330 / 556
第330話 光の力
しおりを挟む
どごおおんっ!
凄まじい音がした。
次の瞬間、俺を踏みつけたて居た
身丈30メートルの大魔王の巨体が遙か上空に舞い上がっていく。
巨人はそのままの勢いで数百メートル程飛んで凄まじい勢いで地面に墜落した。
「お兄、大丈夫?
生きてる?」
いつの間にか俺の側には妹歴16年の愛しい妹、優羽花が立っていた。
彼女の周囲には”光”が燃え盛る火炎の様に湧き上がっている。
俺は大魔王に踏み潰され意識が薄れゆくその瞬間、
彗星の様なものが飛び込んで来て大魔王を吹き飛ばしたのを見た。
そうか…あれは”光”を纏った優羽花の突進だったか。
俺は今、かなりギリギリの所で命を繋いでいる状態ではあるが…
妹になるべく心配を掛けない様に、軽口気味で言葉を返す。
「ああ、何とかなあ」
「あたしは他人のケガを治す回復魔法は使えないから…
自分のケガは自分の魔法で治してよね。
あ、そこで倒れている翼の生えている女の人も治してあげてよね」
「ああ、わかってるよ」
「お兄、あたしには詳しい状況はよくわからないけど…
とにかくあのでかいのが敵ってことで良いんだよね?」
「ああ、それで合ってる」
「それじゃあお兄、
アイツをちょっとやっつけに行ってくるね」
「ああ気をつけてな、優羽花」
「うん!」
優羽花の全身から光が火柱の如く沸き上がった。
そしてロケットの如く飛んで、
先程自分が吹き飛ばした大魔王の跡を追った。
「なんだ…この強い光の力は…
これはまさか…?」
地面に落ちた大魔王は急ぎ身を起こすと、
その瞳を輝かせ、追って飛んできた優羽花に向けて破壊光線を発射する。
我が妹は腰に差した鞘から剣を引き抜くと真横に薙いだ。
破壊の光線は斬り裂かれてその場に霧散した。
大魔王は光線を立て続けに連射する、
だが優羽花は剣を振るって其の悉くを斬り裂いた。
「剣だけで余の攻撃を完全に打ち消しただと…?」
大魔王は口を開き火球弾を放った。
光属性防御魔法『光防壁』、
全身の肉体強度を金剛並並に引き上げる気士術、『金剛力士』で
魔法的にも物理的にも防御していた筈の俺を
一撃で戦闘不能に追い込んだ超火力攻撃。
だが優羽花は此れも剣の一振りで斬り裂いて完全に打ち消して見せた。
「その剣は…星剣エクシオン!
加えてこの強い光の力…
つまりうぬは…今代の光の勇者か!?」
大魔王はその巨大な右腕に魔力を集中させる。
魔力の光を纏わせた腕をまるで
手斧の様にして優羽花に向けて振り下ろした。
だが優羽花は星剣を振りかぶってその攻撃を真正面から受け止めた。
「馬鹿な…魔力と質量を伴った余の一撃を容易く止めるだと?」
「よくもッ!
よくもおッ!
お兄をあんな目に…
お前は…お前は絶対に許さないっ!!」
大魔王と勇者は互いに攻撃を振りかぶる。
星剣と巨腕が激しく激突した。
互いに一歩も引かず、
その攻撃がぶつかる度に凄まじい衝撃波が巻き起こり
暴風となって周囲に吹きずさむ。
これが魔力数値5000同士の人知を超えた戦いというものなのか。
凄まじい音がした。
次の瞬間、俺を踏みつけたて居た
身丈30メートルの大魔王の巨体が遙か上空に舞い上がっていく。
巨人はそのままの勢いで数百メートル程飛んで凄まじい勢いで地面に墜落した。
「お兄、大丈夫?
生きてる?」
いつの間にか俺の側には妹歴16年の愛しい妹、優羽花が立っていた。
彼女の周囲には”光”が燃え盛る火炎の様に湧き上がっている。
俺は大魔王に踏み潰され意識が薄れゆくその瞬間、
彗星の様なものが飛び込んで来て大魔王を吹き飛ばしたのを見た。
そうか…あれは”光”を纏った優羽花の突進だったか。
俺は今、かなりギリギリの所で命を繋いでいる状態ではあるが…
妹になるべく心配を掛けない様に、軽口気味で言葉を返す。
「ああ、何とかなあ」
「あたしは他人のケガを治す回復魔法は使えないから…
自分のケガは自分の魔法で治してよね。
あ、そこで倒れている翼の生えている女の人も治してあげてよね」
「ああ、わかってるよ」
「お兄、あたしには詳しい状況はよくわからないけど…
とにかくあのでかいのが敵ってことで良いんだよね?」
「ああ、それで合ってる」
「それじゃあお兄、
アイツをちょっとやっつけに行ってくるね」
「ああ気をつけてな、優羽花」
「うん!」
優羽花の全身から光が火柱の如く沸き上がった。
そしてロケットの如く飛んで、
先程自分が吹き飛ばした大魔王の跡を追った。
「なんだ…この強い光の力は…
これはまさか…?」
地面に落ちた大魔王は急ぎ身を起こすと、
その瞳を輝かせ、追って飛んできた優羽花に向けて破壊光線を発射する。
我が妹は腰に差した鞘から剣を引き抜くと真横に薙いだ。
破壊の光線は斬り裂かれてその場に霧散した。
大魔王は光線を立て続けに連射する、
だが優羽花は剣を振るって其の悉くを斬り裂いた。
「剣だけで余の攻撃を完全に打ち消しただと…?」
大魔王は口を開き火球弾を放った。
光属性防御魔法『光防壁』、
全身の肉体強度を金剛並並に引き上げる気士術、『金剛力士』で
魔法的にも物理的にも防御していた筈の俺を
一撃で戦闘不能に追い込んだ超火力攻撃。
だが優羽花は此れも剣の一振りで斬り裂いて完全に打ち消して見せた。
「その剣は…星剣エクシオン!
加えてこの強い光の力…
つまりうぬは…今代の光の勇者か!?」
大魔王はその巨大な右腕に魔力を集中させる。
魔力の光を纏わせた腕をまるで
手斧の様にして優羽花に向けて振り下ろした。
だが優羽花は星剣を振りかぶってその攻撃を真正面から受け止めた。
「馬鹿な…魔力と質量を伴った余の一撃を容易く止めるだと?」
「よくもッ!
よくもおッ!
お兄をあんな目に…
お前は…お前は絶対に許さないっ!!」
大魔王と勇者は互いに攻撃を振りかぶる。
星剣と巨腕が激しく激突した。
互いに一歩も引かず、
その攻撃がぶつかる度に凄まじい衝撃波が巻き起こり
暴風となって周囲に吹きずさむ。
これが魔力数値5000同士の人知を超えた戦いというものなのか。
0
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
【R18】スライムにマッサージされて絶頂しまくる女の話
白木 白亜
ファンタジー
突如として異世界転移した日本の大学生、タツシ。
世界にとって致命的な抜け穴を見つけ、召喚士としてあっけなく魔王を倒してしまう。
その後、一緒に旅をしたスライムと共に、マッサージ店を開くことにした。卑猥な目的で。
裏があるとも知れず、王都一番の人気になるマッサージ店「スライム・リフレ」。スライムを巧みに操って体のツボを押し、角質を取り、リフレッシュもできる。
だがそこは三度の飯よりも少女が絶頂している瞬間を見るのが大好きなタツシが経営する店。
そんな店では、膣に媚薬100%の粘液を注入され、美少女たちが「気持ちよくなって」いる!!!
感想大歓迎です!
※1グロは一切ありません。登場人物が圧倒的な不幸になることも(たぶん)ありません。今日も王都は平和です。異種姦というよりは、スライムは主人公の補助ツールとして扱われます。そっち方面を期待していた方はすみません。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?
みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。
なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。
身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。
一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。
……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ?
※他サイトでも掲載しています。
※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。
【R18】童貞のまま転生し悪魔になったけど、エロ女騎士を救ったら筆下ろしを手伝ってくれる契約をしてくれた。
飼猫タマ
ファンタジー
訳あって、冒険者をしている没落騎士の娘、アナ·アナシア。
ダンジョン探索中、フロアーボスの付き人悪魔Bに捕まり、恥辱を受けていた。
そんな折、そのダンジョンのフロアーボスである、残虐で鬼畜だと巷で噂の悪魔Aが復活してしまい、アナ·アナシアは死を覚悟する。
しかし、その悪魔は違う意味で悪魔らしくなかった。
自分の前世は人間だったと言い張り、自分は童貞で、SEXさせてくれたらアナ·アナシアを殺さないと言う。
アナ·アナシアは殺さない為に、童貞チェリーボーイの悪魔Aの筆下ろしをする契約をしたのだった!
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる