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520話 亡命先
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魔界五軍将である
魔竜将ガルヴァーヴと魔導将アポクリファル。
ふたりの会話は俺にとっては
まるで雲の上でしている様に感じた。
やはり高位魔族ともあなれば物事の物差しが
俺達人間とは違うという事だろうか?
自分達とは他種族である人間を
自分達魔族が強くなるためにあえて強くする、
そしてそれを歓迎する感性などは
人間では考えにくい思考では無いだろうか?
まあ今此処ではっきりと解っている事は、
黒川部長一派の戦力が大きく強化されたという事である。
そして魔力数値を増減できる魔道具を
魔導将アポクリファルから受け取った商人バイアンも
俺達聖王国から無事逃げおおせたと成れば…
アポクリファルの意図する通りに
今後魔道具が量産される可能性が高い。
これからの黒川一派、
そして彼女たちの支援者であるバイアンとの戦いは
今迄よりも更に厳しいものになるだろうと俺は感じた。
「だけどシノブさん、
黒川部長と商人バイアンはこれから一体どこへ逃げるんだろうか?
黒川たちはエクスラント聖王国内で
既に重犯罪者として指名手配されている。
バイアンも今回の件で今度こそ、
反逆罪として指名手配されてしまった。
支援者も手配されてしまっては、
流石に聖王国内にこのまま居るという訳にはいかないだろう?」
「ケイガ兄様、
バイアンは商会の代表であり
聖王国以外の国々にもパイプを持つ大商人です。
故に他国へと逃れることは必然の流れでしょう。
先ほど魔導将アポクリファル殿が述べた
魔力を操作する魔道具があれば
どんな国であっても彼等を受け入れてくれると私は思います」
「そういうことになるか…。
確か、聖王国の周辺国って
こちらをあまり良くは思ってはいないんだよね?」
「ええそうです。
隙あれば私達聖王国へつけ入り、
攻め込もうとさえするでしょう。
更に魔道具の技術も手に入るとしたら、
喜んでクロカワ達とバイアンを
受け入れるのでは無いかと思います」
「そっか…
つまり他国に働きかけて黒川部長とバイアンを
こちらに引き渡して貰うことは
到底不可能だという事だなあ…」
「はいケイガ兄様、
誠に残念ながら…」
「聖王国以外でバイアンが特に懇意にしていた他国が
何処かとかはわからないかな?
流石に様々な国とパイプを持つ大商人だって
一番付き合いやすい国を亡命先に選ぶだろうしなあ」
「そうですね…それは聖王都に戻って、
商会に参加していた商人たちに聞けばわかるかもしれませんね」
魔竜将ガルヴァーヴと魔導将アポクリファル。
ふたりの会話は俺にとっては
まるで雲の上でしている様に感じた。
やはり高位魔族ともあなれば物事の物差しが
俺達人間とは違うという事だろうか?
自分達とは他種族である人間を
自分達魔族が強くなるためにあえて強くする、
そしてそれを歓迎する感性などは
人間では考えにくい思考では無いだろうか?
まあ今此処ではっきりと解っている事は、
黒川部長一派の戦力が大きく強化されたという事である。
そして魔力数値を増減できる魔道具を
魔導将アポクリファルから受け取った商人バイアンも
俺達聖王国から無事逃げおおせたと成れば…
アポクリファルの意図する通りに
今後魔道具が量産される可能性が高い。
これからの黒川一派、
そして彼女たちの支援者であるバイアンとの戦いは
今迄よりも更に厳しいものになるだろうと俺は感じた。
「だけどシノブさん、
黒川部長と商人バイアンはこれから一体どこへ逃げるんだろうか?
黒川たちはエクスラント聖王国内で
既に重犯罪者として指名手配されている。
バイアンも今回の件で今度こそ、
反逆罪として指名手配されてしまった。
支援者も手配されてしまっては、
流石に聖王国内にこのまま居るという訳にはいかないだろう?」
「ケイガ兄様、
バイアンは商会の代表であり
聖王国以外の国々にもパイプを持つ大商人です。
故に他国へと逃れることは必然の流れでしょう。
先ほど魔導将アポクリファル殿が述べた
魔力を操作する魔道具があれば
どんな国であっても彼等を受け入れてくれると私は思います」
「そういうことになるか…。
確か、聖王国の周辺国って
こちらをあまり良くは思ってはいないんだよね?」
「ええそうです。
隙あれば私達聖王国へつけ入り、
攻め込もうとさえするでしょう。
更に魔道具の技術も手に入るとしたら、
喜んでクロカワ達とバイアンを
受け入れるのでは無いかと思います」
「そっか…
つまり他国に働きかけて黒川部長とバイアンを
こちらに引き渡して貰うことは
到底不可能だという事だなあ…」
「はいケイガ兄様、
誠に残念ながら…」
「聖王国以外でバイアンが特に懇意にしていた他国が
何処かとかはわからないかな?
流石に様々な国とパイプを持つ大商人だって
一番付き合いやすい国を亡命先に選ぶだろうしなあ」
「そうですね…それは聖王都に戻って、
商会に参加していた商人たちに聞けばわかるかもしれませんね」
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