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517話 急速離脱
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「「高速飛翔!!」」
姫騎士団のシノブ団長とシダレは
二人で魔力を合わせて高速飛行魔法を行使した。
ふたりの女騎士の周りを魔力の光が包み込み、
まるでロケットの様に森の上空へと飛び上がった。
間一髪、『火球』の雨あられを
回避することに成功した。
高速飛行魔法高速飛翔は、
魔力数値が180以上と言う
高い魔力を持った者でしか使う事が出来ない。
姫騎士団は
個々では180には到達していないが、
二人がかりで行う合体魔法でなら
魔力180を超えて使う事が出来るのである。
「「「「「火球!!!!!」」」」」
だが息を突くかせる間もなく放たれた
次弾の火属性攻撃魔法の弾幕が、
高速飛翔して急速離脱していく
ふたりの女騎士に追いすがった。
「…全ては避け切れ無いですか?
ならば、二重盾!」
彼女は両手の手甲を二枚の盾に変形させて、
襲い来る火球の悉くを弾き散らした。
高速飛翔はそのまま加速を続け、
追撃してくる火球を遙かに凌ぐ速度で飛翔、
ふたりの女騎士は敵の攻撃範囲内からの離脱に成功した。
「すごいよ団長!
もの凄い攻撃魔法の雨あられだったけど、
シダレたち何とか逃げ切れたね!」
「ええシダレ…
私達は絶体絶命の窮地から
無事生き延びることが出来ました。
ですが…
商人バイアンを取り逃がしてしまいました。
そして姫様達の命を狙った
重犯罪人クロカワをこの目で射止めながら、
みすみす逃がしてしまうなど…。
ここは私が命を懸けて相打ちになってでも
あの者の首を取れば…」
「ダメだよ団長!」
シダレは両手で団長の顔を抑えると、
団長の言葉を否定した。
「シ、シダレ?」
「ポーラ姫様はいつもこう言っているじゃない?
『姫騎士団は
わたくしと聖王国の大切な剣であり盾。
ですが、わたくしと聖王国を護るために
命を落としてはなりませんよ。
あくまでも生き延びて…
わたくしと聖王国を護るのです!』
って」
「ふふっ…
そうでしたねシダレ。
姫騎士団の団長である私が
その事を失念しているとは…何という愚かな。
しかし改めて考えると、
私達の姫様は…
随分と酷なことを言いますね。
つまるところ、
姫様の身も、
聖王国も、
私達自身の命も、
全て護れと言うですから…」
「そうだね団長!
ポーラ姫様はすごく欲張りだよね!」
「ふふっ…まさに王族の横暴というものです」
「だけどそういう何一つ取りこぼさずに
全部を大切にする所が、
シダレたちも大好きだよね!」
「ええ…確かに。
それではこのまま私達は
ケイガ兄様の元へ合流しましょうか。
イチョウ達やカエデ達も其処へ向かっている筈です」
「りょうかい団長!」
ふたりの女騎士は
グリンジスの森の外れにある、
竜穴を目指して飛び去った。
姫騎士団のシノブ団長とシダレは
二人で魔力を合わせて高速飛行魔法を行使した。
ふたりの女騎士の周りを魔力の光が包み込み、
まるでロケットの様に森の上空へと飛び上がった。
間一髪、『火球』の雨あられを
回避することに成功した。
高速飛行魔法高速飛翔は、
魔力数値が180以上と言う
高い魔力を持った者でしか使う事が出来ない。
姫騎士団は
個々では180には到達していないが、
二人がかりで行う合体魔法でなら
魔力180を超えて使う事が出来るのである。
「「「「「火球!!!!!」」」」」
だが息を突くかせる間もなく放たれた
次弾の火属性攻撃魔法の弾幕が、
高速飛翔して急速離脱していく
ふたりの女騎士に追いすがった。
「…全ては避け切れ無いですか?
ならば、二重盾!」
彼女は両手の手甲を二枚の盾に変形させて、
襲い来る火球の悉くを弾き散らした。
高速飛翔はそのまま加速を続け、
追撃してくる火球を遙かに凌ぐ速度で飛翔、
ふたりの女騎士は敵の攻撃範囲内からの離脱に成功した。
「すごいよ団長!
もの凄い攻撃魔法の雨あられだったけど、
シダレたち何とか逃げ切れたね!」
「ええシダレ…
私達は絶体絶命の窮地から
無事生き延びることが出来ました。
ですが…
商人バイアンを取り逃がしてしまいました。
そして姫様達の命を狙った
重犯罪人クロカワをこの目で射止めながら、
みすみす逃がしてしまうなど…。
ここは私が命を懸けて相打ちになってでも
あの者の首を取れば…」
「ダメだよ団長!」
シダレは両手で団長の顔を抑えると、
団長の言葉を否定した。
「シ、シダレ?」
「ポーラ姫様はいつもこう言っているじゃない?
『姫騎士団は
わたくしと聖王国の大切な剣であり盾。
ですが、わたくしと聖王国を護るために
命を落としてはなりませんよ。
あくまでも生き延びて…
わたくしと聖王国を護るのです!』
って」
「ふふっ…
そうでしたねシダレ。
姫騎士団の団長である私が
その事を失念しているとは…何という愚かな。
しかし改めて考えると、
私達の姫様は…
随分と酷なことを言いますね。
つまるところ、
姫様の身も、
聖王国も、
私達自身の命も、
全て護れと言うですから…」
「そうだね団長!
ポーラ姫様はすごく欲張りだよね!」
「ふふっ…まさに王族の横暴というものです」
「だけどそういう何一つ取りこぼさずに
全部を大切にする所が、
シダレたちも大好きだよね!」
「ええ…確かに。
それではこのまま私達は
ケイガ兄様の元へ合流しましょうか。
イチョウ達やカエデ達も其処へ向かっている筈です」
「りょうかい団長!」
ふたりの女騎士は
グリンジスの森の外れにある、
竜穴を目指して飛び去った。
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