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516話 反応しない魔力
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シノブは間一髪その場から飛び退いて、
火球の一撃を躱し切った。
先ほどまで彼女が居た場所に火球が着弾して大爆発を引き起こす。
「フフッ…今のは完全に不意を突けたと思ったのだけれど。
流石は姫騎士団の団長さんね」
「…クロカワ!
何故お前が此処に居るのです!?」
鳴鐘 慧河よりも前に
この異世界エゾン・レイギスに召喚された地球人、黒川。
彼女はとある会社の部長であり、
その大勢の部下ごとエゾン・レイギスに召喚された。
しかし野心に溢れる彼女はこの異世界の覇権を握るべく、
聖王国を裏切って出奔。
そして聖王国の王女ポーラ姫を暗殺すべく再度その姿を現すが、
鳴鐘 慧河・優羽花兄妹の活躍で撃退されて
再び行方をくらませていた筈だった。
「何故って…
私は大切なスポンサー様から
救援の依頼を受けたから、
仕事で来ただけの事よ?
「団長!」
「シダレ、気を付けなさい。
このクロカワは以前よりも腕を上げています。
魔力数値260…今の私達よりも高い魔力数値です」
「うんわかったよ団長!」
「しかしこれほどの近距離でも、
クロカワが攻撃魔法を放つまで
見通しの眼鏡に
全く反応しなかったのは気になる処ですね…」
シノブとシダレは剣を構える。
「炎熱閃!」
黒川の両手のひらから超高熱の閃光が放たれた。
ふたりの女騎士は真横に跳んで躱す!
しかし直撃こそ避けたものの、
閃光の余波がシノブ団長を襲う。
「盾!」
彼女は右手の手甲を盾に変形させて高熱を防いだ。
「これは火球よりも
強力な火属性攻撃魔法!?
クロカワめ…いつの間にこれ程の魔術を!」
「やあっー!」
だが強力な魔法を放ったあとの黒川は隙だらけ、
そこへシダレが姫騎士団で一、二位を争う脚力で肉薄した。
「火球!」
だが突如、茂みの奥から放たれた火属性魔法がシダレを襲う!
「…うああっ!?
今のは危なかったよ!」
シダレは咄嗟に身を丸めて間一髪、
襲い来る火球を躱し切った。
「この距離で僕の攻撃魔法を躱すとは…
うっとおしい、はしっこさだねェ…」
茂みの奥から神経質そうな中年の男が現れて、
苦々しく言葉をつぶやいた。
「あの男は確か…
クロカワの部下の一人でササカワと言う者。
だが、彼の魔力数値も攻撃魔法を放つまで、
見通しの眼鏡に反応が無かった。
これは一体…??」
「お疲れ様です黒川部長。
我々の大切なスポンサーを無事に確保しました」
ひとりの若い男が黒川に駆け寄った。
その脇にはバイアンが抱えられていた。
「しまった!
私達への攻撃は全て、
バイアンを安全に確保するための陽動?」
「…中森主任、御苦労。
それじゃあ長居は無用…撤退よ」
「「「「「火球!!!!!」」」」」
森のあちこちから放たれた無数の火属性攻撃魔法が、
シノブとシダレのふたりの女騎士へと向かって殺到した。
火球の一撃を躱し切った。
先ほどまで彼女が居た場所に火球が着弾して大爆発を引き起こす。
「フフッ…今のは完全に不意を突けたと思ったのだけれど。
流石は姫騎士団の団長さんね」
「…クロカワ!
何故お前が此処に居るのです!?」
鳴鐘 慧河よりも前に
この異世界エゾン・レイギスに召喚された地球人、黒川。
彼女はとある会社の部長であり、
その大勢の部下ごとエゾン・レイギスに召喚された。
しかし野心に溢れる彼女はこの異世界の覇権を握るべく、
聖王国を裏切って出奔。
そして聖王国の王女ポーラ姫を暗殺すべく再度その姿を現すが、
鳴鐘 慧河・優羽花兄妹の活躍で撃退されて
再び行方をくらませていた筈だった。
「何故って…
私は大切なスポンサー様から
救援の依頼を受けたから、
仕事で来ただけの事よ?
「団長!」
「シダレ、気を付けなさい。
このクロカワは以前よりも腕を上げています。
魔力数値260…今の私達よりも高い魔力数値です」
「うんわかったよ団長!」
「しかしこれほどの近距離でも、
クロカワが攻撃魔法を放つまで
見通しの眼鏡に
全く反応しなかったのは気になる処ですね…」
シノブとシダレは剣を構える。
「炎熱閃!」
黒川の両手のひらから超高熱の閃光が放たれた。
ふたりの女騎士は真横に跳んで躱す!
しかし直撃こそ避けたものの、
閃光の余波がシノブ団長を襲う。
「盾!」
彼女は右手の手甲を盾に変形させて高熱を防いだ。
「これは火球よりも
強力な火属性攻撃魔法!?
クロカワめ…いつの間にこれ程の魔術を!」
「やあっー!」
だが強力な魔法を放ったあとの黒川は隙だらけ、
そこへシダレが姫騎士団で一、二位を争う脚力で肉薄した。
「火球!」
だが突如、茂みの奥から放たれた火属性魔法がシダレを襲う!
「…うああっ!?
今のは危なかったよ!」
シダレは咄嗟に身を丸めて間一髪、
襲い来る火球を躱し切った。
「この距離で僕の攻撃魔法を躱すとは…
うっとおしい、はしっこさだねェ…」
茂みの奥から神経質そうな中年の男が現れて、
苦々しく言葉をつぶやいた。
「あの男は確か…
クロカワの部下の一人でササカワと言う者。
だが、彼の魔力数値も攻撃魔法を放つまで、
見通しの眼鏡に反応が無かった。
これは一体…??」
「お疲れ様です黒川部長。
我々の大切なスポンサーを無事に確保しました」
ひとりの若い男が黒川に駆け寄った。
その脇にはバイアンが抱えられていた。
「しまった!
私達への攻撃は全て、
バイアンを安全に確保するための陽動?」
「…中森主任、御苦労。
それじゃあ長居は無用…撤退よ」
「「「「「火球!!!!!」」」」」
森のあちこちから放たれた無数の火属性攻撃魔法が、
シノブとシダレのふたりの女騎士へと向かって殺到した。
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