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431話 効率良く
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「ああ…
ケイガお兄様はもう…
ポーラ相手に魔力の組手鍛錬はしてくださらないということなのですね…」
「そういう事にはならないだろうポーラ」
「えっ?」
「ボクたちエクスラント聖王国は、
魔界五軍将のひとり魔竜将率いる魔竜軍と同盟を結んだ。
共に大魔王を倒す為に。
これから大魔王軍と戦っていくためには、
今よりももっと強くならなければならない。
それは兄君様だけでは無く…
もちろんボクたち全員にも言えることだ。
ケイガ兄君様は、
『てっとり早く強くなる為には
強い相手と戦うのが一番。
強い力で打ちのめされれば、
それに負けまいと自分の力も上昇するという単純な公式さ』
そう述べられた。
その公式に乗っ取って兄君様は早速、
ディラム殿と組手鍛錬を始めた。
でもボクやポーラ、姫騎士団では
ディラム殿とは実力差が有り過ぎて組手相手は無理だろう。
つまり、ディラム殿との組手で魔力数値を上げた
兄君様が改めてボクたちと組手鍛錬をすることになるんじゃ無いのかな?」
「つまり、お兄様とわたくしは、
手取り足取り腰を取り…
イチャイチャドキドキ組手稽古が再び出来るという事なのですねミリィお姉様!
やったーですわ!」
「はあ…
ぴょんぴょん跳んで幼い子供みたいに喜ぶのは自重したまえよポーラ…」
「ふふっ、嬉しくて思わず…ですわ。
でもミリィお姉様もお兄様と組手稽古出来て嬉しいのでは無いですか?」
「な、な何を言っているんだいポーラ!
それは魔力数値を高める鍛錬であって
兄君様と手を握ったりするのが楽しみとか…
ボクはこここれっぽっちも思っていないんだからね!」
「はいはい、
ムッツリさんなお姉様の言い訳として受け取って置きますわ」
「ポーラあ!
ムッツリって、言い訳って!
言い方あ!」
「それでは…
ケイガお兄様が鍛錬を終えられるまで、
ポーラは此処でゆっくりとお待ちすることにいたしましょう」
「そうごゆるりしている訳には行きませんよ、姫様方」
全身鎧姿に身を包んだ姫騎士団の団長・シノブが
ポーラ姫とミリィの前に現れた。
「ケイガ兄様の鍛錬が終わるまで待つとなっては、
効率も悪く時間も無駄にしてしまい悪手でしょう。
敵方は私達の都合を汲んで待ってくれないのですよ?
ですから、私達は効率良く強くなるために
兄様とは別の方々に組手相手をお願いすることにしました。
さあ、おふたりともお願いいたします」
シノブのあとに続いて、
光の勇者・優羽花と、
先日ケイガの新たな妹になった魔族の戦士ヴィシルが姿を現した。
ケイガお兄様はもう…
ポーラ相手に魔力の組手鍛錬はしてくださらないということなのですね…」
「そういう事にはならないだろうポーラ」
「えっ?」
「ボクたちエクスラント聖王国は、
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これから大魔王軍と戦っていくためには、
今よりももっと強くならなければならない。
それは兄君様だけでは無く…
もちろんボクたち全員にも言えることだ。
ケイガ兄君様は、
『てっとり早く強くなる為には
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その公式に乗っ取って兄君様は早速、
ディラム殿と組手鍛錬を始めた。
でもボクやポーラ、姫騎士団では
ディラム殿とは実力差が有り過ぎて組手相手は無理だろう。
つまり、ディラム殿との組手で魔力数値を上げた
兄君様が改めてボクたちと組手鍛錬をすることになるんじゃ無いのかな?」
「つまり、お兄様とわたくしは、
手取り足取り腰を取り…
イチャイチャドキドキ組手稽古が再び出来るという事なのですねミリィお姉様!
やったーですわ!」
「はあ…
ぴょんぴょん跳んで幼い子供みたいに喜ぶのは自重したまえよポーラ…」
「ふふっ、嬉しくて思わず…ですわ。
でもミリィお姉様もお兄様と組手稽古出来て嬉しいのでは無いですか?」
「な、な何を言っているんだいポーラ!
それは魔力数値を高める鍛錬であって
兄君様と手を握ったりするのが楽しみとか…
ボクはこここれっぽっちも思っていないんだからね!」
「はいはい、
ムッツリさんなお姉様の言い訳として受け取って置きますわ」
「ポーラあ!
ムッツリって、言い訳って!
言い方あ!」
「それでは…
ケイガお兄様が鍛錬を終えられるまで、
ポーラは此処でゆっくりとお待ちすることにいたしましょう」
「そうごゆるりしている訳には行きませんよ、姫様方」
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「ケイガ兄様の鍛錬が終わるまで待つとなっては、
効率も悪く時間も無駄にしてしまい悪手でしょう。
敵方は私達の都合を汲んで待ってくれないのですよ?
ですから、私達は効率良く強くなるために
兄様とは別の方々に組手相手をお願いすることにしました。
さあ、おふたりともお願いいたします」
シノブのあとに続いて、
光の勇者・優羽花と、
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