507 / 556
507話 魔導将の望み
しおりを挟む
「くくく…魔導将アポクリファルよ。
つまりお前はその魔導実験とやらを続ける為だけに、
オレと手を組んで大魔王様に反逆するということか?」
「とやらとは何じゃ!
とやらとは!
儂にとって魔導の研究は
何よりも大事な事なんじゃよ!
実験は研究には必要不可欠!
お主から借り受けた
シュシウムのおかげもあって
儂の魔導研究は飛躍的に進んだんじゃ!
それを此処で止めてしまうなど…
重大な機会損失じゃよ!
そんな愚かな行為が
魔導学者である儂に
出来る訳無いじゃろう!
「お、おお…う…?」
今迄の飄々とした
余裕たっぷりな口調から打って変って、
激しく捲し立てる様な
早口言葉になった
魔導将アポクリファルに
押されてしまい…
思わず呆けた声で返事をする
魔竜将ガルヴァーヴ。
「とにかく…
魔竜将ガルヴァーヴよ。
お主の同盟の申し出、
この魔導将アポクリファルは了承したぞ。
まあ…
儂も死にたくはないんでのう。
大魔王様の逆鱗に触れない様に、
顔色を伺いながらの魔導の研究は
結構骨が折れて居たからのう?
大魔王様を倒した暁には、
自由自在に研究が出来るのは…
儂にも願ったり叶ったりじゃな。
本来、学者とは…
研究とは…
誰にも邪魔されず…
自由で…何というかのう…
救われてなきゃあ駄目なんじゃよ」
「そ、そうか…?」
アポクリファルが
大魔王様の顔色を伺いながら
魔導の研究をしていただなど初耳だ。
オレには狂魔導学者の名のままに、
好き勝手に研究をしていた様に見えたのだが…。
もしかしてアレで…
大魔王様に遠慮していたとでも言うのか…?
魔竜将ガルヴァーヴは
目の前の狂魔導学者の傍若無人振りに対して
半ば呆れの言葉を胸中で口にした。
「なら、早速その手を放してくれるかのう?
儂は研究で忙しいんじゃよ。
先ほど戦った人間の若人の
”気”の記録も早速まとめたいしのう」
「良かろう…
だが、手を離した瞬間に
空間移動魔法で逃げる何てことは…
するなよ?」
「そんな事わかっとるわい」
ガルヴァーヴは
その一万を超える絶大な魔力数値で持って、
洞窟全体を魔力の障壁で囲んで
空間移動魔法でも逃げられない様に
手を打ってはいた。
だがそれは杞憂だった様である。
アポクリファルは全く逃げる様子も無く、
手に出した分厚い書物に
凄い勢いで文字数字を書き始めた。
「まあアポクリファルについては
これで落着だな。
さて…次は」
魔竜将ガルヴァーヴは未だにその右拳を
鷲掴みにしたままの
異世界の人間の戦士、
鳴鐘 慧河へと視線を向けた。
つまりお前はその魔導実験とやらを続ける為だけに、
オレと手を組んで大魔王様に反逆するということか?」
「とやらとは何じゃ!
とやらとは!
儂にとって魔導の研究は
何よりも大事な事なんじゃよ!
実験は研究には必要不可欠!
お主から借り受けた
シュシウムのおかげもあって
儂の魔導研究は飛躍的に進んだんじゃ!
それを此処で止めてしまうなど…
重大な機会損失じゃよ!
そんな愚かな行為が
魔導学者である儂に
出来る訳無いじゃろう!
「お、おお…う…?」
今迄の飄々とした
余裕たっぷりな口調から打って変って、
激しく捲し立てる様な
早口言葉になった
魔導将アポクリファルに
押されてしまい…
思わず呆けた声で返事をする
魔竜将ガルヴァーヴ。
「とにかく…
魔竜将ガルヴァーヴよ。
お主の同盟の申し出、
この魔導将アポクリファルは了承したぞ。
まあ…
儂も死にたくはないんでのう。
大魔王様の逆鱗に触れない様に、
顔色を伺いながらの魔導の研究は
結構骨が折れて居たからのう?
大魔王様を倒した暁には、
自由自在に研究が出来るのは…
儂にも願ったり叶ったりじゃな。
本来、学者とは…
研究とは…
誰にも邪魔されず…
自由で…何というかのう…
救われてなきゃあ駄目なんじゃよ」
「そ、そうか…?」
アポクリファルが
大魔王様の顔色を伺いながら
魔導の研究をしていただなど初耳だ。
オレには狂魔導学者の名のままに、
好き勝手に研究をしていた様に見えたのだが…。
もしかしてアレで…
大魔王様に遠慮していたとでも言うのか…?
魔竜将ガルヴァーヴは
目の前の狂魔導学者の傍若無人振りに対して
半ば呆れの言葉を胸中で口にした。
「なら、早速その手を放してくれるかのう?
儂は研究で忙しいんじゃよ。
先ほど戦った人間の若人の
”気”の記録も早速まとめたいしのう」
「良かろう…
だが、手を離した瞬間に
空間移動魔法で逃げる何てことは…
するなよ?」
「そんな事わかっとるわい」
ガルヴァーヴは
その一万を超える絶大な魔力数値で持って、
洞窟全体を魔力の障壁で囲んで
空間移動魔法でも逃げられない様に
手を打ってはいた。
だがそれは杞憂だった様である。
アポクリファルは全く逃げる様子も無く、
手に出した分厚い書物に
凄い勢いで文字数字を書き始めた。
「まあアポクリファルについては
これで落着だな。
さて…次は」
魔竜将ガルヴァーヴは未だにその右拳を
鷲掴みにしたままの
異世界の人間の戦士、
鳴鐘 慧河へと視線を向けた。
0
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
【R18】スライムにマッサージされて絶頂しまくる女の話
白木 白亜
ファンタジー
突如として異世界転移した日本の大学生、タツシ。
世界にとって致命的な抜け穴を見つけ、召喚士としてあっけなく魔王を倒してしまう。
その後、一緒に旅をしたスライムと共に、マッサージ店を開くことにした。卑猥な目的で。
裏があるとも知れず、王都一番の人気になるマッサージ店「スライム・リフレ」。スライムを巧みに操って体のツボを押し、角質を取り、リフレッシュもできる。
だがそこは三度の飯よりも少女が絶頂している瞬間を見るのが大好きなタツシが経営する店。
そんな店では、膣に媚薬100%の粘液を注入され、美少女たちが「気持ちよくなって」いる!!!
感想大歓迎です!
※1グロは一切ありません。登場人物が圧倒的な不幸になることも(たぶん)ありません。今日も王都は平和です。異種姦というよりは、スライムは主人公の補助ツールとして扱われます。そっち方面を期待していた方はすみません。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?
みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。
なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。
身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。
一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。
……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ?
※他サイトでも掲載しています。
※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。
【R18】童貞のまま転生し悪魔になったけど、エロ女騎士を救ったら筆下ろしを手伝ってくれる契約をしてくれた。
飼猫タマ
ファンタジー
訳あって、冒険者をしている没落騎士の娘、アナ·アナシア。
ダンジョン探索中、フロアーボスの付き人悪魔Bに捕まり、恥辱を受けていた。
そんな折、そのダンジョンのフロアーボスである、残虐で鬼畜だと巷で噂の悪魔Aが復活してしまい、アナ·アナシアは死を覚悟する。
しかし、その悪魔は違う意味で悪魔らしくなかった。
自分の前世は人間だったと言い張り、自分は童貞で、SEXさせてくれたらアナ·アナシアを殺さないと言う。
アナ·アナシアは殺さない為に、童貞チェリーボーイの悪魔Aの筆下ろしをする契約をしたのだった!
最後に選ばれたのは、妹ではなく私でした
新野乃花(大舟)
恋愛
ある日、ミリアはドリス伯爵から婚約関係を結ばされる。しかしそこにあったのはミリアに対する愛情ではなく、ミリアの妹であるセシーナに対する愛情だった。伯爵はミリアの事をセシーナの身代わりとして婚約を企み、ミリアにはセシーナとして振舞うよう命令していた。二人の関係は後にドリスが婚約破棄を告げることで終わりを迎えることになるものの、その時セシーナの本性を知ったドリス伯爵は、ミリアを愛さなかった過去の自分の行いを後悔することとなり…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる