271 / 556
第271話 闇の魔力
しおりを挟む
「なるほど…これが”変身”というものか?
確かに凄いな…」
鳴鐘 慧河が掛けている
『見通しの眼鏡』に映し出される
魔族エクゼヴの魔力数値が420から一気に700まで上昇した。
それは1.6倍以上にもなる驚異的な上昇率である。
慧河は気を取り直し、拳を構えた。
「さあ…改めて…ゆくぞ人間ッ!
がああッーー!!」
巨漢の鬼と化したエクゼヴはその鈍重そうな見た目に反し、
とてつもない速度で跳んで一瞬で慧河の間合いを詰めた。
そして渾身の拳を叩き込んだ。
「うおおっ!?」
予想以上のスピードに
咄嗟に腕を重ねて防御態勢を取る鳴鐘 慧河。
しかしその防御の上からびりびりとエクゼヴの凄まじい魔力が伝わってくる。
「まだまだゆくぞ人間ッ!
がああッ!!」
エクゼヴの巨大な腕から繰り出す重い一撃が音速で叩き込まれる。
先程迄とは一転し防戦一方になる慧河。
「どうした人間ッ?
動きが鈍くなって来たぞッ!」
魔族の闇の魔力は人間の回復力を阻害する。
つまり魔族の攻撃を防御して受け続けるだけでも、
人間にとってはダメージが蓄積されて
より不利になっていくということである。
実際に慧河の腕はまともに動かなくなって来ていた。
「やはり強い闇の魔力を持った魔族との正面の撃ち合いは
こちらが不利ということか…なら!」
慧河は大きく後ろへ跳んでエクゼヴとの距離を取る。
「逃がさんよ人間ッ!
『火球』!」
エクゼヴの手から先程より遙かに多い数の
数十発の火球が生まれ出て一斉射された。
「光防壁!」
慧河は光の壁を前面に展開、
殺到する多勢に無勢の火球の猛攻を受け止めた。
しかし魔族の闇の魔力で身体の動きが鈍っていたのも手伝って、
身体の動きがそこで止まってしまった。
その隙を逃さずエクゼヴは一気に間合いを詰めると、
音速の拳を蹴りを撃ち放ち怒涛の攻撃ラッシュに出る。
慧河は完全に防戦一方になり、その場に釘付けになった。
「がああああッーー!!」
エクゼヴは右拳を引くと魔力を集中させる。
そして全力で拳を繰り出した。
慧河の防御の上から叩き込まれたとてつもなく重い一撃。
その凄まじい威力を殺し切れず、慧河はまるでゴムボールの様に跳んだ。
何とか慧河は空中で態勢を立て直し、
地面に両手をつくことで激突によるダメージは回避したものの、
その凄まじいパワーが生み出す衝撃は、
一瞬で地面に無数のひび割れを生じさせた。
先程まで戦いとは一転、変身したエクゼヴがこの場を完全に圧倒した。
確かに凄いな…」
鳴鐘 慧河が掛けている
『見通しの眼鏡』に映し出される
魔族エクゼヴの魔力数値が420から一気に700まで上昇した。
それは1.6倍以上にもなる驚異的な上昇率である。
慧河は気を取り直し、拳を構えた。
「さあ…改めて…ゆくぞ人間ッ!
がああッーー!!」
巨漢の鬼と化したエクゼヴはその鈍重そうな見た目に反し、
とてつもない速度で跳んで一瞬で慧河の間合いを詰めた。
そして渾身の拳を叩き込んだ。
「うおおっ!?」
予想以上のスピードに
咄嗟に腕を重ねて防御態勢を取る鳴鐘 慧河。
しかしその防御の上からびりびりとエクゼヴの凄まじい魔力が伝わってくる。
「まだまだゆくぞ人間ッ!
がああッ!!」
エクゼヴの巨大な腕から繰り出す重い一撃が音速で叩き込まれる。
先程迄とは一転し防戦一方になる慧河。
「どうした人間ッ?
動きが鈍くなって来たぞッ!」
魔族の闇の魔力は人間の回復力を阻害する。
つまり魔族の攻撃を防御して受け続けるだけでも、
人間にとってはダメージが蓄積されて
より不利になっていくということである。
実際に慧河の腕はまともに動かなくなって来ていた。
「やはり強い闇の魔力を持った魔族との正面の撃ち合いは
こちらが不利ということか…なら!」
慧河は大きく後ろへ跳んでエクゼヴとの距離を取る。
「逃がさんよ人間ッ!
『火球』!」
エクゼヴの手から先程より遙かに多い数の
数十発の火球が生まれ出て一斉射された。
「光防壁!」
慧河は光の壁を前面に展開、
殺到する多勢に無勢の火球の猛攻を受け止めた。
しかし魔族の闇の魔力で身体の動きが鈍っていたのも手伝って、
身体の動きがそこで止まってしまった。
その隙を逃さずエクゼヴは一気に間合いを詰めると、
音速の拳を蹴りを撃ち放ち怒涛の攻撃ラッシュに出る。
慧河は完全に防戦一方になり、その場に釘付けになった。
「がああああッーー!!」
エクゼヴは右拳を引くと魔力を集中させる。
そして全力で拳を繰り出した。
慧河の防御の上から叩き込まれたとてつもなく重い一撃。
その凄まじい威力を殺し切れず、慧河はまるでゴムボールの様に跳んだ。
何とか慧河は空中で態勢を立て直し、
地面に両手をつくことで激突によるダメージは回避したものの、
その凄まじいパワーが生み出す衝撃は、
一瞬で地面に無数のひび割れを生じさせた。
先程まで戦いとは一転、変身したエクゼヴがこの場を完全に圧倒した。
0
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
頑張ったら報われなきゃ!好条件提示!超ダークサイドな地獄パワハラ商会から、やりがいのある王国職員へスカウトされた、いずれ最強となる賢者のお話
東導 号
ファンタジー
いっしょうけんめい頑張ったら、報われなきゃ! やってらんね~よ!
俺は「ざまあ!」して絶対に超底辺から頂点へ転職するぞ!
シモン・アーシュ22歳。ティーグル王立魔法大学卒業。就職活動に失敗し、職探しをしていた苦学生のシモンは、弱みを握られた上、つい目先の金に釣られ、ダークサイドな超悪徳商会へ就職してしまう。騙されたと気付いた時には後の祭り……パワハラ、モラハラ、暴力と、死への恐怖……3拍子どころか、4拍子揃った地獄の研修をクリアしたシモンは、正社員なのに個人授業主のようなトレジャーハンターとしてデビューする。命を懸けて、魔物やアンデッドと戦いながら、日々不気味な遺跡を隅から隅まで探索し、底知れぬ迷宮の奥深く潜るシモン。
働いても働いても搾取されまくるシモンに明るい未来は来るのだろうか?
そしてある日、シモンの人生を一変させる大事件が起こる!!
旧作『ぜひ!ウチへ来てください!好条件提示!超ダークサイドなパワハラ商会から、超ライトサイドなロジエ魔法学院へ転職した、いずれ最強となる賢者のお話』を途中から設定変更、大幅改稿しております。
婚約破棄されなかった者たち
ましゅぺちーの
恋愛
とある学園にて、高位貴族の令息五人を虜にした一人の男爵令嬢がいた。
令息たちは全員が男爵令嬢に本気だったが、結局彼女が選んだのはその中で最も地位の高い第一王子だった。
第一王子は許嫁であった公爵令嬢との婚約を破棄し、男爵令嬢と結婚。
公爵令嬢は嫌がらせの罪を追及され修道院送りとなった。
一方、選ばれなかった四人は当然それぞれの婚約者と結婚することとなった。
その中の一人、侯爵令嬢のシェリルは早々に夫であるアーノルドから「愛することは無い」と宣言されてしまい……。
ヒロインがハッピーエンドを迎えたその後の話。
ある日、近所の少年と異世界に飛ばされて保護者になりました。
トロ猫
ファンタジー
仕事をやめ、なんとなく稼ぎながら暮らしていた白川エマ(39)は、買い物帰りに偶然道端で出会った虐待された少年と共に異世界に飛ばされてしまう。
謎の光に囲まれ、目を開けたら周りは銀世界。
「え?ここどこ?」
コスプレ外国人に急に向けられた剣に戸惑うも一緒に飛ばされた少年を守ろうと走り出すと、ズボンが踝まで落ちてしまう。
――え? どうして
カクヨムにて先行しております。
貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~
喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。
庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。
そして18年。
おっさんの実力が白日の下に。
FランクダンジョンはSSSランクだった。
最初のザコ敵はアイアンスライム。
特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。
追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。
そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。
世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる