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518話 魔力ゼロのカラクリ
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「ケイガ兄様、
シノブ団長から伝令魔法で連絡ですわ。
姫騎士団全員、
こちらに一端合流するとのことですわよ!」
「わかったよイロハ。
でもこのままだと
此処には見知らぬ魔族が顔を揃えていて
驚いてしまうだろうから、
その事を一通り伝えておいてくれないか?」
「了解ですわケイガ兄様」
イロハはこの場に魔竜将ガルヴァーヴ、
魔導将アポクリファル、
魔竜リュシウムという
シノブさん達はまだ未見の魔族が
一堂に会している事を伝令魔法で伝えた。
そして、幾ばくかの時間を置いて…
まずイチョウとクレハが
その手に貴族ゴルザベスを拿捕してやって来た。
続いてカエデとモミジが
教会長クリストを拿捕してやって来た。
ゴルザベスの配下の兵団と
クリストの配下の教会騎士団については、
後詰めの聖王国守備隊に任せて、
ゴルザベスとクリストは姫騎士団が
先に聖王都へと高速飛行魔法で連行する手筈とのことである。
そして最後にシノブさんとシダレが現れた。
しかし彼女たちの手には、
拿捕している筈の商人バイアンの姿は何処にも無かった。
「えっ、シノブさん!
黒川課長もとい部長が突然現れて
商人バイアンを連れ去ったのか!?」
黒川部長率いる黒川一派は、
40人全員が魔力数値100以上の異世界・地球人である。
一般人の魔力数値が5のこの世界
エゾン・レイギスでは一大勢力。
幾らポーラ姫の剣であり盾である
精鋭の姫騎士団でも、
たったふたりではその対処は
難しかったと言わざるを得ないだろう。
しかしシノブさんから詳しく話を聞くと、
見通しの眼鏡に黒川一派の魔力数値が
反応しなかったという
不思議な現象が起きていたことが、
二人が危機に陥った最大の要因であることが解かった。
魔力と言うものはコントロールが難しく、
魔力を扱う事自体が不得手の種族である人間に取って
魔力数値を自在にコントロールすることは困難を極める。
ましてや完全にゼロにすることは
不可能であるとされている。
だがシノブさんの話が本当なら、
黒川一派はその全員が
魔力数値をゼロにする術を身に着けており、
シノブさんとシダレの隙を突いて
不意打ちを仕掛けたという事になる。
「黒川一派は確かに
持っている魔力はこ人間として群を抜いてはいるが、
元々地球人であり魔力の操作に慣れているわけが無い。
特に魔力の高かった黒川部長ならともかく…
40人全員が魔力の数値の操作が出来て、
しかもゼロに出来るなんて芸当どうやって…?」
「ふむ…
それは儂があの商人にくれてやった、
魔道具の力のせいじゃろうなあ」
俺たちの会話を聞いていた
魔導将アポクリファルが淡々と答えた。
シノブ団長から伝令魔法で連絡ですわ。
姫騎士団全員、
こちらに一端合流するとのことですわよ!」
「わかったよイロハ。
でもこのままだと
此処には見知らぬ魔族が顔を揃えていて
驚いてしまうだろうから、
その事を一通り伝えておいてくれないか?」
「了解ですわケイガ兄様」
イロハはこの場に魔竜将ガルヴァーヴ、
魔導将アポクリファル、
魔竜リュシウムという
シノブさん達はまだ未見の魔族が
一堂に会している事を伝令魔法で伝えた。
そして、幾ばくかの時間を置いて…
まずイチョウとクレハが
その手に貴族ゴルザベスを拿捕してやって来た。
続いてカエデとモミジが
教会長クリストを拿捕してやって来た。
ゴルザベスの配下の兵団と
クリストの配下の教会騎士団については、
後詰めの聖王国守備隊に任せて、
ゴルザベスとクリストは姫騎士団が
先に聖王都へと高速飛行魔法で連行する手筈とのことである。
そして最後にシノブさんとシダレが現れた。
しかし彼女たちの手には、
拿捕している筈の商人バイアンの姿は何処にも無かった。
「えっ、シノブさん!
黒川課長もとい部長が突然現れて
商人バイアンを連れ去ったのか!?」
黒川部長率いる黒川一派は、
40人全員が魔力数値100以上の異世界・地球人である。
一般人の魔力数値が5のこの世界
エゾン・レイギスでは一大勢力。
幾らポーラ姫の剣であり盾である
精鋭の姫騎士団でも、
たったふたりではその対処は
難しかったと言わざるを得ないだろう。
しかしシノブさんから詳しく話を聞くと、
見通しの眼鏡に黒川一派の魔力数値が
反応しなかったという
不思議な現象が起きていたことが、
二人が危機に陥った最大の要因であることが解かった。
魔力と言うものはコントロールが難しく、
魔力を扱う事自体が不得手の種族である人間に取って
魔力数値を自在にコントロールすることは困難を極める。
ましてや完全にゼロにすることは
不可能であるとされている。
だがシノブさんの話が本当なら、
黒川一派はその全員が
魔力数値をゼロにする術を身に着けており、
シノブさんとシダレの隙を突いて
不意打ちを仕掛けたという事になる。
「黒川一派は確かに
持っている魔力はこ人間として群を抜いてはいるが、
元々地球人であり魔力の操作に慣れているわけが無い。
特に魔力の高かった黒川部長ならともかく…
40人全員が魔力の数値の操作が出来て、
しかもゼロに出来るなんて芸当どうやって…?」
「ふむ…
それは儂があの商人にくれてやった、
魔道具の力のせいじゃろうなあ」
俺たちの会話を聞いていた
魔導将アポクリファルが淡々と答えた。
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