480 / 556
480話 大森林調査
しおりを挟む
この異世界エゾン・レイギスで
すき焼きを食べることになろうとはなあ。
…しかもオウミギュー、
元の世界で言う所のA5黒毛和牛という奴である。
俺が元の世界、日本でも
なかなか味わう事は出来なかった
高級すき焼きを腹いっぱい食べた俺は
この上なく満足した。
正確には元の世界の牛と異世界のギューという生物は
生物種として違うのかもしれない。
だが少なくとも肉の感触は、
ほとんど同一のモノである。
これは俺よりも過去に、
この異世界に飛ばされてきた日本人が
牛とそっくりの肉の感触を持った
此の世界の生物を見つけて、
オウミギューと名付けたのでは無いかと俺は推測している。
それはそうと…
俺はこの世界に来てからというもの、
大人数の妹たちに囲まれるという生活を強いられ…もとい送っている。
だが今現在、俺の周りにいる妹ははイロハとツツジのみ。
元の世界での俺の妹は優羽花と静里菜の二人だけ。
つまり今の俺はエゾン・レイギスに
飛ばされる前の状態に限りなく戻ったと言っても良い。
俺は二人だけの妹と過ごすことに
久し振りに気が休まった気がして…
その反動で宿の床でぐっすりと眠りに着くことが出来た。
そして朝日が昇った。
宿の朝食は白いご飯と味噌汁、
そして納豆に焼き魚…
完璧な和食の朝食である。
此処は本当に異世界なのか?
まるで実家の様な安心感どころでは無い、
本当に実家の様な朝食感なのである。
俺は白いご飯にネバネバの豆をぶっ掛けると、
米と柔らかい豆とネバネバのハーモニーを喜んで堪能する。
このエクスラント聖王国には深く日本文化が浸透している事を
俺は改めて実感した。
朝食を終え外出の支度を整えた俺達を
ちょうど出迎える様に、
地協力員の馬車が宿の前に到着する。
俺達は昨日決めた通り、
グリンジスの街の郊外にある大森林へ向けて出発する。
馬車は街の門を抜けると
そのまま街道を進み、
大きな木々が生い茂る巨大な森へとたどり着いた。
俺は見通しの眼鏡で森を探るが、
今のところ高い魔力反応は感じられない。
「これは相当に広そうな森だなあ…。
三人固まって調査しても埒が明かないか。
手分けして探そうか?」
「そうですわねケイガ兄様。
森の中ならば人の目も気にすることはありませんし、
少し派手に動いても大丈夫ですわね?」
「…イロハ、
…あくまで潜入調査だから」
「わかってますわよツツジ!
魔力数値は抑えたまま、
気配も隠しつつ、
木々に隠れながら俊敏に…ですわね!」
俺とイロハとツツジは弾ける様に跳んで
それぞれ違う三方向へと散っていった。
そして各々が掛けている見通しの眼鏡で
森の各地を見据えて、
高い魔力数値の反応の有無を確認していった。
すき焼きを食べることになろうとはなあ。
…しかもオウミギュー、
元の世界で言う所のA5黒毛和牛という奴である。
俺が元の世界、日本でも
なかなか味わう事は出来なかった
高級すき焼きを腹いっぱい食べた俺は
この上なく満足した。
正確には元の世界の牛と異世界のギューという生物は
生物種として違うのかもしれない。
だが少なくとも肉の感触は、
ほとんど同一のモノである。
これは俺よりも過去に、
この異世界に飛ばされてきた日本人が
牛とそっくりの肉の感触を持った
此の世界の生物を見つけて、
オウミギューと名付けたのでは無いかと俺は推測している。
それはそうと…
俺はこの世界に来てからというもの、
大人数の妹たちに囲まれるという生活を強いられ…もとい送っている。
だが今現在、俺の周りにいる妹ははイロハとツツジのみ。
元の世界での俺の妹は優羽花と静里菜の二人だけ。
つまり今の俺はエゾン・レイギスに
飛ばされる前の状態に限りなく戻ったと言っても良い。
俺は二人だけの妹と過ごすことに
久し振りに気が休まった気がして…
その反動で宿の床でぐっすりと眠りに着くことが出来た。
そして朝日が昇った。
宿の朝食は白いご飯と味噌汁、
そして納豆に焼き魚…
完璧な和食の朝食である。
此処は本当に異世界なのか?
まるで実家の様な安心感どころでは無い、
本当に実家の様な朝食感なのである。
俺は白いご飯にネバネバの豆をぶっ掛けると、
米と柔らかい豆とネバネバのハーモニーを喜んで堪能する。
このエクスラント聖王国には深く日本文化が浸透している事を
俺は改めて実感した。
朝食を終え外出の支度を整えた俺達を
ちょうど出迎える様に、
地協力員の馬車が宿の前に到着する。
俺達は昨日決めた通り、
グリンジスの街の郊外にある大森林へ向けて出発する。
馬車は街の門を抜けると
そのまま街道を進み、
大きな木々が生い茂る巨大な森へとたどり着いた。
俺は見通しの眼鏡で森を探るが、
今のところ高い魔力反応は感じられない。
「これは相当に広そうな森だなあ…。
三人固まって調査しても埒が明かないか。
手分けして探そうか?」
「そうですわねケイガ兄様。
森の中ならば人の目も気にすることはありませんし、
少し派手に動いても大丈夫ですわね?」
「…イロハ、
…あくまで潜入調査だから」
「わかってますわよツツジ!
魔力数値は抑えたまま、
気配も隠しつつ、
木々に隠れながら俊敏に…ですわね!」
俺とイロハとツツジは弾ける様に跳んで
それぞれ違う三方向へと散っていった。
そして各々が掛けている見通しの眼鏡で
森の各地を見据えて、
高い魔力数値の反応の有無を確認していった。
0
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~
k33
ファンタジー
初めての小説です..!
ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?


日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる