上 下
496 / 556

496話 激突する魔竜と人間と

しおりを挟む
 竜穴ドラゴンホールの中央空間ホールを飛び抜けて、
 山頂に到着したリュシウムは
 巨大な翼をはためかせ着地する。

 続いて後を追ってきたイクシア王子も
 高速飛行魔法を解いて着地、
 巨大な魔竜と人間の王子は此処に対峙した。

「ここならば何の気兼ねも無く戦えよう。
さあ来るがいい人間の王子ッ!」

「全ての魔族は、僕が駆逐する!」

 イクシアは光の剣を構えると
地面を強く蹴り上げ魔竜へと飛び掛かった、

「ガアッ!」

 リュシウムは大きく口を開くと光線息ビームブレスを放った。
 イクシアは手にした光の剣を振り下ろし
 光線息ビームブレスを相殺しようとするが、
 魔竜のほうに分があり消し切れ無かった。
 その場を急ぎ離脱して、
 残った光線息ビームブレスから逃れた。

「これは…以前の攻撃とは比べ物にならない。
僕も全力を出し切らないと、
はあっ!」

 イクシアの声と共に身体に魔力の光がほとばしって、
 魔力値が大きく上昇した。

「ガアアッ!!」

 リュシウムの口内から
 魔力光弾が連続で発射される。
 魔力光の弾幕がイクシアに降り注いだ。

 イクシアは光の剣を振りかざして
 弾幕を撃墜しながら
 魔竜との距離を詰めようとするが…
 その足は重い。

「…弾幕の一撃一撃の攻撃が重すぎる…
このままでは…」

 動きが止まったイクシアを
 容赦なく捉える追撃の魔力弾。

魔力防壁マナウォール!」

 王子の頭上に突如出現した魔力の壁が
 リシュウムの攻撃を霧散させた。

脚駆素アシクス!」

 イクシアの脚力が急上昇する。
 彼はその場を高速で駆け抜けて
 弾幕の雨から離脱することに成功した。

「ありがとうイロハにツツジ。
今のは君たちが魔法で
援護してくれなかったら正直危なかったよ」

イクシア王子は自身に
防御魔法と身体能力強化魔法を掛けて援護してくれた
ふたりの姫騎士団プリンセスナイツに礼を述べた。

「別にお礼を言われる事はありませんわ!
それにあたくし達がイクシア様の
援護に来たのはケイガ兄様の指示ですわ。
お礼なら兄様に述べてくださいまし!」

「…ケイガ兄様は、イクシア殿下を心配してました」

「出会って早々に、
ケイガお兄様に心配を掛けてしまうとは…
まったく頼りない弟だね。
姫騎士団プリンセスナイツ
手間を掛けて済まないが僕の援護を引き続き頼むよ!」

「了解ですわ!」

「…了解です…」

「…そうだ人間共よ、それで良い。
持てる力の全てでかかって来るのだッ!
我等魔族と戦いもせずに軍門に下り、
進んで下僕に成り下がるなど有り得ない。
我等魔族と人間は戦いによって雌雄を決し、
勝ったものが地上の支配権を得れば良いのだ。
それこそが、
戦いを至上とする我が真のあるじ
魔竜将ガルヴァーヴ様の意思でもあるのだッ!
グオオオオオッーーー!!」

 魔族の竜と聖王国の王子と騎士たちは
 此処に激しく激突した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話

kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。 ※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。 ※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 異世界帰りのオッサン冒険者。 二見敬三。 彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。 彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。 彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。 そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。 S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。 オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~

雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。

日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊

北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。

異世界転生 我が主のために ~不幸から始まる絶対忠義~ 冒険・戦い・感動を織りなすファンタジー

紫電のチュウニー
ファンタジー
 第四部第一章 新大陸開始中。 開始中(初投稿作品)  転生前も、転生後も 俺は不幸だった。  生まれる前は弱視。  生まれ変わり後は盲目。  そんな人生をメルザは救ってくれた。  あいつのためならば 俺はどんなことでもしよう。  あいつの傍にずっといて、この生涯を捧げたい。  苦楽を共にする多くの仲間たち。自分たちだけの領域。  オリジナルの世界観で描く 感動ストーリーをお届けします。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

処理中です...