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第343話 思わぬ一撃
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俺の蹴りが大魔王の魔力球に衝突した瞬間、
足に集中していた気を同時に解放、
莫大な気の奔流が遙か上空へ向かって立ち昇った。
まるで天へと昇る龍の如くである。
これこそがまさに、
この気士術が『天龍』と呼ばれる所以である。
この龍の様な気の奔流を
直線的に向かってくる対象の真横から叩き込むことによって、
直進エネルギーの射線を逸らし、あらゆる攻撃を跳ねのけることが出来る。
カウンター系の攻撃技としても防御技としても機能する気士術である。
「…な…に…?」
俺は天に昇る龍の如き気の奔流に魔力球を巻き込ませて、
そのままの勢いで遙か上空へ逸らせるつもりだった。
だが大魔王の魔力球は僅かに射線を上空へと換えたのみ。
お…お…これは…とてつもなく重い!?
流石は力の合計数値1万以上の、
俺たち四人の攻撃技を圧していただけのパワーのことはある。
この『天龍』を俺とヒカリの二発分を受けても、
そう大きくは射線を変えないという事か。
それでも大魔王の魔力球は
地上を這うが如き射線から斜め上空へと射線を変えた為、
少なくとも地面を抉りながら突き進んで
ここから見渡す限り全てを焼き払うということは無くなった。
だが…至近のクラシアの町は未だに魔力球の射線上、
このままでは被害は避けられない。
…まずい!
俺は大地を蹴り上げて魔力球の跡を追う。
だが『天龍』を使用した後では足の気も出し尽くしている。
間に合わない!?
「魔砕光剣!」
何処からともなく放たれた螺旋状のエネルギー波が大魔王の魔力球に衝突、
その射線を更に上空へと逸らした。
大魔王の置き土産の魔力球はクラシアの町を飛び越えて、
空の遙か彼方に飛び去って、消えていった。
「…ふう…
何とか、なったみたいだな…」
俺はひと呼吸をして安堵の時を噛みしめた。
だがそれも一瞬だけ、
油断ならぬ状態は未だ継続中である。
俺は大魔王の魔力球を完全に逸らした
螺旋状のエネルギー波が飛んできた方向を見据えると、
エネルギー波を放った主へと言葉を掛けた。
「あんた…
自分達の長である大魔王の魔力球を逸らすなんてどういうつもりなんだ!
そして魔族が人間の町を助けるなんてどういう風の吹き回しだ?
答えろ、ディラム!」
俺が言葉を掛けた先には…
この異世界エゾン・レイギスに召喚されてすぐの
俺と優羽花を抹殺べく襲撃してきた因縁の相手、
魔族ディラムが立っていた。
足に集中していた気を同時に解放、
莫大な気の奔流が遙か上空へ向かって立ち昇った。
まるで天へと昇る龍の如くである。
これこそがまさに、
この気士術が『天龍』と呼ばれる所以である。
この龍の様な気の奔流を
直線的に向かってくる対象の真横から叩き込むことによって、
直進エネルギーの射線を逸らし、あらゆる攻撃を跳ねのけることが出来る。
カウンター系の攻撃技としても防御技としても機能する気士術である。
「…な…に…?」
俺は天に昇る龍の如き気の奔流に魔力球を巻き込ませて、
そのままの勢いで遙か上空へ逸らせるつもりだった。
だが大魔王の魔力球は僅かに射線を上空へと換えたのみ。
お…お…これは…とてつもなく重い!?
流石は力の合計数値1万以上の、
俺たち四人の攻撃技を圧していただけのパワーのことはある。
この『天龍』を俺とヒカリの二発分を受けても、
そう大きくは射線を変えないという事か。
それでも大魔王の魔力球は
地上を這うが如き射線から斜め上空へと射線を変えた為、
少なくとも地面を抉りながら突き進んで
ここから見渡す限り全てを焼き払うということは無くなった。
だが…至近のクラシアの町は未だに魔力球の射線上、
このままでは被害は避けられない。
…まずい!
俺は大地を蹴り上げて魔力球の跡を追う。
だが『天龍』を使用した後では足の気も出し尽くしている。
間に合わない!?
「魔砕光剣!」
何処からともなく放たれた螺旋状のエネルギー波が大魔王の魔力球に衝突、
その射線を更に上空へと逸らした。
大魔王の置き土産の魔力球はクラシアの町を飛び越えて、
空の遙か彼方に飛び去って、消えていった。
「…ふう…
何とか、なったみたいだな…」
俺はひと呼吸をして安堵の時を噛みしめた。
だがそれも一瞬だけ、
油断ならぬ状態は未だ継続中である。
俺は大魔王の魔力球を完全に逸らした
螺旋状のエネルギー波が飛んできた方向を見据えると、
エネルギー波を放った主へと言葉を掛けた。
「あんた…
自分達の長である大魔王の魔力球を逸らすなんてどういうつもりなんだ!
そして魔族が人間の町を助けるなんてどういう風の吹き回しだ?
答えろ、ディラム!」
俺が言葉を掛けた先には…
この異世界エゾン・レイギスに召喚されてすぐの
俺と優羽花を抹殺べく襲撃してきた因縁の相手、
魔族ディラムが立っていた。
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