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第303話 巨人の核
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「つまり…あんたのその身体を完全に破壊して
二度と動けない様にしないと、
俺の勝ちにはならないって事だな」
「そういうことだ人間。
うぬにそれが出来るか否か?
出来なければ余は後ろの街も人間共も踏み潰すのみよ」
大魔王を名乗る巨人はそう言い放つと、再び町へ向かって進撃を開始した。
町を踏み潰されたくなければ
俺に全ての力を出し尽くして見ろと言わんばかりに。
俺は既に四度、巨人の身体に気士術を叩き込んだが
巨人の動きが鈍っている様子すら見受けられない。
このままの調子で攻撃を続けても、おそらく埒が明かないであろう。
どうすれば良い?
この巨人に何か弱点は無いのか?
こういう巨大な敵が相手の場合、
核の様な箇所を攻撃するのが常套手段ではある。
俺は思考する。
目の前の大魔王の肉体は
魔界五軍将、魔言将イルーラが
その手に携えていた巨大な杖から蔦の様なものが伸びて
イルーラ自身と彼女の配下であったエクゼヴたち中級魔族、
そして下位魔族数百体を全て絡め取って取り込み、
集まって出来た蔦の塊が変化して生み出されたモノである。
確かイルーラは自分が身に着けている物は全て大魔王の装備品と言っていた。
あの杖も大魔王の装備のひとつということである。
大魔王の杖から出た蔦の機能から推測するに…
杖そのものが、おそらくは身体を構成する”核”なのだろう。
ならば大魔王の杖を破壊すれば、
大魔王の巨人の身体は停止もしくは崩壊するのかも知れない。
しかし高層マンション並みの背丈の巨人の身体の
何処にあの杖があるのか俺には全く分からない。
大魔王の杖が所在する箇所を特定する方法は無いのか?
俺は思考を続ける。
核と言えば…
全ての生き物にはそれぞれ魔力の源である
『魔力心臓核』があると俺は以前ミリィから学んだ。
俺は大魔王の身体に攻撃を叩き込んだとき、生き物の鼓動を感じた。
取り込んだ魔族を元に造られたとは言え、
あの身体自体は一個の巨大な生物だと思われるのだ。
ならば魔力心臓核も存在するのでは無いか?
そして大魔王の杖は大魔王の身体においての
魔力心臓核に該当するのではないか?
俺は『見通しの眼鏡』の弦にある操作スイッチに手を掛ける。
そして…ヒカリに教えてもらった見通しの眼鏡の機能のひとつ、
魔力捜索を起動した。
二度と動けない様にしないと、
俺の勝ちにはならないって事だな」
「そういうことだ人間。
うぬにそれが出来るか否か?
出来なければ余は後ろの街も人間共も踏み潰すのみよ」
大魔王を名乗る巨人はそう言い放つと、再び町へ向かって進撃を開始した。
町を踏み潰されたくなければ
俺に全ての力を出し尽くして見ろと言わんばかりに。
俺は既に四度、巨人の身体に気士術を叩き込んだが
巨人の動きが鈍っている様子すら見受けられない。
このままの調子で攻撃を続けても、おそらく埒が明かないであろう。
どうすれば良い?
この巨人に何か弱点は無いのか?
こういう巨大な敵が相手の場合、
核の様な箇所を攻撃するのが常套手段ではある。
俺は思考する。
目の前の大魔王の肉体は
魔界五軍将、魔言将イルーラが
その手に携えていた巨大な杖から蔦の様なものが伸びて
イルーラ自身と彼女の配下であったエクゼヴたち中級魔族、
そして下位魔族数百体を全て絡め取って取り込み、
集まって出来た蔦の塊が変化して生み出されたモノである。
確かイルーラは自分が身に着けている物は全て大魔王の装備品と言っていた。
あの杖も大魔王の装備のひとつということである。
大魔王の杖から出た蔦の機能から推測するに…
杖そのものが、おそらくは身体を構成する”核”なのだろう。
ならば大魔王の杖を破壊すれば、
大魔王の巨人の身体は停止もしくは崩壊するのかも知れない。
しかし高層マンション並みの背丈の巨人の身体の
何処にあの杖があるのか俺には全く分からない。
大魔王の杖が所在する箇所を特定する方法は無いのか?
俺は思考を続ける。
核と言えば…
全ての生き物にはそれぞれ魔力の源である
『魔力心臓核』があると俺は以前ミリィから学んだ。
俺は大魔王の身体に攻撃を叩き込んだとき、生き物の鼓動を感じた。
取り込んだ魔族を元に造られたとは言え、
あの身体自体は一個の巨大な生物だと思われるのだ。
ならば魔力心臓核も存在するのでは無いか?
そして大魔王の杖は大魔王の身体においての
魔力心臓核に該当するのではないか?
俺は『見通しの眼鏡』の弦にある操作スイッチに手を掛ける。
そして…ヒカリに教えてもらった見通しの眼鏡の機能のひとつ、
魔力捜索を起動した。
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