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530話 成せる技
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「魔力数値6500…凄い数値だ…。
これがまさに…相手の強さに合わせて力を増すという、
光の勇者の能力の成せる技ということだなあ…」
俺は自分に掛けている見通しの眼鏡に映し出された、
優羽花が発揮している凄まじい魔力数値に対して
素直な驚きの言葉を口にした。
「うわあ…
あたし、何だか身体全体からビカビカ光ってるんだけど…
ど、どうしよう、お兄?」
対して優羽花自身は、
少々間が抜けた感じの様子である。
我がツンデレ妹は戦闘態勢でも無い状態から、
咄嗟の俺とディラムの全力解放に引っ張られて
一気に魔力数値6500まで上昇したので、
自分の魔力の変化に、
まだ感覚が追い付いていないということだろうか?
「どうしようも何も…
優羽花の光の勇者としての身体は
俺とディラムに反応したって事さ!
それじゃあ行くぞ、優羽花っ!」
「参る!」
俺は気と魔力を全開にした状態で、
我が妹に向かって音速で跳んだ。
ディラムも俺の後に続いた。
********
「遠くからでも聞こえる、この大音響…
もうケイガ兄君様とディラム殿の組手稽古は
始まっているみたいだね!
姫騎士団の稽古場はボクの結界魔法で強化しているから、
まず壊れないとは思うけど…」
「ミリィお姉様、あれを見て下さいませ!
ケイガお兄様とディラム様、優羽花が戦い合っておりますの!」
「ええっ、つまり…
ユウカも交える組手稽古に鞍替えしたってことなのかい兄君様!?」
姫騎士団の稽古場にやって来た
ポーラ姫とミリィは俺達の様子を見て驚きの言葉を口にした。
「うおおおー!」
「はっ!」
俺とディラムは二人がかりで優羽花を攻撃する。
音速の拳撃と音速の剣撃が彼女に襲い掛かるが、
優羽花が握る星剣イクシオンはそれ以上の速度で動き、
俺達の攻撃の悉くを防いで見せる。
「やああー!」
優羽花は星剣をかざした。
その刀身から光の波動が撃ち出される。
速い!
俺とディラムは躱すことすら敵わずに、
防御姿勢を取ってこれを受け止めた。
凄まじい衝撃が身体を撃ち付ける。
気を抜くとこのまま、
意識を持っていかれそうである。
予想通り…
二人がかりで数で有利な筈の俺達のほうが、
完全に優羽花に押されている。
彼女の方が俺達二人の合わせた力より上なのだから
当然の出来事といえばそうなのだが。
流石は大魔王に唯一対抗できるという、
光の勇者、優羽花であろう。
俺は我が妹の強さを身を持って感じ取った。
これがまさに…相手の強さに合わせて力を増すという、
光の勇者の能力の成せる技ということだなあ…」
俺は自分に掛けている見通しの眼鏡に映し出された、
優羽花が発揮している凄まじい魔力数値に対して
素直な驚きの言葉を口にした。
「うわあ…
あたし、何だか身体全体からビカビカ光ってるんだけど…
ど、どうしよう、お兄?」
対して優羽花自身は、
少々間が抜けた感じの様子である。
我がツンデレ妹は戦闘態勢でも無い状態から、
咄嗟の俺とディラムの全力解放に引っ張られて
一気に魔力数値6500まで上昇したので、
自分の魔力の変化に、
まだ感覚が追い付いていないということだろうか?
「どうしようも何も…
優羽花の光の勇者としての身体は
俺とディラムに反応したって事さ!
それじゃあ行くぞ、優羽花っ!」
「参る!」
俺は気と魔力を全開にした状態で、
我が妹に向かって音速で跳んだ。
ディラムも俺の後に続いた。
********
「遠くからでも聞こえる、この大音響…
もうケイガ兄君様とディラム殿の組手稽古は
始まっているみたいだね!
姫騎士団の稽古場はボクの結界魔法で強化しているから、
まず壊れないとは思うけど…」
「ミリィお姉様、あれを見て下さいませ!
ケイガお兄様とディラム様、優羽花が戦い合っておりますの!」
「ええっ、つまり…
ユウカも交える組手稽古に鞍替えしたってことなのかい兄君様!?」
姫騎士団の稽古場にやって来た
ポーラ姫とミリィは俺達の様子を見て驚きの言葉を口にした。
「うおおおー!」
「はっ!」
俺とディラムは二人がかりで優羽花を攻撃する。
音速の拳撃と音速の剣撃が彼女に襲い掛かるが、
優羽花が握る星剣イクシオンはそれ以上の速度で動き、
俺達の攻撃の悉くを防いで見せる。
「やああー!」
優羽花は星剣をかざした。
その刀身から光の波動が撃ち出される。
速い!
俺とディラムは躱すことすら敵わずに、
防御姿勢を取ってこれを受け止めた。
凄まじい衝撃が身体を撃ち付ける。
気を抜くとこのまま、
意識を持っていかれそうである。
予想通り…
二人がかりで数で有利な筈の俺達のほうが、
完全に優羽花に押されている。
彼女の方が俺達二人の合わせた力より上なのだから
当然の出来事といえばそうなのだが。
流石は大魔王に唯一対抗できるという、
光の勇者、優羽花であろう。
俺は我が妹の強さを身を持って感じ取った。
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