510 / 556
510話 魔竜軍の魔族
しおりを挟む
「くくく…オレが最も信頼する副官ディラムよ。
つまり今のナルガネ・ケイガが
このオレと手合わせするには
まだまだ力不足。
お前と鍛錬し今よりもっと力を付けるまで待てと…
そういう事だな?」
「はっ、偉大なる我が主ガルヴァーヴ様」
「ナルガネ・ケイガよ。
我が副官の言葉を汲んで、
貴様が今よりもっと力を付けた後に
改めて手合わせを誘うとしよう。
その時を楽しみにしているぞ!」
何だか魔竜将が俺と手合わせすることが、
未来の確定的な話になっているんですけど!?
この魔竜将ガルヴァーヴという男、
どうしても俺と戦いたいということである。
それ程に戦いが好きという事なのか?
それとも、このセカイでは”気”を扱う者が
俺の思っている以上に希少ということなのだろうか…?
仕方が無い。
俺も手合わせ中の事故なんかで死にたくは無い。
そうならない為にも、
今よりもずっと鍛え上げるしかないのだろうな…。
俺は更なる鍛錬の決意を新たにした。
「ガルヴァーヴ様ッ!」
突如、
巨大な竜が上空より舞い降りてきて
魔竜将の前にひれ伏した。
おそらくこの竜がこのグリンジスにすみ着いたという
魔族の竜なのだろう。
やはり魔竜軍に属する魔族だったのか。
「魔竜リュシウムよ、
よくぞ無事生き残った。
オレは先日同盟を結んだ聖王国に
魔導将アポクリファルが
向かったという情報を得た。
お前は魔導将に貸し与えたままだったからな。
戦いに巻き込まれて
命を落とされても敵わん。
そこでアポクリファルと聖王国の戦いを止めるために
取り急ぎ召喚契約を結んだディラムと共に
この地に急行したが、
どうやら間に合ってくれて何よりだ」
「オオ…我が真の主ガルヴァーヴ様ッ…
ワレなどの為に直々においで下さるとは
このリュシウム感謝に耐えませぬ…」
「なあに気にするな。
全ての魔竜はオレの可愛い眷属、
一匹とて無駄に殺されたくは無いだけの事よ」
なるほど…魔竜将ガルヴァーヴも
配下である魔族を大切にしているんだなと俺は思った。
やはり魔族は同胞の命を大切にしているのである。
「ケイガお兄様!」
「兄様!」
「…兄様!」
上空から浮遊魔法の光に包まれて、
金色の髪をなびかせて
白地に金色の装飾の煌びやかな甲冑と
マントを羽織った少年と
二人の女騎士が降下してきた。
「おお!
イクシア王子、イロハ、ツツジ、
みんな無事だったか」
「はい、ディラム殿が
僕とリュシウム殿の間に入って、
戦いを止めてくださいましたから」
イクシア王子と魔竜リュシウム。
この二人の魔力数値は相当なモノである。
それを互いに全くの無傷で
食い止めて見せたディラムは
流石と言うべきであろう。
力の数値的には同等の俺でも、
同じことが出来たかどうかは甚だ疑問である。
俺はディラムの実力の高さを改めて感じた。
つまり今のナルガネ・ケイガが
このオレと手合わせするには
まだまだ力不足。
お前と鍛錬し今よりもっと力を付けるまで待てと…
そういう事だな?」
「はっ、偉大なる我が主ガルヴァーヴ様」
「ナルガネ・ケイガよ。
我が副官の言葉を汲んで、
貴様が今よりもっと力を付けた後に
改めて手合わせを誘うとしよう。
その時を楽しみにしているぞ!」
何だか魔竜将が俺と手合わせすることが、
未来の確定的な話になっているんですけど!?
この魔竜将ガルヴァーヴという男、
どうしても俺と戦いたいということである。
それ程に戦いが好きという事なのか?
それとも、このセカイでは”気”を扱う者が
俺の思っている以上に希少ということなのだろうか…?
仕方が無い。
俺も手合わせ中の事故なんかで死にたくは無い。
そうならない為にも、
今よりもずっと鍛え上げるしかないのだろうな…。
俺は更なる鍛錬の決意を新たにした。
「ガルヴァーヴ様ッ!」
突如、
巨大な竜が上空より舞い降りてきて
魔竜将の前にひれ伏した。
おそらくこの竜がこのグリンジスにすみ着いたという
魔族の竜なのだろう。
やはり魔竜軍に属する魔族だったのか。
「魔竜リュシウムよ、
よくぞ無事生き残った。
オレは先日同盟を結んだ聖王国に
魔導将アポクリファルが
向かったという情報を得た。
お前は魔導将に貸し与えたままだったからな。
戦いに巻き込まれて
命を落とされても敵わん。
そこでアポクリファルと聖王国の戦いを止めるために
取り急ぎ召喚契約を結んだディラムと共に
この地に急行したが、
どうやら間に合ってくれて何よりだ」
「オオ…我が真の主ガルヴァーヴ様ッ…
ワレなどの為に直々においで下さるとは
このリュシウム感謝に耐えませぬ…」
「なあに気にするな。
全ての魔竜はオレの可愛い眷属、
一匹とて無駄に殺されたくは無いだけの事よ」
なるほど…魔竜将ガルヴァーヴも
配下である魔族を大切にしているんだなと俺は思った。
やはり魔族は同胞の命を大切にしているのである。
「ケイガお兄様!」
「兄様!」
「…兄様!」
上空から浮遊魔法の光に包まれて、
金色の髪をなびかせて
白地に金色の装飾の煌びやかな甲冑と
マントを羽織った少年と
二人の女騎士が降下してきた。
「おお!
イクシア王子、イロハ、ツツジ、
みんな無事だったか」
「はい、ディラム殿が
僕とリュシウム殿の間に入って、
戦いを止めてくださいましたから」
イクシア王子と魔竜リュシウム。
この二人の魔力数値は相当なモノである。
それを互いに全くの無傷で
食い止めて見せたディラムは
流石と言うべきであろう。
力の数値的には同等の俺でも、
同じことが出来たかどうかは甚だ疑問である。
俺はディラムの実力の高さを改めて感じた。
0
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
【R18】スライムにマッサージされて絶頂しまくる女の話
白木 白亜
ファンタジー
突如として異世界転移した日本の大学生、タツシ。
世界にとって致命的な抜け穴を見つけ、召喚士としてあっけなく魔王を倒してしまう。
その後、一緒に旅をしたスライムと共に、マッサージ店を開くことにした。卑猥な目的で。
裏があるとも知れず、王都一番の人気になるマッサージ店「スライム・リフレ」。スライムを巧みに操って体のツボを押し、角質を取り、リフレッシュもできる。
だがそこは三度の飯よりも少女が絶頂している瞬間を見るのが大好きなタツシが経営する店。
そんな店では、膣に媚薬100%の粘液を注入され、美少女たちが「気持ちよくなって」いる!!!
感想大歓迎です!
※1グロは一切ありません。登場人物が圧倒的な不幸になることも(たぶん)ありません。今日も王都は平和です。異種姦というよりは、スライムは主人公の補助ツールとして扱われます。そっち方面を期待していた方はすみません。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?
みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。
なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。
身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。
一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。
……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ?
※他サイトでも掲載しています。
※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。
【R18】童貞のまま転生し悪魔になったけど、エロ女騎士を救ったら筆下ろしを手伝ってくれる契約をしてくれた。
飼猫タマ
ファンタジー
訳あって、冒険者をしている没落騎士の娘、アナ·アナシア。
ダンジョン探索中、フロアーボスの付き人悪魔Bに捕まり、恥辱を受けていた。
そんな折、そのダンジョンのフロアーボスである、残虐で鬼畜だと巷で噂の悪魔Aが復活してしまい、アナ·アナシアは死を覚悟する。
しかし、その悪魔は違う意味で悪魔らしくなかった。
自分の前世は人間だったと言い張り、自分は童貞で、SEXさせてくれたらアナ·アナシアを殺さないと言う。
アナ·アナシアは殺さない為に、童貞チェリーボーイの悪魔Aの筆下ろしをする契約をしたのだった!
義妹がいればそれだけでいいのでしょう?
新野乃花(大舟)
恋愛
ソリッド伯爵はミラというれっきとした婚約者を持っておきながら、妹であるセレーナにばかり気をかけていた。そのセレーナも兄が自分の事を溺愛しているということをよくわかっているため、ことあるごとに被害者面をしてミラの事を悪者にし、自分を悲劇のヒロインであると演出していた。そんなある日の事、伯爵はセレーナさえいてくれればなんでもいいという考えから、ミラの事を一方的に婚約破棄してしまう…。それこそが自らを滅ぼす第一歩になるとも知らず…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる