シスターヴレイヴ!~上司に捨て駒にされ会社をクビになり無職ニートになった俺が妹と異世界に飛ばされ妹が勇者になったけど何とか生きてます~

尾山塩之進

文字の大きさ
上 下
463 / 556

463話 グリンジスからの報告

しおりを挟む
 エクスラント聖王国の首都、
 聖王都ホウリイ。
 聖王国で最大の都市である。

 都の中心には白く輝く白亜の城、
 ホウリシア聖王城が建っている。
 その名が示す通り、
 エクスラント聖王国のトップである【聖王】が住まう城。

 エクスラント聖王国を治める聖王は、
 他国の王とは少しおもむきが異なる。
 王族のトップである王が
 聖王国の国教級宗教である【教会】から
 最高名誉の座である【聖賢】もしくは【聖女】に認定されることが
 聖王としての即位条件である。

 昔は【聖賢】【聖女】に認められることはとても厳しく
 聖王に即位出来ない王もかなり居たが、
 いつの間にか只の礼儀的なものとなり、
 王に即位した段階で大体の者はほぼ即位出来る様になった。
 いや正確には…
 【聖王】になるには【教会】の息がかかった
 王でなければならないという事になり、
 【教会】が聖王国の政治に深く関与するという
 教会腐敗の要因となってしまったのである。

 現聖王であるカイザは
 歴代の王から続いていた、
 教会の政治介入を大きく削減することに成功した。

 そして現在の第一王位継承者であるポーラ姫は、
 慎まやかな教会の信徒の王女として振る舞う事で
 教会内での信任を得て、
 即位前から【聖女】の認定を得た。

 聖女は教会の一機関【修道会】のトップでもある。
 礼儀的に教会に聖女に認定されたのでは
 只のお飾りのトップではあるが、
 彼女は実力を伴っての認定である。
 ポーラ姫は【修道会】のトップとして
 教会内でも大きな力を持っているのだ。
 彼女はその力を持って、
 教会の政治介入を父王カイザより更に削るに至った。

 彼女がこの聖王国で自他ともに【聖王女】と呼ばれているのは
 この様な所以ゆえんからである。

 聖王女ポーラは病に倒れた聖王カイザの国王代理として、
 現在の聖王国の政務を取り仕切っている。
 今日も彼女は国王の執務室で、
 聖王国内で起きる様々な出来事に追われていた。

「姫様、
グリンジスから気になる報告が上がっております。

何でも魔族を目撃したとか…?
それも巨大な竜の姿をしていたということです」

全身鎧フルプレートに身を包んだ
ポーラ姫直属の姫騎士団プリンセスナイツの団長シノブ。
彼女は聖王国の地方都市のひとつである
グリンジス市を行き来している商人たちの報告をポーラ姫に伝えた。

「…竜の姿をした魔族?

しかし竜の魔族である魔竜エビルドラゴン
わたくしたち聖王国と同盟を結んだ
魔竜将ガルヴァーヴ殿の眷属と聞いております。

同盟相手である聖王国領内に何の話も無く土足で入り込むなど、
魔竜将副官ディラム殿の実直な対応から見て考えにくいのですが…
見間違えではないのですか?」

「商隊での多数で目撃していることから信憑性は高いようです」

「それではディラム殿に一度確認を」

「ああ、
それは駄目だねポーラ。

ディラム殿は
一度魔界に戻って報告したいと言って、
今朝早くホウリシア城を立ったばかりなんだよ」

 ポーラ姫の従姉で彼女を補佐する宮廷魔術師であるミリィが即答した。
しおりを挟む
script?guid=on
感想 0

あなたにおすすめの小説

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

処理中です...