529 / 556
529話 最善の修業方法
しおりを挟む
「あのう…
お兄…?
優しくは言ってはいるけど…
様はお兄たち男二人で、
あたしにケンカを仕掛けるってことなんじゃ…?」
「ケンカって…
人聞きが悪いぞ優羽花。
これは組手稽古って言ってなあ。
効果的に強くなる為の修業方法であって…」
「そういう事は聞いちゃいない!
お兄が何だか優しい感じで言うから、
もっとこう…
穏便な方法で、
あたしの不安が解消されると思ったのよ!
それなのに…
あたしとお兄たちとでケンカって!?
もの凄く乱暴ごとじゃないのよ!!」
「乱暴ごとってお前…
じゃあ聞くけどなあ優羽花?
この異世界エゾン・レイギスに来てからというもの、
俺たちはずっと戦い…
すなわち乱暴ごとばかりだっただろう?
このセカイは俺達が元居た日本とは違う。
常に戦いに溢れた、
死が隣り合わせの危険なセカイなんだ。
そんなセカイでお前の言う不安を払拭する何て方法は、
自分自身が相手よりも強くなるしかないんじゃないのか?
そして短期間で強くなる為に穏便な方法なんて存在しない。
乱暴ごと、すなわち戦い合うことでしか有り得ないんだぞ!」
「な、何よう!
まるで逆ギレじゃないのよ!
男二人で、か弱い女の子ひとりにケンカなんて…
恥ずかしいとか思わないの!」
「ああ…それは大丈夫だ、優羽花」
「何がよ!」
「さっき俺が言った通りだよ、
光の勇者である優羽花は相手の強さに合わせて自分も強くなる。
俺とディラム、二人合わせて戦闘力数値6000。
優羽花はそれ以上に強くなる、
魔力数値6000以上は確実だ。
それは…か弱い女の子とはとても言い難い存在だぞ?
そしてどちらかと言えば俺たちのほうが危険だな。
大魔王の時を思い出すに、
優羽花に俺達は逆に追い詰められる事になるんじゃ無いかな?」
「だがそれも止む無しと言う事だなケイガ?」
「そうだ、俺たちには時間が余り無い。
次に魔竜将と再会した時…戦いを断る術は無いだろう。
その時迄に少なくとも、俺は今の倍は強くならなければならない。
そして優羽花も心積もりが必要だ。
その全てを短い時間でこなす為にも、
優羽花と俺とディラムで組手稽古は最善の修業方法という事だ。
そういう訳だから…いくぞ優羽花!」
俺は魔力と気を全開放した。
「光の勇者ユウカよ、魔騎士ディラム…参る!」
続いてディラムも全魔力を解放した。
「ちょっ…
ふたりともいきなり…
きゃっ…何の光っ!?」
俺達の全力解放に呼応するかのように、
優羽花の光の魔力が増大した。
我が妹は凄まじい勢いの光の柱に包まれた。
お兄…?
優しくは言ってはいるけど…
様はお兄たち男二人で、
あたしにケンカを仕掛けるってことなんじゃ…?」
「ケンカって…
人聞きが悪いぞ優羽花。
これは組手稽古って言ってなあ。
効果的に強くなる為の修業方法であって…」
「そういう事は聞いちゃいない!
お兄が何だか優しい感じで言うから、
もっとこう…
穏便な方法で、
あたしの不安が解消されると思ったのよ!
それなのに…
あたしとお兄たちとでケンカって!?
もの凄く乱暴ごとじゃないのよ!!」
「乱暴ごとってお前…
じゃあ聞くけどなあ優羽花?
この異世界エゾン・レイギスに来てからというもの、
俺たちはずっと戦い…
すなわち乱暴ごとばかりだっただろう?
このセカイは俺達が元居た日本とは違う。
常に戦いに溢れた、
死が隣り合わせの危険なセカイなんだ。
そんなセカイでお前の言う不安を払拭する何て方法は、
自分自身が相手よりも強くなるしかないんじゃないのか?
そして短期間で強くなる為に穏便な方法なんて存在しない。
乱暴ごと、すなわち戦い合うことでしか有り得ないんだぞ!」
「な、何よう!
まるで逆ギレじゃないのよ!
男二人で、か弱い女の子ひとりにケンカなんて…
恥ずかしいとか思わないの!」
「ああ…それは大丈夫だ、優羽花」
「何がよ!」
「さっき俺が言った通りだよ、
光の勇者である優羽花は相手の強さに合わせて自分も強くなる。
俺とディラム、二人合わせて戦闘力数値6000。
優羽花はそれ以上に強くなる、
魔力数値6000以上は確実だ。
それは…か弱い女の子とはとても言い難い存在だぞ?
そしてどちらかと言えば俺たちのほうが危険だな。
大魔王の時を思い出すに、
優羽花に俺達は逆に追い詰められる事になるんじゃ無いかな?」
「だがそれも止む無しと言う事だなケイガ?」
「そうだ、俺たちには時間が余り無い。
次に魔竜将と再会した時…戦いを断る術は無いだろう。
その時迄に少なくとも、俺は今の倍は強くならなければならない。
そして優羽花も心積もりが必要だ。
その全てを短い時間でこなす為にも、
優羽花と俺とディラムで組手稽古は最善の修業方法という事だ。
そういう訳だから…いくぞ優羽花!」
俺は魔力と気を全開放した。
「光の勇者ユウカよ、魔騎士ディラム…参る!」
続いてディラムも全魔力を解放した。
「ちょっ…
ふたりともいきなり…
きゃっ…何の光っ!?」
俺達の全力解放に呼応するかのように、
優羽花の光の魔力が増大した。
我が妹は凄まじい勢いの光の柱に包まれた。
0
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
【R18】スライムにマッサージされて絶頂しまくる女の話
白木 白亜
ファンタジー
突如として異世界転移した日本の大学生、タツシ。
世界にとって致命的な抜け穴を見つけ、召喚士としてあっけなく魔王を倒してしまう。
その後、一緒に旅をしたスライムと共に、マッサージ店を開くことにした。卑猥な目的で。
裏があるとも知れず、王都一番の人気になるマッサージ店「スライム・リフレ」。スライムを巧みに操って体のツボを押し、角質を取り、リフレッシュもできる。
だがそこは三度の飯よりも少女が絶頂している瞬間を見るのが大好きなタツシが経営する店。
そんな店では、膣に媚薬100%の粘液を注入され、美少女たちが「気持ちよくなって」いる!!!
感想大歓迎です!
※1グロは一切ありません。登場人物が圧倒的な不幸になることも(たぶん)ありません。今日も王都は平和です。異種姦というよりは、スライムは主人公の補助ツールとして扱われます。そっち方面を期待していた方はすみません。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?
みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。
なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。
身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。
一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。
……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ?
※他サイトでも掲載しています。
※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。
【R18】童貞のまま転生し悪魔になったけど、エロ女騎士を救ったら筆下ろしを手伝ってくれる契約をしてくれた。
飼猫タマ
ファンタジー
訳あって、冒険者をしている没落騎士の娘、アナ·アナシア。
ダンジョン探索中、フロアーボスの付き人悪魔Bに捕まり、恥辱を受けていた。
そんな折、そのダンジョンのフロアーボスである、残虐で鬼畜だと巷で噂の悪魔Aが復活してしまい、アナ·アナシアは死を覚悟する。
しかし、その悪魔は違う意味で悪魔らしくなかった。
自分の前世は人間だったと言い張り、自分は童貞で、SEXさせてくれたらアナ·アナシアを殺さないと言う。
アナ·アナシアは殺さない為に、童貞チェリーボーイの悪魔Aの筆下ろしをする契約をしたのだった!
【完結】貧乏令嬢の野草による領地改革
うみの渚
ファンタジー
八歳の時に木から落ちて頭を打った衝撃で、前世の記憶が蘇った主人公。
優しい家族に恵まれたが、家はとても貧乏だった。
家族のためにと、前世の記憶を頼りに寂れた領地を皆に支えられて徐々に発展させていく。
主人公は、魔法・知識チートは持っていません。
加筆修正しました。
お手に取って頂けたら嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる