295 / 556
第295話 答え
しおりを挟む
「ま、魔力数値5000…!?」
イルーラ達を取り込んで目の前に出現した
巨人の凄まじい魔力数値に立ち尽くす俺。
蔦の攻撃から唯一生き残った獣人型魔族ヴィシルも呆然としている。
「ぐはあああああ…
イルーラの一部、その下僕の魔族共、そして下位魔族共…
その全て取り込んで造り上げたこの身体…
魔力数値5000か…
ふん…所詮は”この程度”のチカラであろうなあ…」
蔦の巨人は地の底から震えるような声で言葉を発した。
さっき迄のイルーラの声とはまるで違う、くぐもった様な声。
これが奴の地声ということか?
「…改めて聞く、あんたは何者だ!」
「まだわからぬか…?
といいたいが、只の人間では気付かぬのも無理もあるまいな。
だがそこのイルーラの下僕なら解るのでは無いか?」
巨人はヴィシルを指さして言葉を述べる。
「…よくも」
「ん?」
「…よくもッー!
イルーラ様を!
エグゼヴ殿をガグーンをライゼガを!
よくもおおッーー!!」
魔族ヴィシルはその指先から
鉄をも切り裂くという、
獣人型魔族が誇る魔爪を伸ばして
巨人へと飛び掛かった。
がいんっ!
ヴィシルの魔爪が巨人の腕を斬りつける。
「あああああッー!!」
ヴィシルは巨人の周囲を高速で跳び交いながら、
その指先から生えた計十本の魔爪を音速で振るう。
何というスピードだろうか。
速度だけならエクゼヴよりも上、
俺でも完全に見切れるか?
その凄まじいスピードの跳躍と魔爪の斬撃を組み合わせて
あらゆる敵を切り刻む超高速斬撃攻撃は、
一陣の竜巻と化して巨人を包み込んだ。
だが…巨人の身体には傷一つ付かなかった。
「五月蝿い」
巨人の目から一筋の光線が放たれてヴィシルに直撃した。
力無く墜落していく彼女。
まずい!
俺は高速で翔けて地面に衝突する寸前でヴィシルを受け止めた。
「おい、あんた!
大丈夫か!?」
「うう…イルーラ様…みんな…」
その胸には風穴があき、その周囲からは肉の焼ける匂い。
彼女の全身からも煙が上がってこれは…致命傷である
さっきの光線は巨人は全く本気を出していない様に見えた。
それでこの威力だというのか…。
「そこのイルーラの下僕は見た所せいぜい300歳以下の若い魔族。
実際に余の姿を見たことも、そして声も聞いたことも無いのなら、
気付けないのも無理はあるまいな」
巨人はさもおもしろくないといった感じで言葉を述べた。
「…まさか、あんたは…?」
巨人の台詞から俺の脳裏にひとつの答えが導き出された。
だがもし本当にその通りだったら…
こんな所で、
こんなにも早く対峙する相手では無い筈である。
外れて欲しい…
俺はそう願いながらも…
その答えを口にした。
「…魔族の長、『大魔王』…なのか?」
「がはははははははははははは!!!!」
大地が震えるような凄まじい笑い声が周囲に響き渡った。
何という声量か。
並の人間では聞いただけでダメージを受けかねない。
「よくぞ余の正体に気が付いたな人間よ。
その通り…余は『大魔王』。
魔界を支配する存在。
そしてゆくゆくは地上も平らげて…
この世界エゾン・レイギスの全てを支配する存在よ」
イルーラ達を取り込んで目の前に出現した
巨人の凄まじい魔力数値に立ち尽くす俺。
蔦の攻撃から唯一生き残った獣人型魔族ヴィシルも呆然としている。
「ぐはあああああ…
イルーラの一部、その下僕の魔族共、そして下位魔族共…
その全て取り込んで造り上げたこの身体…
魔力数値5000か…
ふん…所詮は”この程度”のチカラであろうなあ…」
蔦の巨人は地の底から震えるような声で言葉を発した。
さっき迄のイルーラの声とはまるで違う、くぐもった様な声。
これが奴の地声ということか?
「…改めて聞く、あんたは何者だ!」
「まだわからぬか…?
といいたいが、只の人間では気付かぬのも無理もあるまいな。
だがそこのイルーラの下僕なら解るのでは無いか?」
巨人はヴィシルを指さして言葉を述べる。
「…よくも」
「ん?」
「…よくもッー!
イルーラ様を!
エグゼヴ殿をガグーンをライゼガを!
よくもおおッーー!!」
魔族ヴィシルはその指先から
鉄をも切り裂くという、
獣人型魔族が誇る魔爪を伸ばして
巨人へと飛び掛かった。
がいんっ!
ヴィシルの魔爪が巨人の腕を斬りつける。
「あああああッー!!」
ヴィシルは巨人の周囲を高速で跳び交いながら、
その指先から生えた計十本の魔爪を音速で振るう。
何というスピードだろうか。
速度だけならエクゼヴよりも上、
俺でも完全に見切れるか?
その凄まじいスピードの跳躍と魔爪の斬撃を組み合わせて
あらゆる敵を切り刻む超高速斬撃攻撃は、
一陣の竜巻と化して巨人を包み込んだ。
だが…巨人の身体には傷一つ付かなかった。
「五月蝿い」
巨人の目から一筋の光線が放たれてヴィシルに直撃した。
力無く墜落していく彼女。
まずい!
俺は高速で翔けて地面に衝突する寸前でヴィシルを受け止めた。
「おい、あんた!
大丈夫か!?」
「うう…イルーラ様…みんな…」
その胸には風穴があき、その周囲からは肉の焼ける匂い。
彼女の全身からも煙が上がってこれは…致命傷である
さっきの光線は巨人は全く本気を出していない様に見えた。
それでこの威力だというのか…。
「そこのイルーラの下僕は見た所せいぜい300歳以下の若い魔族。
実際に余の姿を見たことも、そして声も聞いたことも無いのなら、
気付けないのも無理はあるまいな」
巨人はさもおもしろくないといった感じで言葉を述べた。
「…まさか、あんたは…?」
巨人の台詞から俺の脳裏にひとつの答えが導き出された。
だがもし本当にその通りだったら…
こんな所で、
こんなにも早く対峙する相手では無い筈である。
外れて欲しい…
俺はそう願いながらも…
その答えを口にした。
「…魔族の長、『大魔王』…なのか?」
「がはははははははははははは!!!!」
大地が震えるような凄まじい笑い声が周囲に響き渡った。
何という声量か。
並の人間では聞いただけでダメージを受けかねない。
「よくぞ余の正体に気が付いたな人間よ。
その通り…余は『大魔王』。
魔界を支配する存在。
そしてゆくゆくは地上も平らげて…
この世界エゾン・レイギスの全てを支配する存在よ」
0
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
異世界複利! 【1000万PV突破感謝致します】 ~日利1%で始める追放生活~
蒼き流星ボトムズ
ファンタジー
クラス転移で異世界に飛ばされた遠市厘(といち りん)が入手したスキルは【複利(日利1%)】だった。
中世レベルの文明度しかない異世界ナーロッパ人からはこのスキルの価値が理解されず、また県内屈指の低偏差値校からの転移であることも幸いして級友にもスキルの正体がバレずに済んでしまう。
役立たずとして追放された厘は、この最強スキルを駆使して異世界無双を開始する。
男女比1:10。男子の立場が弱い学園で美少女たちをわからせるためにヒロインと手を組んで攻略を始めてみたんだけど…チョロいんなのはどうして?
悠
ファンタジー
貞操逆転世界に転生してきた日浦大晴(ひうらたいせい)の通う学園には"独特の校風"がある。
それは——男子は女子より立場が弱い
学園で一番立場が上なのは女子5人のメンバーからなる生徒会。
拾ってくれた九空鹿波(くそらかなみ)と手を組み、まずは生徒会を攻略しようとするが……。
「既に攻略済みの女の子をさらに落とすなんて……面白いじゃない」
協力者の鹿波だけは知っている。
大晴が既に女の子を"攻略済み"だと。
勝利200%ラブコメ!?
既に攻略済みの美少女を本気で''分からせ"たら……さて、どうなるんでしょうねぇ?
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる