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483話 第二王子
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「これは…魔力数値600の何者かが此処に一直線に向かってくる!?」
この魔力数値は優羽花の初期の数値と同等。
中位魔族だとするなら、かなり強力な個体という事になる。
「…来るっ!?」
俺達の頭上に高速飛行魔法・高速飛翔の魔力の光が現われ、
そのまま地上へと着地した。
そして魔力の光は拡散し、ひとりの男が姿を現した。
金色の髪に端麗な顔、
白地に金色の装飾が施された甲冑を纏い、
その背には煌びやかなマントを羽織っている。
何と言うか…
漫画やゲームに出て来る、王子様の様な男性である。
いや男性と呼ぶには若いか?
おそらく優羽花と同じぐらいだろうか?
ぱっと見の雰囲気では、
俺の眼には人間にしか見えなかった。
だがこれ程の魔力数値で、それは有り得ないだろう。
つまり魔族ということである。
俺は拳を構えて戦闘態勢を整えた。
「…イクシア様?
イクシア様ではありませんの?」
イロハが魔力数値600の彼に向かい話し掛けた。
「…君は?」
「あっ、そうでしたわ。
あたくしは今…偽装魔法掛けていましたわね。
これでどうでしょうかイクシア様?」
イロハは手をかざすと、
自分自身に掛けていた偽装魔法を解いた。
彼女の顔つきや髪の色が元の姿に戻る。
「…はっ、君は!
ドリーシャル家の貴族令嬢で姫騎士団のイロハ!
君が此処にいるという事は…
つまり隣におられるこの御方が、ケイガお兄様ということなんだね!
お初にお目に掛かります、ケイガお兄様。
僕の名はイクシア=ウィル=エクスラントと申します。
エクスラント聖王国の第二王子で第一王女ポーラニアの弟です」
金髪の美少年はそう述べると、
俺の前に優美な動作で跪いて一礼した。
えっと…これは一体…どういうことなの?
王子然とした少年が俺の前に突然現れて、
いきなり俺をお兄様と呼んでいるんですががが?
俺はこんらんしている。
「あ、あのイクシア様?
ケイガ兄様とは初対面ですわよね?
それが一体どうして、
いきなりお兄様呼びされるなんて…
一体どういうことですの?」
俺が今まさに聞きたい疑問を
イロハが問い掛けてくれた。
ナイスイロハ!
彼女の問いかけに、
王子はまるで美術館の彫刻の様に端麗な口を開いた。
「それは簡単な事だよイロハ。
僕の敬愛なるポーラお姉様は
異世界の戦士ケイガ様の妹になられた。
つまりポーラお姉様の弟である僕も同じく、
ケイガお兄様の弟になったということだよ」
こ、この突拍子もない発想は…
似ている…ポーラ姫に…。
俺は目の前の彼がポーラ姫の弟王子であることを確信した。
この魔力数値は優羽花の初期の数値と同等。
中位魔族だとするなら、かなり強力な個体という事になる。
「…来るっ!?」
俺達の頭上に高速飛行魔法・高速飛翔の魔力の光が現われ、
そのまま地上へと着地した。
そして魔力の光は拡散し、ひとりの男が姿を現した。
金色の髪に端麗な顔、
白地に金色の装飾が施された甲冑を纏い、
その背には煌びやかなマントを羽織っている。
何と言うか…
漫画やゲームに出て来る、王子様の様な男性である。
いや男性と呼ぶには若いか?
おそらく優羽花と同じぐらいだろうか?
ぱっと見の雰囲気では、
俺の眼には人間にしか見えなかった。
だがこれ程の魔力数値で、それは有り得ないだろう。
つまり魔族ということである。
俺は拳を構えて戦闘態勢を整えた。
「…イクシア様?
イクシア様ではありませんの?」
イロハが魔力数値600の彼に向かい話し掛けた。
「…君は?」
「あっ、そうでしたわ。
あたくしは今…偽装魔法掛けていましたわね。
これでどうでしょうかイクシア様?」
イロハは手をかざすと、
自分自身に掛けていた偽装魔法を解いた。
彼女の顔つきや髪の色が元の姿に戻る。
「…はっ、君は!
ドリーシャル家の貴族令嬢で姫騎士団のイロハ!
君が此処にいるという事は…
つまり隣におられるこの御方が、ケイガお兄様ということなんだね!
お初にお目に掛かります、ケイガお兄様。
僕の名はイクシア=ウィル=エクスラントと申します。
エクスラント聖王国の第二王子で第一王女ポーラニアの弟です」
金髪の美少年はそう述べると、
俺の前に優美な動作で跪いて一礼した。
えっと…これは一体…どういうことなの?
王子然とした少年が俺の前に突然現れて、
いきなり俺をお兄様と呼んでいるんですががが?
俺はこんらんしている。
「あ、あのイクシア様?
ケイガ兄様とは初対面ですわよね?
それが一体どうして、
いきなりお兄様呼びされるなんて…
一体どういうことですの?」
俺が今まさに聞きたい疑問を
イロハが問い掛けてくれた。
ナイスイロハ!
彼女の問いかけに、
王子はまるで美術館の彫刻の様に端麗な口を開いた。
「それは簡単な事だよイロハ。
僕の敬愛なるポーラお姉様は
異世界の戦士ケイガ様の妹になられた。
つまりポーラお姉様の弟である僕も同じく、
ケイガお兄様の弟になったということだよ」
こ、この突拍子もない発想は…
似ている…ポーラ姫に…。
俺は目の前の彼がポーラ姫の弟王子であることを確信した。
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