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414話 加減無し

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 いやあ…
 相変わらずシノブさんたち姫騎士団プリンセスナイツ一同は、
 自分達が仕えるあるじであるポーラ姫に対して
 一切の手加減がありませんよね!

 姫騎士団プリンセスナイツの皆は
 盲目的に上司に従う従順なイエスマンではなく、
 意見し、物言う部下なのである。

 まあ、それにしても…
 姫騎士団プリンセスナイツの皆サン…
 もう少しこう何と言うか…
 手心というか…ねえ?
 俺はポーラ姫の頭に生えた巨大な五連たんこぶタワーを見ながら
 しみじみと思った。

 まあ…そんな加減の一切無い部下を否定せず、
 むしろ信頼する部下として受け入れているポーラ姫も
 大したものだと俺は思っている。
 そこは生まれながらの庶民である俺には持ち得ず、
 生まれながらの王族である彼女が持ち合わせている
 ”大きな器”ということなのだろう。

「そういえばポーラ、
前に君が来ていた衣服とは変わっている様だけど…
着替えたのかい?」

「お兄様のお部屋に伺った時に着ていた”子孫繁栄の衣装”ですが、
わたくしがシノブたちにコテンパンにのされた後に、
『ケイガ兄様の目に毒ですから!』
と言われてその場で脱がされて取り上げられてしまいましたわ…。

替わりにわたくしがいつも着ているこの寝衣しんいを着せられましたの…。
うう…シノブ達あんまりですわ…」

 …シノブさん、少しは加減を!
 自分が仕えるお姫様を倒して衣服を剥ぎ取るとか容赦無さすぎですよ!
 確かにあのスケスケ衣装は俺に取って物凄く目に毒では有ったんですけどね!!

「でもいつものポーラなら、たんこぶが出来ても
すぐに引っ込んでいた様な気がするんだが…」

 俺はふいに出た疑問をそのまま口にした。
 ポーラ姫は今に至るまで
 ミリィや、姫騎士団プリンセスナイツに何度も吹っ飛ばされて
 空を舞ったり地面を顔面で滑ったりしていはいたのだが、
 たんこぶ等の目に見える外傷はすぐに無くなっていたのである。

「…それはですねケイガお兄様。
今のわたくしは姫騎士団プリンセスナイツとの全力戦闘で魔力を使い果たしておりますの。
魔力が無くては回復魔法は使えませんわ。
それでこのたんこぶもそのまま放置しているということなのです」

 …なるほど!
 ポーラ姫はいつも誰かしらに吹っ飛ばされたら
 その後すぐに自分自身に回復魔法を掛けて
 傷を治していたという事か!

 俺はギャグ漫画ギャグアニメの登場人物みたいに
 吹っ飛ばされても、すぐに傷一つ無く復活する
 ある意味とても理不尽な”ギャグキャラ補正”みたいなものが
 ポーラ姫に掛かっているのでは…?
 と疑っても居たのだが…
 そんなことは全然無かったぜ!

 俺は自分の杞憂きゆうっぷりに自嘲して笑ってしまった。
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