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507話 魔導将の望み
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「くくく…魔導将アポクリファルよ。
つまりお前はその魔導実験とやらを続ける為だけに、
オレと手を組んで大魔王様に反逆するということか?」
「とやらとは何じゃ!
とやらとは!
儂にとって魔導の研究は
何よりも大事な事なんじゃよ!
実験は研究には必要不可欠!
お主から借り受けた
シュシウムのおかげもあって
儂の魔導研究は飛躍的に進んだんじゃ!
それを此処で止めてしまうなど…
重大な機会損失じゃよ!
そんな愚かな行為が
魔導学者である儂に
出来る訳無いじゃろう!
「お、おお…う…?」
今迄の飄々とした
余裕たっぷりな口調から打って変って、
激しく捲し立てる様な
早口言葉になった
魔導将アポクリファルに
押されてしまい…
思わず呆けた声で返事をする
魔竜将ガルヴァーヴ。
「とにかく…
魔竜将ガルヴァーヴよ。
お主の同盟の申し出、
この魔導将アポクリファルは了承したぞ。
まあ…
儂も死にたくはないんでのう。
大魔王様の逆鱗に触れない様に、
顔色を伺いながらの魔導の研究は
結構骨が折れて居たからのう?
大魔王様を倒した暁には、
自由自在に研究が出来るのは…
儂にも願ったり叶ったりじゃな。
本来、学者とは…
研究とは…
誰にも邪魔されず…
自由で…何というかのう…
救われてなきゃあ駄目なんじゃよ」
「そ、そうか…?」
アポクリファルが
大魔王様の顔色を伺いながら
魔導の研究をしていただなど初耳だ。
オレには狂魔導学者の名のままに、
好き勝手に研究をしていた様に見えたのだが…。
もしかしてアレで…
大魔王様に遠慮していたとでも言うのか…?
魔竜将ガルヴァーヴは
目の前の狂魔導学者の傍若無人振りに対して
半ば呆れの言葉を胸中で口にした。
「なら、早速その手を放してくれるかのう?
儂は研究で忙しいんじゃよ。
先ほど戦った人間の若人の
”気”の記録も早速まとめたいしのう」
「良かろう…
だが、手を離した瞬間に
空間移動魔法で逃げる何てことは…
するなよ?」
「そんな事わかっとるわい」
ガルヴァーヴは
その一万を超える絶大な魔力数値で持って、
洞窟全体を魔力の障壁で囲んで
空間移動魔法でも逃げられない様に
手を打ってはいた。
だがそれは杞憂だった様である。
アポクリファルは全く逃げる様子も無く、
手に出した分厚い書物に
凄い勢いで文字数字を書き始めた。
「まあアポクリファルについては
これで落着だな。
さて…次は」
魔竜将ガルヴァーヴは未だにその右拳を
鷲掴みにしたままの
異世界の人間の戦士、
鳴鐘 慧河へと視線を向けた。
つまりお前はその魔導実験とやらを続ける為だけに、
オレと手を組んで大魔王様に反逆するということか?」
「とやらとは何じゃ!
とやらとは!
儂にとって魔導の研究は
何よりも大事な事なんじゃよ!
実験は研究には必要不可欠!
お主から借り受けた
シュシウムのおかげもあって
儂の魔導研究は飛躍的に進んだんじゃ!
それを此処で止めてしまうなど…
重大な機会損失じゃよ!
そんな愚かな行為が
魔導学者である儂に
出来る訳無いじゃろう!
「お、おお…う…?」
今迄の飄々とした
余裕たっぷりな口調から打って変って、
激しく捲し立てる様な
早口言葉になった
魔導将アポクリファルに
押されてしまい…
思わず呆けた声で返事をする
魔竜将ガルヴァーヴ。
「とにかく…
魔竜将ガルヴァーヴよ。
お主の同盟の申し出、
この魔導将アポクリファルは了承したぞ。
まあ…
儂も死にたくはないんでのう。
大魔王様の逆鱗に触れない様に、
顔色を伺いながらの魔導の研究は
結構骨が折れて居たからのう?
大魔王様を倒した暁には、
自由自在に研究が出来るのは…
儂にも願ったり叶ったりじゃな。
本来、学者とは…
研究とは…
誰にも邪魔されず…
自由で…何というかのう…
救われてなきゃあ駄目なんじゃよ」
「そ、そうか…?」
アポクリファルが
大魔王様の顔色を伺いながら
魔導の研究をしていただなど初耳だ。
オレには狂魔導学者の名のままに、
好き勝手に研究をしていた様に見えたのだが…。
もしかしてアレで…
大魔王様に遠慮していたとでも言うのか…?
魔竜将ガルヴァーヴは
目の前の狂魔導学者の傍若無人振りに対して
半ば呆れの言葉を胸中で口にした。
「なら、早速その手を放してくれるかのう?
儂は研究で忙しいんじゃよ。
先ほど戦った人間の若人の
”気”の記録も早速まとめたいしのう」
「良かろう…
だが、手を離した瞬間に
空間移動魔法で逃げる何てことは…
するなよ?」
「そんな事わかっとるわい」
ガルヴァーヴは
その一万を超える絶大な魔力数値で持って、
洞窟全体を魔力の障壁で囲んで
空間移動魔法でも逃げられない様に
手を打ってはいた。
だがそれは杞憂だった様である。
アポクリファルは全く逃げる様子も無く、
手に出した分厚い書物に
凄い勢いで文字数字を書き始めた。
「まあアポクリファルについては
これで落着だな。
さて…次は」
魔竜将ガルヴァーヴは未だにその右拳を
鷲掴みにしたままの
異世界の人間の戦士、
鳴鐘 慧河へと視線を向けた。
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