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527話 無関係では無く

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 俺と魔族の騎士ディラムは、
 姫騎士団プリンセスナイツの稽古場で激しく激突した。
 そんな俺達に向かって不意に大きな声が掛けられた。

「ちょっとお兄!
帰って来て早々に誰にも顔を合わせずに、
そのまま男同士で稽古場に籠って修業開始とか!
ちょっと頭おかしいんじゃないの!?」

我がツンデレ妹・優羽花ゆうかの一声に、
その動きを制止させられる俺とディラム。

「頭おかしいってお前…?
確かにちょっと慌ただしかったかも知れないが、
こっちにも押しも押されぬ事情があるんだよ!」

「…そんなの知るかっ!
お兄はお兄だけの身体じゃ無いんだからね、

ポーラ姫もミリィさん、
お城で待っていたお兄の妹はみんな心配していたんだから…
ちゃんと顔見せなさいよね!」

「つまり…お前も心配していたってことか?」

「ば、ばかっ…
あ、あたしはお兄の心配なんて…
って、いちいち言葉にするなあ!
このデリカシー無しの馬鹿お兄ー!」

 優羽花ゆうかは顔を真っ赤にして怒鳴った。
 どうやら図星だった様である。

「そうだな…
確かにポーラ姫とミリィに、
ちょっとでも顔を見せるべきだったかもなあ…
もちろんお前にも。
ごめんな優羽花ゆうか、心配かけて」

俺は素直に自分の非を認めて頭を下げた。

「…なっ…
そ、そう!
わかれば、わかれば良いんだからね!」

 俺がすぐに謝ったことに意表を突かれたのか、
 優羽花ゆうかも怒りの矛を収めてくれた。
 ふむこれは…ナイスツンデレだぞ優羽花ゆうか
 実際に言おうものなら確実に怒られるだろうから、
 決して口にはしないけどな。

「…大体、その押しも押されぬ事情って何よ?」

「それはなあ…」

 俺は優羽花ゆうか
 急いで強くならなければならない理由を説明した。

「ふうん、
つまりその魔竜将っていう魔族の偉い人と
お兄は戦わないといけなくなった訳なんだ。
まあ…大変みたいだけど頑張ってよね、お兄!」

「いや…優羽花ゆうかも全く関係ない話だと俺は思うんだが?」

「え?」

「なあディラムもそう思わないか?」

「確かに」

「…え?え?」

「わかりやすく説明するとだな。
魔竜将ガルヴァーヴはこの異世界エゾン・レイギスで、
希少レアな気を使う存在である俺と戦いがっていた訳だろう?
その理由でなら…
このエゾン・レイギスで長らく存在を現さなかった
極希少ごくレアな存在である光の勇者の優羽花ゆうかとも…
戦いたがるんじゃ無いかということだ」

「えっ、ええええええーーー!?」

 優羽花ゆうかは驚きの余り絶叫した。

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