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491話 竜穴突入
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「…魔力数値950!?
何故…突然に、
これ程の高い魔力反応が??
これがもしかして…
この地に潜むという魔族の竜の魔力反応とでも!?」
イクシア王子は自身が掛けている
片眼鏡型の見通しの眼鏡に
突如映し出された魔力数値に驚きの声を上げた。
「魔力反応は、この洞窟の奥からか?」
王子は小山の麓にぽっかりと空いた洞窟を見やると、
その中へと足を踏み出そうとする。
だがそんな彼の前を、
ゴルザベスの配下の兵士たちが遮った。
「イクシア王子と言えども…
ここより先は通す訳には行きません。
我々は主であるゴルザベス様より、
誰も通すなと名命を受けているのです!」
「…君たちは我が聖王国の元大臣、
ゴルザベスの配下?
もしかして、
この中にはゴルザベスも居るのか?」
「お、おいお前、何でそんな余計な事を…」
思わずゴルザベスの名を
口に滑らせてしまった兵士を
別の兵士が咎めるが、
もう手遅れである。
「なるほど…
元大臣で貴族派閥筆頭のゴルザベスは
王城で堂々とポーラお姉様に反逆し、
聖王都から自領地であるグリンジスに
追放されたという話は
僕の耳にも届いている…。
そんな逆臣が魔族と思われる
魔力反応と共に居るなんて…
これはますます見逃すことは出来ないね!」
ゴルザベスの兵士たちに構わず、
洞窟の中へと歩みを進める王子。
そんな彼を兵士たちは力尽くにでも
強引に遮ろうとする。
だが、王子の身体から魔力の光がほとばしって
逆に押しのけられてしまった。
「君たち悪いけど、ここは押し通らせて貰うよ!」
イクシア王子の身体が魔力の光に包まれる。
そしてそのまま急加速し、
まるで閃光と化して洞窟の中に突入した。
「フォフォフォ…魔力数値600ぐらいの人間が、
竜穴の入り口に現れた様じゃのう。
そしてまっすぐこちらに近付いてくる…。
どうやらこの人間。
儂ら魔族の存在に気付いてかつ、
それでも恐れていないという事になるかのう?」
「…アポクリファル様、
それは本当なのですか!?」
「魔力数値600の人間など、
そう居る筈がありませんぞ!」
「まさか、あの時の…
異世界から来た勇者!?」
アポクリファルの言葉に仰天する
ゴルザベス、クリスト、バイアン。
そんな彼等の背後に、
魔力の光を纏ったイクシア王子が到着した。
「「「あ、あなたは…
エクスラント聖王国第二王子、
イクシア殿下っ!?」」」
三人の驚愕の叫びが重なって、
竜穴内に響き渡った。
何故…突然に、
これ程の高い魔力反応が??
これがもしかして…
この地に潜むという魔族の竜の魔力反応とでも!?」
イクシア王子は自身が掛けている
片眼鏡型の見通しの眼鏡に
突如映し出された魔力数値に驚きの声を上げた。
「魔力反応は、この洞窟の奥からか?」
王子は小山の麓にぽっかりと空いた洞窟を見やると、
その中へと足を踏み出そうとする。
だがそんな彼の前を、
ゴルザベスの配下の兵士たちが遮った。
「イクシア王子と言えども…
ここより先は通す訳には行きません。
我々は主であるゴルザベス様より、
誰も通すなと名命を受けているのです!」
「…君たちは我が聖王国の元大臣、
ゴルザベスの配下?
もしかして、
この中にはゴルザベスも居るのか?」
「お、おいお前、何でそんな余計な事を…」
思わずゴルザベスの名を
口に滑らせてしまった兵士を
別の兵士が咎めるが、
もう手遅れである。
「なるほど…
元大臣で貴族派閥筆頭のゴルザベスは
王城で堂々とポーラお姉様に反逆し、
聖王都から自領地であるグリンジスに
追放されたという話は
僕の耳にも届いている…。
そんな逆臣が魔族と思われる
魔力反応と共に居るなんて…
これはますます見逃すことは出来ないね!」
ゴルザベスの兵士たちに構わず、
洞窟の中へと歩みを進める王子。
そんな彼を兵士たちは力尽くにでも
強引に遮ろうとする。
だが、王子の身体から魔力の光がほとばしって
逆に押しのけられてしまった。
「君たち悪いけど、ここは押し通らせて貰うよ!」
イクシア王子の身体が魔力の光に包まれる。
そしてそのまま急加速し、
まるで閃光と化して洞窟の中に突入した。
「フォフォフォ…魔力数値600ぐらいの人間が、
竜穴の入り口に現れた様じゃのう。
そしてまっすぐこちらに近付いてくる…。
どうやらこの人間。
儂ら魔族の存在に気付いてかつ、
それでも恐れていないという事になるかのう?」
「…アポクリファル様、
それは本当なのですか!?」
「魔力数値600の人間など、
そう居る筈がありませんぞ!」
「まさか、あの時の…
異世界から来た勇者!?」
アポクリファルの言葉に仰天する
ゴルザベス、クリスト、バイアン。
そんな彼等の背後に、
魔力の光を纏ったイクシア王子が到着した。
「「「あ、あなたは…
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三人の驚愕の叫びが重なって、
竜穴内に響き渡った。
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