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439話 都市グリンジス
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エクスラント聖王国領内に存在する都市グリンジス。
聖王国の首都である聖王都ホウリイには及ばないものの、
都市の中心にある領主の城を中心に街を形成している
かなりの規模の城下町である。
都市グリンジスは聖王国の大臣で貴族派閥の筆頭である
ゴルザベスが治める領地内にある街。
彼自身が住まう都市であり、領内の中核都市である。
つまり都市グリンジスはゴルザベスのお膝元ということになる。
彼の意向が色濃く反映された都市や城の造りは、
ぱっとした見た目は豪華絢爛に造られているが、
実際の利便性としては欠ける都市構成となっており
住んでいる民衆からは余り評判は良くはない。
領主であるゴルザベス自身が満足するために造られた
領主重視の街というのが、
都市グリンジスに対するごく一般的な評価である。
グリンジス城、都市グリンジスの中心に佇む領主の住まう城。
頑強な城壁に囲まれた宮殿の中心にある煌びやかな領主の部屋、
其処に置かれた豪華絢爛なソファーに座り、
面白くなさそうに顔をしかめるひとりの男。
聖王国”元”大臣、ゴルザベスである。
ゴルザベスは先日、
聖王都でポーラ姫とミリィ公爵に
反逆異世界人クロカワに協力していた自身の所業を暴かれて、
聖王国地下牢に幽閉されたのち、
自分の所領都市であるグリンジスに追放されていたのである。
大貴族であることから辛うじて処刑は免れたものの、
大臣の座を失い聖王都での特権は全て失った。
彼は自分を陥れた原因を作った者達への怨嗟を口にした。
「それにしても…おのれ…
ポーラ姫、ミリフィア公爵、
異世界の勇者、その兄…
よくも私をこんな…こんな…
だが、このままでは終わらんぞ!
私はいずれ、この国を支配する男なのだ!
いずれ返り咲いて、
お前たちに思い知らせてやる!」
「ゴルザベス閣下!
失礼します」
「何事だ!
私は今考え事をしているのだ!
静かにしろ!」
「ですが…至急耳に入れるべき緊急の案件です。
我が領内に巨大な竜が現れたとの報告が入りました」
「何い竜?
一匹でも一つの都市を破壊しつくすという
あの伝説の怪物、竜か?
しかし我が領内にそんな怪物が居るという話は聞いたことが無い。
ただの眉唾話では無いのか?」
「何でも、翼を羽ばたかせた巨大な竜が
グリンジス近郊の大森林のほうへ飛び去ったという話です。
街々を行き来する商人の隊が街道で集団で見たという話なので信憑性は高いかと」
「ならばすぐに大森林を調査しろ!
本当にその飛び去ったモノが本当に竜かどうか確認するのだ!」
「はっ、今すぐに!」
聖王国の首都である聖王都ホウリイには及ばないものの、
都市の中心にある領主の城を中心に街を形成している
かなりの規模の城下町である。
都市グリンジスは聖王国の大臣で貴族派閥の筆頭である
ゴルザベスが治める領地内にある街。
彼自身が住まう都市であり、領内の中核都市である。
つまり都市グリンジスはゴルザベスのお膝元ということになる。
彼の意向が色濃く反映された都市や城の造りは、
ぱっとした見た目は豪華絢爛に造られているが、
実際の利便性としては欠ける都市構成となっており
住んでいる民衆からは余り評判は良くはない。
領主であるゴルザベス自身が満足するために造られた
領主重視の街というのが、
都市グリンジスに対するごく一般的な評価である。
グリンジス城、都市グリンジスの中心に佇む領主の住まう城。
頑強な城壁に囲まれた宮殿の中心にある煌びやかな領主の部屋、
其処に置かれた豪華絢爛なソファーに座り、
面白くなさそうに顔をしかめるひとりの男。
聖王国”元”大臣、ゴルザベスである。
ゴルザベスは先日、
聖王都でポーラ姫とミリィ公爵に
反逆異世界人クロカワに協力していた自身の所業を暴かれて、
聖王国地下牢に幽閉されたのち、
自分の所領都市であるグリンジスに追放されていたのである。
大貴族であることから辛うじて処刑は免れたものの、
大臣の座を失い聖王都での特権は全て失った。
彼は自分を陥れた原因を作った者達への怨嗟を口にした。
「それにしても…おのれ…
ポーラ姫、ミリフィア公爵、
異世界の勇者、その兄…
よくも私をこんな…こんな…
だが、このままでは終わらんぞ!
私はいずれ、この国を支配する男なのだ!
いずれ返り咲いて、
お前たちに思い知らせてやる!」
「ゴルザベス閣下!
失礼します」
「何事だ!
私は今考え事をしているのだ!
静かにしろ!」
「ですが…至急耳に入れるべき緊急の案件です。
我が領内に巨大な竜が現れたとの報告が入りました」
「何い竜?
一匹でも一つの都市を破壊しつくすという
あの伝説の怪物、竜か?
しかし我が領内にそんな怪物が居るという話は聞いたことが無い。
ただの眉唾話では無いのか?」
「何でも、翼を羽ばたかせた巨大な竜が
グリンジス近郊の大森林のほうへ飛び去ったという話です。
街々を行き来する商人の隊が街道で集団で見たという話なので信憑性は高いかと」
「ならばすぐに大森林を調査しろ!
本当にその飛び去ったモノが本当に竜かどうか確認するのだ!」
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