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540話 地面に全力でドカン!
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「…何を言っているんだ優羽花?
俺は自分の妹たちには分け隔てなく、
優しく接しているつもりだぞ?
お前だけ厳しくしているなんてことは無い」
「嘘つきなさいよ!
さっきのあたしみたいに地面に全力に叩きつけてドカンとか!
そんな容赦ない対応をあたし以外の相手にしている所なんて
見たこと無いんですけど!!」
「優羽花…
俺は戦いの厳しさを教えると言ったぞ?
地面に全力に叩きつけられてドカン!も
強敵が相手なら普通の出来事だ。
兄さんはそれを身をもって示してだなあ…」
「あたしが言いたいのはそういうことじゃあない!
だったら聞くけど!
お兄はポーラさんやミリィさん相手の稽古で、
地面に全力に叩きつけてドカン!とかしてるの!?」
「ポーラ姫やミリィは王女や公爵、
この聖王国の公人であり国の顔でもある。
よって外見も大切だ。
顔や体を必要以上に傷つけない為に、
ある程度は加減する必要はあるだろう。
そもそも二人は遠距離戦主体の魔法使いだからな、
近接戦主体の俺とは戦い方も相性も違う。
だから地面に叩きつけてドカン!なんて流れにはならないさ」
「…だ、だったら!
同じ近接戦主体の姫騎士団のみんなが相手だったらどうなのよ!
地面に全力でドカンしてるの!?」
「残念だが、俺と姫騎士団では
戦闘力数値が大きく離れすぎている。
地面に全力でドカン!なんてしようものなら、
彼女たちの今の強さでは只では済まないだろう。
だから今は加減する必要があるから…
地面に全力でドカン!ということにはならないな」
「そ、ぞれじゃあ!
ヴィシルはどうなのよ!
彼女はポーラさんや姫騎士団のみんなよりも強い魔族よ。
そしてお兄と同じ近接戦、だったら地面に全力でドカン!してるの!?」
「うーん…ヴィシルは闇属性の魔族だからなあ。
光属性の俺とは相性的に考えて、
想定を超えた深刻なダメージを与える危険性がある。
俺と戦闘力が拮抗するディラムなら問題無いが、
ヴィシルとはかなりの差がある。
そんな俺と彼女と全力で稽古するのはリスクが高すぎてちょっとなあ…。
よって地面に全力でドカン!ということにはならないな」
「な、何よそれ!
何かと言い訳して…
結局お兄は誰とも地面に全力でドカン!してないじゃないっ!
何であたしにだけ地面に全力でドカン!してるのよ!
何であたしにだけそんなに厳しくしているのよ!
…もっとあたしに優しくしてよ!
お兄い!!」
優羽花は俺に向かって絶叫した。
そして…その頬から一筋の涙が流れ落ちた。
俺は自分の妹たちには分け隔てなく、
優しく接しているつもりだぞ?
お前だけ厳しくしているなんてことは無い」
「嘘つきなさいよ!
さっきのあたしみたいに地面に全力に叩きつけてドカンとか!
そんな容赦ない対応をあたし以外の相手にしている所なんて
見たこと無いんですけど!!」
「優羽花…
俺は戦いの厳しさを教えると言ったぞ?
地面に全力に叩きつけられてドカン!も
強敵が相手なら普通の出来事だ。
兄さんはそれを身をもって示してだなあ…」
「あたしが言いたいのはそういうことじゃあない!
だったら聞くけど!
お兄はポーラさんやミリィさん相手の稽古で、
地面に全力に叩きつけてドカン!とかしてるの!?」
「ポーラ姫やミリィは王女や公爵、
この聖王国の公人であり国の顔でもある。
よって外見も大切だ。
顔や体を必要以上に傷つけない為に、
ある程度は加減する必要はあるだろう。
そもそも二人は遠距離戦主体の魔法使いだからな、
近接戦主体の俺とは戦い方も相性も違う。
だから地面に叩きつけてドカン!なんて流れにはならないさ」
「…だ、だったら!
同じ近接戦主体の姫騎士団のみんなが相手だったらどうなのよ!
地面に全力でドカンしてるの!?」
「残念だが、俺と姫騎士団では
戦闘力数値が大きく離れすぎている。
地面に全力でドカン!なんてしようものなら、
彼女たちの今の強さでは只では済まないだろう。
だから今は加減する必要があるから…
地面に全力でドカン!ということにはならないな」
「そ、ぞれじゃあ!
ヴィシルはどうなのよ!
彼女はポーラさんや姫騎士団のみんなよりも強い魔族よ。
そしてお兄と同じ近接戦、だったら地面に全力でドカン!してるの!?」
「うーん…ヴィシルは闇属性の魔族だからなあ。
光属性の俺とは相性的に考えて、
想定を超えた深刻なダメージを与える危険性がある。
俺と戦闘力が拮抗するディラムなら問題無いが、
ヴィシルとはかなりの差がある。
そんな俺と彼女と全力で稽古するのはリスクが高すぎてちょっとなあ…。
よって地面に全力でドカン!ということにはならないな」
「な、何よそれ!
何かと言い訳して…
結局お兄は誰とも地面に全力でドカン!してないじゃないっ!
何であたしにだけ地面に全力でドカン!してるのよ!
何であたしにだけそんなに厳しくしているのよ!
…もっとあたしに優しくしてよ!
お兄い!!」
優羽花は俺に向かって絶叫した。
そして…その頬から一筋の涙が流れ落ちた。
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