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405話 静里菜の状況
しおりを挟む「兄さん、それではわたしのほうの状況についてお話しますね。
地ノ宮神社の御祭神の加護で
異世界から帰還したわたしは社の蔵の書物を調べ上げ、
再び異世界へ戻る為の術を模索しました。
兄さんと優羽花に手渡した符で持って
その座標を追尾、
わたし自身も一時とはいえ異世界に転移していましたから、
ふたりが飛ばされた異世界の場所自体は、
そう時間もかからず特定することができました。
わたしの使える巫術の中には異なる空間へと跳ぶ術もあります。
かつて…兄さんとお父さんとわたしの三人で
妖が作り出した異空間の中に転移して
その妖を打ち払った事がありましたけれど、
あの時にわたしが使った巫術がそれに当たります。
ですがあの術は移動出来る範囲がそこまで広くありません。
あくまで、妖が生み出せる規模の、
現実世界と隣りあわせの距離の、
極めて限定的な異空間に転移することが可能な巫術なのです。
ですが、兄さんと優羽花が飛ばされた異世界エゾン・レイギスは
わたしたちが住まう世界・地球とは遙か遠く離れた世界です。
その世界の規模も妖が生み出した限定的な異空間とは比べ物になりません。
八百万に…無限に存在するセカイの中で
地球とエゾン・レイギスを結び付けて転移をする為には
これまでに無い大掛かりな巫術が必要になります。
そして、ただ異世界に転移するだけでは駄目です。
元の世界に戻って来れる様にしなくてはいけないのです。
わたしはすぐに異世界に行くことは敵わなくても、
まずは連絡を取って無事の確認を出来ないかと考えました。
そこで、兄さんと優羽花に掛けた
『護り巫女の加護』を起点として巫術を行使、
ふたりの夢の世界に
わたしの”精神体”のみを送り込みました。
身体を供わない心だけの転移ならば、
今のわたしが使える巫術でも出来たいう訳です。
夢の世界は虚ろ気なセカイですから、
わたしの精神体が兄さん達と接触出来たとしても、
言葉を交わすことも難しいです。
そこで巫術を用いて、兄さんの夢のセカイを
明確に意思と行動が出来る精神世界として再構築しました。
ここ迄が前回の兄さんとの再会時のこちらの状況です。
優羽花のほうは、何かショックなことがあった様で
夢のセカイが完全に閉ざされて居て、
再会自体、叶いませんでしたけれど」
地ノ宮神社の御祭神の加護で
異世界から帰還したわたしは社の蔵の書物を調べ上げ、
再び異世界へ戻る為の術を模索しました。
兄さんと優羽花に手渡した符で持って
その座標を追尾、
わたし自身も一時とはいえ異世界に転移していましたから、
ふたりが飛ばされた異世界の場所自体は、
そう時間もかからず特定することができました。
わたしの使える巫術の中には異なる空間へと跳ぶ術もあります。
かつて…兄さんとお父さんとわたしの三人で
妖が作り出した異空間の中に転移して
その妖を打ち払った事がありましたけれど、
あの時にわたしが使った巫術がそれに当たります。
ですがあの術は移動出来る範囲がそこまで広くありません。
あくまで、妖が生み出せる規模の、
現実世界と隣りあわせの距離の、
極めて限定的な異空間に転移することが可能な巫術なのです。
ですが、兄さんと優羽花が飛ばされた異世界エゾン・レイギスは
わたしたちが住まう世界・地球とは遙か遠く離れた世界です。
その世界の規模も妖が生み出した限定的な異空間とは比べ物になりません。
八百万に…無限に存在するセカイの中で
地球とエゾン・レイギスを結び付けて転移をする為には
これまでに無い大掛かりな巫術が必要になります。
そして、ただ異世界に転移するだけでは駄目です。
元の世界に戻って来れる様にしなくてはいけないのです。
わたしはすぐに異世界に行くことは敵わなくても、
まずは連絡を取って無事の確認を出来ないかと考えました。
そこで、兄さんと優羽花に掛けた
『護り巫女の加護』を起点として巫術を行使、
ふたりの夢の世界に
わたしの”精神体”のみを送り込みました。
身体を供わない心だけの転移ならば、
今のわたしが使える巫術でも出来たいう訳です。
夢の世界は虚ろ気なセカイですから、
わたしの精神体が兄さん達と接触出来たとしても、
言葉を交わすことも難しいです。
そこで巫術を用いて、兄さんの夢のセカイを
明確に意思と行動が出来る精神世界として再構築しました。
ここ迄が前回の兄さんとの再会時のこちらの状況です。
優羽花のほうは、何かショックなことがあった様で
夢のセカイが完全に閉ざされて居て、
再会自体、叶いませんでしたけれど」
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