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428話 魔力鍛錬
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「はッ!」
漆黒に染められた西洋風の鎧に身を包んだ魔族の騎士ディラムは
凄まじい速さで剣を突き出した。
「はああッ!」
俺は気を纏った拳を撃ち放つ。
互いの剣と拳が交錯して火花を散らした。
「うおおおお!」
「はああああ!」
ディラムの剣と俺の拳が
互いに豪雨の如く繰り出されて激突する。
力は互角。
このままではケリは付かないだろう。
ならば力を溜めて大技を繰り出す迄、
俺は気を高めた。
だが同じタイミングでディラムも魔力を高める。
俺がかけている
『見通しの眼鏡』に表示された
ディラムの魔力数値が上昇した。
「魔光斬!」
魔族の騎士は俺に向かって剣を振りかぶり、
魔力の斬撃波を放った。
この技は初見では俺は防御して手痛いダメージを受けている。
だが地ノ宮流気士術の気士は
同じ轍は踏まない。
俺は腰に差していた中剣を引き抜くと、
高めた気を剣の刃に纏わせる。
「地ノ宮流気士術・十一の型、気円斬撃!」
俺の放った気の斬撃波は、
ディラムの魔力の斬撃波に衝突し相殺、消滅した。
「流石だなケイガ、
流石は大魔王様を倒す為に光の精霊に召喚された”真の”異世界の戦士。
我の技は既に見切られているということか」
「俺もそれなりに戦いの経験は積んでいるんでね。
地ノ宮流気士術の気士に同じ技は通じないってことさ。
まあ、お前さんが本気で俺を殺しに来たらわからないけどなあ。
しかし初めて会った時は問答無用で殺し合ったのに…
こうやって互いの力を高める為の組手鍛錬が出来るとは思っても見なかったぞ?」
「それは我も同じこと。
人間の戦士である貴様とこの様に切磋琢磨する間柄になるとは…
あの時は想像すらしなかった」
「だけど!」
「だが」
「悪くない!」
「悪くはない」
俺とディラムは全く同時に跳んだ、
そして互いに拳と剣を繰り出す。
電光石火の如く空間に火花が凄まじい速度で飛び交い続ける。
このディラムという男の剣は言うなれば”純粋な力”というべきものである。
力の誇示とか悪意といった類の、
負の感情が一切込められていない。
つまり気持ちの良い類の力と言うべきだろうか?
何を言いたいかと言うと、
彼は鍛錬の相手として最適という事である。
俺は今後の大魔王率いる魔族軍との戦いの為に
自身の魔力を更に高めることが必要だと悟った。
具体的に言うと高速飛行魔法を使えるレベルまで
魔力数値を上げる必要があるだろう。
それも短期間の内に。
大魔王は待ってくれないのだ。
自身の力を上げるには
強い相手と戦うのが一番である。
強い力で打ちのめされれば、
それに負けまいと自分の力が上昇するという単純な公式である。
つまり力=魔力と換算して、
強い魔力を持った相手と戦うのがてっとり早いという訳だ。
まあ俺は気を扱って戦う気士なので
あくまで戦いの主なスタイルは気となるが、
それでも強い魔力を持った相手と戦えば
自身の魔力は鍛えられることになるのだ。
そこで俺は今近くにいて、
最も強い魔力を持ったディラムにその鍛錬相手を頼んだという訳である。
彼は快く了承してくれた。
早速俺は姫騎士団の稽古場を借りて、
ディラムと鍛錬を始めたという経緯なのだ。
漆黒に染められた西洋風の鎧に身を包んだ魔族の騎士ディラムは
凄まじい速さで剣を突き出した。
「はああッ!」
俺は気を纏った拳を撃ち放つ。
互いの剣と拳が交錯して火花を散らした。
「うおおおお!」
「はああああ!」
ディラムの剣と俺の拳が
互いに豪雨の如く繰り出されて激突する。
力は互角。
このままではケリは付かないだろう。
ならば力を溜めて大技を繰り出す迄、
俺は気を高めた。
だが同じタイミングでディラムも魔力を高める。
俺がかけている
『見通しの眼鏡』に表示された
ディラムの魔力数値が上昇した。
「魔光斬!」
魔族の騎士は俺に向かって剣を振りかぶり、
魔力の斬撃波を放った。
この技は初見では俺は防御して手痛いダメージを受けている。
だが地ノ宮流気士術の気士は
同じ轍は踏まない。
俺は腰に差していた中剣を引き抜くと、
高めた気を剣の刃に纏わせる。
「地ノ宮流気士術・十一の型、気円斬撃!」
俺の放った気の斬撃波は、
ディラムの魔力の斬撃波に衝突し相殺、消滅した。
「流石だなケイガ、
流石は大魔王様を倒す為に光の精霊に召喚された”真の”異世界の戦士。
我の技は既に見切られているということか」
「俺もそれなりに戦いの経験は積んでいるんでね。
地ノ宮流気士術の気士に同じ技は通じないってことさ。
まあ、お前さんが本気で俺を殺しに来たらわからないけどなあ。
しかし初めて会った時は問答無用で殺し合ったのに…
こうやって互いの力を高める為の組手鍛錬が出来るとは思っても見なかったぞ?」
「それは我も同じこと。
人間の戦士である貴様とこの様に切磋琢磨する間柄になるとは…
あの時は想像すらしなかった」
「だけど!」
「だが」
「悪くない!」
「悪くはない」
俺とディラムは全く同時に跳んだ、
そして互いに拳と剣を繰り出す。
電光石火の如く空間に火花が凄まじい速度で飛び交い続ける。
このディラムという男の剣は言うなれば”純粋な力”というべきものである。
力の誇示とか悪意といった類の、
負の感情が一切込められていない。
つまり気持ちの良い類の力と言うべきだろうか?
何を言いたいかと言うと、
彼は鍛錬の相手として最適という事である。
俺は今後の大魔王率いる魔族軍との戦いの為に
自身の魔力を更に高めることが必要だと悟った。
具体的に言うと高速飛行魔法を使えるレベルまで
魔力数値を上げる必要があるだろう。
それも短期間の内に。
大魔王は待ってくれないのだ。
自身の力を上げるには
強い相手と戦うのが一番である。
強い力で打ちのめされれば、
それに負けまいと自分の力が上昇するという単純な公式である。
つまり力=魔力と換算して、
強い魔力を持った相手と戦うのがてっとり早いという訳だ。
まあ俺は気を扱って戦う気士なので
あくまで戦いの主なスタイルは気となるが、
それでも強い魔力を持った相手と戦えば
自身の魔力は鍛えられることになるのだ。
そこで俺は今近くにいて、
最も強い魔力を持ったディラムにその鍛錬相手を頼んだという訳である。
彼は快く了承してくれた。
早速俺は姫騎士団の稽古場を借りて、
ディラムと鍛錬を始めたという経緯なのだ。
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