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第358話 魔界の覇
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「ふっ、その通りだナルガネ・ケイガ。
よくぞ我等の目的を言い当てた。
その慧眼、
流石は我と渡り合った異世界の戦士と言うべきだな」
「別に大したことじゃないさ。
お前が大魔王の魔力攻撃を逸らしたあの時点で、
俺には大魔王に逆らっている様にしか見えなかった。
そして魔界五軍将はその全てが忠実な僕では無いとも言われれば、
導かれる答えはそれしかないだろう?」
「確かにアタシも…傍若無人な大魔王様には全く従う気が沸かない…
だけど…ディラム様は高位魔族…アタシとは立場がまるで違う…。
ましてやディラム様の主である魔竜将ガルヴァーヴ様ともなればもっと…」
「魔言将イルーラ様の配下ヴィシルよ、
そう難しく考える必要は無い。
お前の考えと同じく、様は容易いことなのだ。
我が主、魔竜将ガルヴァーヴ様も
傍若無人な大魔王様に心から忠実な僕として仕える気など毛頭無い。
だが大魔王様は圧倒的に強い。
故に全ての魔族は大魔王様の配下として従っている。
ただそれだけのこと。
そもそも…魔界五軍将のうち、
魔言将イルーラ様と魔精将リリンシア様以外は
元々魔界の各地を収める魔王であり
魔界の覇を掛けて争って来た王同士。
元は大魔王様とは敵同士であったという訳だ。
今は大魔王様の強大な力に従わされているが、
機あらば大魔王様を倒し、
魔界の覇権を奪おうと考えている五軍将もおられる。
少なくとも我が主、魔竜将ガルヴァーヴ様はそうだ」
「そ、そうなん…だ…」
ヴィシルは驚きながらも納得している様だった。
彼女は大魔王の傍若無人振りをその目で見ている。
ディラムの言葉を理解するのも速かった様である。
「我が主、魔竜将ガルヴァーヴ様は
地上の中央域にて
大魔王様が仮初めの肉体を作り出し、
自らの手で地上の破壊を開始したことを即座に察知された。
我が主は我を地上に遣わして、
その動向を監視する事を命じられた。
さすれば、
かつて我と渡り合った異世界の戦士ケイガが
大魔王様相手に果敢に戦っているではないか?
そして光の精霊、
我を倒した光の勇者ユウカも加勢して…
仮初めの肉体とは言え見事、大魔王様を打ち倒した。
この偉業とそれを成したお前たちの力を目の前にして、
我とガルヴァーヴ様は即時に判断したのだ。
お前たちと手を組めば大魔王様を倒せる可能性をな」
「なるほど、お前たちの目的が俺たちと同じで
大魔王を倒すという事はわかった。
でも、大魔王を倒した後はお前たち魔竜軍はどうするんだ?
お前たちも地上を狙っているんだろう?
俺たちは地上を侵略する奴とは手は組めないぞ?」
「我が主、魔竜将ガルヴァーヴ様自身は
地上自体を余り欲しがってはおらぬ。
何よりもまず、魔界の覇権を獲るお考えだ。
地上の侵攻自体は大魔王様の意向、
ガルヴァーヴ様は地上を支配するからには
人間は生かして支配すべきと考えておられるが、
大魔王様は人間は弱き生き物と端から切り捨て、
根絶やしにしても構わぬと考えている。
ここに既にお二方の考え方の違いがある」
よくぞ我等の目的を言い当てた。
その慧眼、
流石は我と渡り合った異世界の戦士と言うべきだな」
「別に大したことじゃないさ。
お前が大魔王の魔力攻撃を逸らしたあの時点で、
俺には大魔王に逆らっている様にしか見えなかった。
そして魔界五軍将はその全てが忠実な僕では無いとも言われれば、
導かれる答えはそれしかないだろう?」
「確かにアタシも…傍若無人な大魔王様には全く従う気が沸かない…
だけど…ディラム様は高位魔族…アタシとは立場がまるで違う…。
ましてやディラム様の主である魔竜将ガルヴァーヴ様ともなればもっと…」
「魔言将イルーラ様の配下ヴィシルよ、
そう難しく考える必要は無い。
お前の考えと同じく、様は容易いことなのだ。
我が主、魔竜将ガルヴァーヴ様も
傍若無人な大魔王様に心から忠実な僕として仕える気など毛頭無い。
だが大魔王様は圧倒的に強い。
故に全ての魔族は大魔王様の配下として従っている。
ただそれだけのこと。
そもそも…魔界五軍将のうち、
魔言将イルーラ様と魔精将リリンシア様以外は
元々魔界の各地を収める魔王であり
魔界の覇を掛けて争って来た王同士。
元は大魔王様とは敵同士であったという訳だ。
今は大魔王様の強大な力に従わされているが、
機あらば大魔王様を倒し、
魔界の覇権を奪おうと考えている五軍将もおられる。
少なくとも我が主、魔竜将ガルヴァーヴ様はそうだ」
「そ、そうなん…だ…」
ヴィシルは驚きながらも納得している様だった。
彼女は大魔王の傍若無人振りをその目で見ている。
ディラムの言葉を理解するのも速かった様である。
「我が主、魔竜将ガルヴァーヴ様は
地上の中央域にて
大魔王様が仮初めの肉体を作り出し、
自らの手で地上の破壊を開始したことを即座に察知された。
我が主は我を地上に遣わして、
その動向を監視する事を命じられた。
さすれば、
かつて我と渡り合った異世界の戦士ケイガが
大魔王様相手に果敢に戦っているではないか?
そして光の精霊、
我を倒した光の勇者ユウカも加勢して…
仮初めの肉体とは言え見事、大魔王様を打ち倒した。
この偉業とそれを成したお前たちの力を目の前にして、
我とガルヴァーヴ様は即時に判断したのだ。
お前たちと手を組めば大魔王様を倒せる可能性をな」
「なるほど、お前たちの目的が俺たちと同じで
大魔王を倒すという事はわかった。
でも、大魔王を倒した後はお前たち魔竜軍はどうするんだ?
お前たちも地上を狙っているんだろう?
俺たちは地上を侵略する奴とは手は組めないぞ?」
「我が主、魔竜将ガルヴァーヴ様自身は
地上自体を余り欲しがってはおらぬ。
何よりもまず、魔界の覇権を獲るお考えだ。
地上の侵攻自体は大魔王様の意向、
ガルヴァーヴ様は地上を支配するからには
人間は生かして支配すべきと考えておられるが、
大魔王様は人間は弱き生き物と端から切り捨て、
根絶やしにしても構わぬと考えている。
ここに既にお二方の考え方の違いがある」
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