シスターヴレイヴ!~上司に捨て駒にされ会社をクビになり無職ニートになった俺が妹と異世界に飛ばされ妹が勇者になったけど何とか生きてます~

尾山塩之進

文字の大きさ
上 下
446 / 556

446話 若き魔竜の答え

しおりを挟む
「ゴルザベスと言ったな、
人間達が住まう此の地を治める人間の領主であるオマエが
魔界の奥底に住まう魔族の竜たる、
魔竜エビルドラゴンのワレに従うと言うのか?
それが何を意味するのか解っているのか?」

「ドラゴン様の魔力数値は950、
その圧倒的な御力を前にしては
我等の軍如きでは到底敵いますまい。
戦っても無駄な死者が出るだけでございます。
ならば真っ先に降伏し貴方様に従属するのが良いと、
私はこの地を治める領主として判断した迄でございます。

私達はドラゴン様の忠実な僕としてお仕えたいのです。
早速ですがこれを…
お近づきの印になればと貢物を持参しました」

 ゴルザベスは背後の兵士たちに合図を送った。
 彼等は二台の大きな台車を引いて来ると、
 ワレの前に静止させた。
 そして上に被さっていた布を取り去った。
 台車の一台目には金と銀が積まれていた。
 二代目の荷車には屠殺とさつされた
 食肉用家畜が積まれていた。

「ドラゴン様は光り輝くものがお好きだと聞いております。
この金銀をどうぞお納めください。
そしてこの家畜はオウミギューと呼ばれる
我等人間の間では最高級の食肉でございます。
こちらもお納めください。
ドラゴン様のお口に合えばよろしいのですが」

 ゴルザベスと兵士たち一同はワレに対して一斉にこうべを垂れた。

 火竜や氷竜といった地上に住むドラゴンは
 光り輝く金銀財宝を貯め込む習性があるとは聞いている。
 だが我等、魔竜エビルドラゴンは魔界に住まう魔族の竜、
 獣に近い種族である地上のドラゴンとは根本的に違うのだ。
 故にワレは金銀財宝といった類のモノには興味はないし、
 肉を喰らうと言った食事自体が必要無い。
 大気や大地に満ちる魔素を吸えば良いのだ。

 だが目の前の人間共は…
 無礼にも…
 我等、魔竜エビルドラゴンを、
 獣と同然のレベルと侮ったのかッ!?

 そもそも、戦いもせずに降伏し尻尾を振り、
 貢物で取り入ろうとするその姿勢が気に喰わない。
 人間と魔族は互いに相容れぬ不具戴天ふぐたいてんの敵同士では無かったのか?
 我等魔族は真正面からお前たちと戦って勝利し、
 この豊かな地上を手に入れるべく考えているのだぞ!
 そんな魔族であるワレに、
 命惜しさに尻尾を振り媚を売る低俗な人間の領主など…
 ワレは気に喰わないッ!

 リュシウムは口を開いた、
 その口内に魔力の光が煌めく。
 アポクリファル様から魔導研究室は壊さない様に命令されている。
 だからパワーを可能な限り絞って、
 ワレの目の前に立つ至極下らない人間共のみを、
 我が吐息ブレスで消し飛ばしてくれるわッ!
しおりを挟む
script?guid=on
感想 0

あなたにおすすめの小説

月が導く異世界道中

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  漫遊編始めました。  外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

悠久の機甲歩兵

竹氏
ファンタジー
文明が崩壊してから800年。文化や技術がリセットされた世界に、その理由を知っている人間は居なくなっていた。 彼はその世界で目覚めた。綻びだらけの太古の文明の記憶と機甲歩兵マキナを操る技術を持って。 文明が崩壊し変わり果てた世界で彼は生きる。今は放浪者として。 ※現在毎日更新中

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

異世界無宿

ゆきねる
ファンタジー
運転席から見た景色は、異世界だった。 アクション映画への憧れを捨て切れない男、和泉 俊介。 映画の影響で筋トレしてみたり、休日にエアガンを弄りつつ映画を観るのが楽しみな男。 訳あって車を購入する事になった時、偶然通りかかったお店にて運命の出会いをする。 一目惚れで購入した車の納車日。 エンジンをかけて前方に目をやった時、そこは知らない景色(異世界)が広がっていた… 神様の道楽で異世界転移をさせられた男は、愛車の持つ特別な能力を頼りに異世界を駆け抜ける。 アクション有り! ロマンス控えめ! ご都合主義展開あり! ノリと勢いで物語を書いてますので、B級映画を観るような感覚で楽しんでいただければ幸いです。 不定期投稿になります。 投稿する際の時間は11:30(24h表記)となります。

処理中です...