた。
俺は余りの眩しさに目がくらんだ。
そして次の瞬間、俺は目を開けた。
空に浮かぶ雲が視界に飛び込んで来た。
俺は地面に大の字で転がっていた。
…さっきの百鬼丸との会話は夢だったのか?
そして今現在、俺が置かれた状況は?
俺は一気に我に返った。
今は絶賛戦闘中なのである!
それも相手は…
魔界五軍将の一人、
魔竜将ガルヴァーヴ!
いい加減に起きやがれケイガッ!!」
俺は大声にせかされて目を開けた。
身を起こして見れば、
一人の巨漢が仁王立ちで俺を見下ろしている。
「…百鬼丸か?
つまり此処はあの世とやらで…
俺は、死んだって事になるのか?」
「いーや、お前さんはまだ死んじゃいねえよ?
まあ、このまま寝たままでいやがるなら
本当に死んじまうかも知れないがなあ?」
二本の角を頭上から生やした筋骨隆々の大男は、
俺を見据えながらニヤリと笑った。
コイツはその見た目通り人では無い、
妖の中でも特に強い力を持つ”鬼”。
それも只の鬼では無い、
鬼を統べる鬼の王なのだ。
百鬼丸と俺は、
人と鬼、
互いに相容れない存在同士…
互いの生存を掛けて何度も戦った。
その熾烈な戦いの末に俺は奴を倒した。
ゲームやアニメで言う所の、
人のセカイを救ったことに俺はなるのだろうか?
だが実際の戦いは…
創作の英雄物語の様な気持ちの良いものでは無かった。
百鬼丸自体は悪い奴では無く、
正々堂々とした戦い方を好む、
むしろ下手な人間よりも
よっぽど気持ちの良い性格の男だったのである。
そんな奴を、
自分たちが生き残るためとはいえ、
命を奪った事は…
とてもじゃないが後味が良いものでは無かった。
「ん?
どうしたケイガ?
ずいぶんとしけた顔しているじゃねえか!
ははーん…
もしかしてお前さん、
俺を殺ったことに対してまだ後悔してるのか?」
「…だって俺は…
出来ることなら、
最後までお前を殺したくは無かった…」
「そうは言ってもなあケイガ?
あの京での要石を巡る戦いは、
俺様達、妖の世と
お前さん達、人の世の入れ替わりを賭けた…
互いの生存を賭けた戦いだったろう?
どっちも一歩も譲ることは出来なかった。
そして俺はお前さんと真正面から戦って、
力を全て出し尽くして負けたんだ。
こちとらは別に悔いも恨みもねえよ」
そう…百鬼丸はこういう性格の男なのだ。
俺が止めを刺した時も、
コイツは同じ様な事を言って安らかに逝ったのである。
だからこそ何で百鬼丸は、
人の敵である鬼として生まれて
俺と戦う事になってしまったのかと、
悔恨の念にさいやまれたのだ。
そして…
何らかの方法で、
人と鬼が和解できる方法が無かったのか
今でも悔やまれてならないのだ。
「…まあ俺たち鬼とお前さんたち人は最後まで相容れなかったけどよお。
今度の相手とは上手くやれる可能性はあるんじゃねえか?
だったら過去の事にいつまでもくよくよしなさんな。
今は前だけ見ろケイガ…そしていい加減に目を覚ませしやがれッ!」
百鬼丸の身体がまぶしく輝いて周囲が閃光に包まれた。
俺は余りの眩しさに目がくらんだ。
そして次の瞬間、俺は目を開けた。
空に浮かぶ雲が視界に飛び込んで来た。
俺は地面に大の字で転がっていた。
…さっきの百鬼丸との会話は夢だったのか?
そして今現在、俺が置かれた状況は?
俺は一気に我に返った。
今は絶賛戦闘中なのである!
それも相手は…
魔界五軍将の一人、
魔竜将ガルヴァーヴ!
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