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第289話 魔界全土
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「…どうしたのケイガ…?
…凄く落ち込んでいるように見えるのだけれど…?
…大丈夫…?」
膝をついた俺を気遣う様に寄り添って来たイルーラが問いかけた。
ああ、リリンシアの酷い仕打ちに傷ついた俺の心には…
イルーラのいたわりの言葉が五臓六腑に染みわたるなあ…。
彼女は人類を滅ぼそうとする大魔王直属の高位魔族だけどね!
リリンシアの俺に対しての容赦の無さは
俺が抱いていた人類の敵としての魔族に近いイメージに
ある意味近いものではあるのだが、
イルーラから感じる印象は其れとは正反対の印象である。
いや、なんで魔族なのに人間である俺にそんなに優しいんですか?
俺は貴女にとって敵なんですよね?
それにですね、そんなに優しくされると
あの女に手痛いダメージを受けて
心が弱った俺は勘違いしてしまいますからね!
何しろ俺は筋金入りの25歳童貞ですからね!
好きになっちゃうでしょうおあああああああ!!!!
我ながら異常なテンションである。
俺はリリンシアに完全に心乱されてしまって…
どうかしているのである。
まあ所詮は心の中での叫びなので、どうか許してほしい。
「…もしかして…
…リリンシアの口からからケイガが『童貞』であることを私に知られた事…
…同時に魔界全土に知れ渡ったことに対して落ち込んでる…?」
ぐああああああああああーーー!!??
イルーラの的を得た指摘に
俺は思わず心の中で絶叫した。
そうですよ図星ですよ!
か細くて可愛い美少女の貴女に知られて童貞と何度も言われて、
俺の繊細な心はボロボロなんですよ!
…えっ?
ちょっと待って下さい
今さらっと凄いこと言いませんでした?
魔界全土って言いましたよね?
ナンデ?
ナンデそんなことに!?
「ど、どうして…俺が…童貞であることが…魔界中に…?」
「…私は魔族を統べる大魔王様の代言、魔言将イルーラ…
…故に、魔族の脅威となる存在の情報は…
…魔界に住まう全ての魔族に知らせる義務があるの…
…だから、貴方が『童貞』であることを魔界全土に知れ渡せる必要があったわ…」
「ぐ…あああああああっ…」
俺はあまりのショックに目の前が真っ暗になった。
そしてよろめいて…
そのままの勢いで仰向けにひっくり返って倒れてしまった。
ああ、エゾン・レイギスの空も…地球と同じで青いんだなあ…。
俺は人間の敵である魔族の大将格の前に無防備な状態を晒している。
魔族から人間を守る為に召喚された異世界の戦士が、
この状態は本来ならば有り得ないであろう。
だが俺は…
それ程までに精神に深刻なダメージを受けてしまったのである…。
…凄く落ち込んでいるように見えるのだけれど…?
…大丈夫…?」
膝をついた俺を気遣う様に寄り添って来たイルーラが問いかけた。
ああ、リリンシアの酷い仕打ちに傷ついた俺の心には…
イルーラのいたわりの言葉が五臓六腑に染みわたるなあ…。
彼女は人類を滅ぼそうとする大魔王直属の高位魔族だけどね!
リリンシアの俺に対しての容赦の無さは
俺が抱いていた人類の敵としての魔族に近いイメージに
ある意味近いものではあるのだが、
イルーラから感じる印象は其れとは正反対の印象である。
いや、なんで魔族なのに人間である俺にそんなに優しいんですか?
俺は貴女にとって敵なんですよね?
それにですね、そんなに優しくされると
あの女に手痛いダメージを受けて
心が弱った俺は勘違いしてしまいますからね!
何しろ俺は筋金入りの25歳童貞ですからね!
好きになっちゃうでしょうおあああああああ!!!!
我ながら異常なテンションである。
俺はリリンシアに完全に心乱されてしまって…
どうかしているのである。
まあ所詮は心の中での叫びなので、どうか許してほしい。
「…もしかして…
…リリンシアの口からからケイガが『童貞』であることを私に知られた事…
…同時に魔界全土に知れ渡ったことに対して落ち込んでる…?」
ぐああああああああああーーー!!??
イルーラの的を得た指摘に
俺は思わず心の中で絶叫した。
そうですよ図星ですよ!
か細くて可愛い美少女の貴女に知られて童貞と何度も言われて、
俺の繊細な心はボロボロなんですよ!
…えっ?
ちょっと待って下さい
今さらっと凄いこと言いませんでした?
魔界全土って言いましたよね?
ナンデ?
ナンデそんなことに!?
「ど、どうして…俺が…童貞であることが…魔界中に…?」
「…私は魔族を統べる大魔王様の代言、魔言将イルーラ…
…故に、魔族の脅威となる存在の情報は…
…魔界に住まう全ての魔族に知らせる義務があるの…
…だから、貴方が『童貞』であることを魔界全土に知れ渡せる必要があったわ…」
「ぐ…あああああああっ…」
俺はあまりのショックに目の前が真っ暗になった。
そしてよろめいて…
そのままの勢いで仰向けにひっくり返って倒れてしまった。
ああ、エゾン・レイギスの空も…地球と同じで青いんだなあ…。
俺は人間の敵である魔族の大将格の前に無防備な状態を晒している。
魔族から人間を守る為に召喚された異世界の戦士が、
この状態は本来ならば有り得ないであろう。
だが俺は…
それ程までに精神に深刻なダメージを受けてしまったのである…。
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