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505話 炎人
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雷状の気を纏った俺の右拳の正拳突きと、
アポクリファルが両手のひらから放った魔力の波動。
ふたつの異質なエネルギーが激しくぶつかり合って、
ばちばちばちと音を立てながら
激しく火花を散らす。
もう後には引けない。
俺の気とアポクリファルの魔力、
先に尽きた方が負ける。
俺が魔力の波動を
『雷迅』で突き破るのが先か、
アポクリファルが波動で俺を吹き飛ばすのが先か。
拮抗する俺とアポクリファルの間に
突如、炎が巻き起こった!
炎は渦巻き人の様な形となった。
そして伸びて来た”炎の腕”が、
俺とアポクリファルの手を鷲掴みにした。
「な、何っ!?」
「おお!?」
思わず驚きの言葉を上げる
俺とアポクリファル。
何という力だろうか…。
俺が渾身の力で放った『雷迅』の気も、
アポクリファルの魔力の波動も、
完全に勢いを止められて
その場に掻き消されてしまった。
「魔導将アポクリファル。
そして異世界の戦士ナルガネ・ケイガ。
お前達の戦いは…
このオレ、魔竜将ガルヴァーヴが一端預かろう」
人型の炎が霧散して、
その中から
武人を思わせる逞しい身体に
覇気みなぎる顔つきの益荒男が姿を現した。
「魔竜将…だって!?」
俺が掛けている
見通しの眼鏡が急反応する。
そして突如現れた魔竜将を名乗る男の
魔力数値が映し出される。
3000…4000…6000…8000…10000…
凄い勢いで魔力数値が上昇していく。
馬鹿な…
強大な魔力を持つ魔界五軍将は、
魔界と地上の間に張り巡らされた
魔力数値1000以上の存在を阻む
精霊たちの結界に阻まれて、
地上には出て来られ無いんじゃあ無かったのか?
かつての魔精将イルーラも、
先ほどまで拳を交えていた魔導将アポクリファルも、
自身の魔力を1000以下で抑えていた。
しかし目の前の
この男の魔力数値は…
1000を遙かに超えている。
これは一体…?
「魔竜将ガルヴァーヴ、
お、お主…
一体どんな術を使って此処に現れたんじゃ?
儂の魔力を容易く一蹴する
その凄まじい魔力。
魔力数値1000以下には全く抑えておらんじゃろう!」
「くくく…その理由は至極単純だな。
魔界一の狂魔導学者として名を馳せる
お前なら大体もう、
ある程度は気付きはしているのでは無いか?
オレが此処に現れたその瞬間の様子を思い出して見るがいい」
「…お主は、
炎の中から現れた様に見えたのう…。
つまり…
やはりこれは…
召喚魔法か?」
老魔族は目の前の益荒男にそう問い掛けた。
アポクリファルが両手のひらから放った魔力の波動。
ふたつの異質なエネルギーが激しくぶつかり合って、
ばちばちばちと音を立てながら
激しく火花を散らす。
もう後には引けない。
俺の気とアポクリファルの魔力、
先に尽きた方が負ける。
俺が魔力の波動を
『雷迅』で突き破るのが先か、
アポクリファルが波動で俺を吹き飛ばすのが先か。
拮抗する俺とアポクリファルの間に
突如、炎が巻き起こった!
炎は渦巻き人の様な形となった。
そして伸びて来た”炎の腕”が、
俺とアポクリファルの手を鷲掴みにした。
「な、何っ!?」
「おお!?」
思わず驚きの言葉を上げる
俺とアポクリファル。
何という力だろうか…。
俺が渾身の力で放った『雷迅』の気も、
アポクリファルの魔力の波動も、
完全に勢いを止められて
その場に掻き消されてしまった。
「魔導将アポクリファル。
そして異世界の戦士ナルガネ・ケイガ。
お前達の戦いは…
このオレ、魔竜将ガルヴァーヴが一端預かろう」
人型の炎が霧散して、
その中から
武人を思わせる逞しい身体に
覇気みなぎる顔つきの益荒男が姿を現した。
「魔竜将…だって!?」
俺が掛けている
見通しの眼鏡が急反応する。
そして突如現れた魔竜将を名乗る男の
魔力数値が映し出される。
3000…4000…6000…8000…10000…
凄い勢いで魔力数値が上昇していく。
馬鹿な…
強大な魔力を持つ魔界五軍将は、
魔界と地上の間に張り巡らされた
魔力数値1000以上の存在を阻む
精霊たちの結界に阻まれて、
地上には出て来られ無いんじゃあ無かったのか?
かつての魔精将イルーラも、
先ほどまで拳を交えていた魔導将アポクリファルも、
自身の魔力を1000以下で抑えていた。
しかし目の前の
この男の魔力数値は…
1000を遙かに超えている。
これは一体…?
「魔竜将ガルヴァーヴ、
お、お主…
一体どんな術を使って此処に現れたんじゃ?
儂の魔力を容易く一蹴する
その凄まじい魔力。
魔力数値1000以下には全く抑えておらんじゃろう!」
「くくく…その理由は至極単純だな。
魔界一の狂魔導学者として名を馳せる
お前なら大体もう、
ある程度は気付きはしているのでは無いか?
オレが此処に現れたその瞬間の様子を思い出して見るがいい」
「…お主は、
炎の中から現れた様に見えたのう…。
つまり…
やはりこれは…
召喚魔法か?」
老魔族は目の前の益荒男にそう問い掛けた。
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