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第301話 身体の限界
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俺が両手から放った超巨大なエネルギー波は
大魔王に直撃し大爆発を起こした。
巨大な爆炎が巻き起こり、
周囲は瞬く間に黒煙に包まれ何も見えなくなった。
『地ノ宮流気士術五の型・改、極光』。
限界まで高めた気を両手のひらに収束させて放つ気功波系統の最高の技。
俺が会得した地ノ宮流気士術の数多の技の中でも
瞬間最大風速としては最大の火力が有り、
気力数値として言うなら通常値の二倍以上は確実。
俺は気の集中と『光の加護』の同時行使によって気を二倍にまで高め、
その状態で二倍以上の威力を持つ技『極光』を放つことで、
自身の戦闘能力数値1200を四倍以上に引き上げたのである。
これならば…魔力数値5000の大魔王に通じる筈…。
だが、黒煙が消えた後には…
攻撃を受ける前と変わらぬ姿勢のままで立つ大魔王の姿があった。
「…そんな…
これでも…
全く効いてないっていうのか…?」
「いいや…人間よ。
少しは効いたぞ?」
大魔王の身体の表面を覆う装甲の様な部分からは煙が上がり、
ところどころが熱で融解したように爛れている。
巨人はその箇所に自身の手で触れて状態を確認している。
つまり大魔王からすれば表面を少し焼いただけで、
その動作に全く支障は無いといった様子であった。
「俺のありったけの技を組み合わせて…
俺の強さを一時的にでも四倍にして…
あんたの魔力数値5000を超えたと思ったんだが…
それでも倒せないって言うのか…」
「そうではないな人間。
うぬの強さの瞬間最大値は5000を超えておらん。
せいぜい3500程度だったぞ?
脆弱な人間の身では一時的とはいえ力を三倍四倍にして
耐えられる訳が無かろう。
つまるところ三倍を超える前に
うぬの身体が限界に達して余の領域に及ばなかっただけのことよ」
「くっ、理論的には四倍になると思ったんだけどなあ…」
俺は全身から力が抜けていくのを感じて
その場に膝を付いた。
そして身体のあちこちから
まるで電撃でも喰らったかの様な激痛が走った。
これは…立ち上がることすら難しい状態である。
「うぬの身体は既にボロボロとみえるぞ。
そして気も大きく減っておる。
脆弱な人間の身で無理をしたツケという事か。
分不相応な力を求めるべきでは無かったな人間よ?」
くっ…敵さんの総大将に戒めの言葉を受けるなんてなあ。
だが、そう言っても…
身体がぶっ壊れても死ぬよりはマシなのである。
俺を遙かに超える強さを持った大魔王には、
ある程度リスクを伴った戦法に賭けるしか無かったのだ。
だが俺も無策ではない。
こうなった場合の保険も考えている。
「光回復!」
俺は自分の身体に光属性回復魔法を行使する。
みるみるうちに全身の痛みが消え、体力も回復していく。
「ほう強力な回復魔法を使えたか。
だが…うぬに余を倒す術がもう無いのなら、
せいぜい時間稼ぎにしかならぬぞ?」
「俺は…時間稼ぎで終わらせる積もりは、無い!
はあああああ!
光の加護!」
俺は再び気の集中と身体能力強化魔法を同時に使用し
自身の戦闘能力を引き上げた。
俺の身体が三倍の上昇に耐えられないのなら…
耐えられる範囲の二倍での戦い方に切り替えるまでだ!
大魔王に直撃し大爆発を起こした。
巨大な爆炎が巻き起こり、
周囲は瞬く間に黒煙に包まれ何も見えなくなった。
『地ノ宮流気士術五の型・改、極光』。
限界まで高めた気を両手のひらに収束させて放つ気功波系統の最高の技。
俺が会得した地ノ宮流気士術の数多の技の中でも
瞬間最大風速としては最大の火力が有り、
気力数値として言うなら通常値の二倍以上は確実。
俺は気の集中と『光の加護』の同時行使によって気を二倍にまで高め、
その状態で二倍以上の威力を持つ技『極光』を放つことで、
自身の戦闘能力数値1200を四倍以上に引き上げたのである。
これならば…魔力数値5000の大魔王に通じる筈…。
だが、黒煙が消えた後には…
攻撃を受ける前と変わらぬ姿勢のままで立つ大魔王の姿があった。
「…そんな…
これでも…
全く効いてないっていうのか…?」
「いいや…人間よ。
少しは効いたぞ?」
大魔王の身体の表面を覆う装甲の様な部分からは煙が上がり、
ところどころが熱で融解したように爛れている。
巨人はその箇所に自身の手で触れて状態を確認している。
つまり大魔王からすれば表面を少し焼いただけで、
その動作に全く支障は無いといった様子であった。
「俺のありったけの技を組み合わせて…
俺の強さを一時的にでも四倍にして…
あんたの魔力数値5000を超えたと思ったんだが…
それでも倒せないって言うのか…」
「そうではないな人間。
うぬの強さの瞬間最大値は5000を超えておらん。
せいぜい3500程度だったぞ?
脆弱な人間の身では一時的とはいえ力を三倍四倍にして
耐えられる訳が無かろう。
つまるところ三倍を超える前に
うぬの身体が限界に達して余の領域に及ばなかっただけのことよ」
「くっ、理論的には四倍になると思ったんだけどなあ…」
俺は全身から力が抜けていくのを感じて
その場に膝を付いた。
そして身体のあちこちから
まるで電撃でも喰らったかの様な激痛が走った。
これは…立ち上がることすら難しい状態である。
「うぬの身体は既にボロボロとみえるぞ。
そして気も大きく減っておる。
脆弱な人間の身で無理をしたツケという事か。
分不相応な力を求めるべきでは無かったな人間よ?」
くっ…敵さんの総大将に戒めの言葉を受けるなんてなあ。
だが、そう言っても…
身体がぶっ壊れても死ぬよりはマシなのである。
俺を遙かに超える強さを持った大魔王には、
ある程度リスクを伴った戦法に賭けるしか無かったのだ。
だが俺も無策ではない。
こうなった場合の保険も考えている。
「光回復!」
俺は自分の身体に光属性回復魔法を行使する。
みるみるうちに全身の痛みが消え、体力も回復していく。
「ほう強力な回復魔法を使えたか。
だが…うぬに余を倒す術がもう無いのなら、
せいぜい時間稼ぎにしかならぬぞ?」
「俺は…時間稼ぎで終わらせる積もりは、無い!
はあああああ!
光の加護!」
俺は再び気の集中と身体能力強化魔法を同時に使用し
自身の戦闘能力を引き上げた。
俺の身体が三倍の上昇に耐えられないのなら…
耐えられる範囲の二倍での戦い方に切り替えるまでだ!
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