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第262話 パラディヌス・ロスト
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「調子に乗るな魔族!
戯言もそこまでだ!」
突如城壁に声が響き渡った。
レオ守備隊長が声の方に振り返ると、
其処には白銀色の全身鎧に身を包んだ騎士が数十人立っていた。
その平均魔力数値は25、我等クラシア守備隊を大きく上回っている。
「悪辣非道な魔族よ、我らが聖騎士団の必殺の一撃を喰らうがいい!
聖騎士突撃滅!」
数十人の騎士たちが一斉に槍を構えて、
光り輝くひとつの流星になって魔族へと突貫した。
「む、これはッ!?」
「「「うおおおおおーーー!!!」」」
聖騎士達の流星の如き一撃が魔族エクゼヴを包み込む。
魔族は両手を構えて防御の姿勢を取った。
聖騎士達と魔族の真正面からの衝突!
光が渦を巻いて弾けて大爆発が巻き起こった。
そして周囲は巨大な黒煙に包まれた。
「無事ですか? レオ守備隊長殿」
聖騎士のひとりが守備隊長の側にやって来て言葉を掛けた。
「おお、あなた達は…
国境守備軍に所属する聖騎士団の方々!?
国境の砦にも大勢の魔族軍が攻めて来ており
すぐには増援を送ることは出来ないとは聞いてましたが…
こんなにも早く来て頂けるとは!」
「我々が駐屯している国境の砦を襲った魔族軍は、
これまでに無い大規模でした。
情けない話ですが…砦を守るだけで精一杯で
あなた達クラシアの町からの増援要請が来た時は
今すぐに増援を送るのは難しいとしか答える事が出来ませんでした。
しかし魔族の侵攻からこの聖王国を守る国境警備軍が、
助けを求める国民の声に答えられないなど在ってはならぬ事。
そこで我々は一計を案じ、
国境守備軍本隊から我々聖騎士団のみを分離して、
小回りの利く別動隊とすることで増援を送ることにしたのです。
我々は魔族軍に奇襲をかけて囲みを突破することに成功、
今こうして増援に駆け付けることが出来ました」
「おお…
そんな無理をされてまで駆け付けて下さるなんて…
我々には感謝の言葉もありません」
「いえレオ殿。
我々はそんな礼を言われる様なことはしてません。
これはこの国を守る騎士として当然のことなのですから」
聖騎士はレオ守備隊長に丁重に言葉を返し一礼をした。
彼等、国境警備軍は聖王国軍の中でも精強揃いと聞いてはいるが
その心構えも立派なものだとレオ守備隊長は感嘆の念を覚えた。
「…ほう、今のは危なかったな。
咄嗟に防御魔法、『黒の要塞』を展開しなければ
多少のダメージは受けていただろう」
黒煙を掻き分けて、
魔族エクゼヴが全くの無傷のまま姿を現した。
「馬鹿な…我等が聖騎士団の集団奥義、
『聖騎士突撃滅』は
土くれの巨人をも数体をまとめて必滅する程の威力の筈…。
それをまともに受けて無傷とは!?」
数多の魔族を滅して来た必殺の一撃を
こうも軽々と防がれてしまっては…
流石の歴戦の聖騎士たちも驚愕の表情を浮かべるしか無かった。
戯言もそこまでだ!」
突如城壁に声が響き渡った。
レオ守備隊長が声の方に振り返ると、
其処には白銀色の全身鎧に身を包んだ騎士が数十人立っていた。
その平均魔力数値は25、我等クラシア守備隊を大きく上回っている。
「悪辣非道な魔族よ、我らが聖騎士団の必殺の一撃を喰らうがいい!
聖騎士突撃滅!」
数十人の騎士たちが一斉に槍を構えて、
光り輝くひとつの流星になって魔族へと突貫した。
「む、これはッ!?」
「「「うおおおおおーーー!!!」」」
聖騎士達の流星の如き一撃が魔族エクゼヴを包み込む。
魔族は両手を構えて防御の姿勢を取った。
聖騎士達と魔族の真正面からの衝突!
光が渦を巻いて弾けて大爆発が巻き起こった。
そして周囲は巨大な黒煙に包まれた。
「無事ですか? レオ守備隊長殿」
聖騎士のひとりが守備隊長の側にやって来て言葉を掛けた。
「おお、あなた達は…
国境守備軍に所属する聖騎士団の方々!?
国境の砦にも大勢の魔族軍が攻めて来ており
すぐには増援を送ることは出来ないとは聞いてましたが…
こんなにも早く来て頂けるとは!」
「我々が駐屯している国境の砦を襲った魔族軍は、
これまでに無い大規模でした。
情けない話ですが…砦を守るだけで精一杯で
あなた達クラシアの町からの増援要請が来た時は
今すぐに増援を送るのは難しいとしか答える事が出来ませんでした。
しかし魔族の侵攻からこの聖王国を守る国境警備軍が、
助けを求める国民の声に答えられないなど在ってはならぬ事。
そこで我々は一計を案じ、
国境守備軍本隊から我々聖騎士団のみを分離して、
小回りの利く別動隊とすることで増援を送ることにしたのです。
我々は魔族軍に奇襲をかけて囲みを突破することに成功、
今こうして増援に駆け付けることが出来ました」
「おお…
そんな無理をされてまで駆け付けて下さるなんて…
我々には感謝の言葉もありません」
「いえレオ殿。
我々はそんな礼を言われる様なことはしてません。
これはこの国を守る騎士として当然のことなのですから」
聖騎士はレオ守備隊長に丁重に言葉を返し一礼をした。
彼等、国境警備軍は聖王国軍の中でも精強揃いと聞いてはいるが
その心構えも立派なものだとレオ守備隊長は感嘆の念を覚えた。
「…ほう、今のは危なかったな。
咄嗟に防御魔法、『黒の要塞』を展開しなければ
多少のダメージは受けていただろう」
黒煙を掻き分けて、
魔族エクゼヴが全くの無傷のまま姿を現した。
「馬鹿な…我等が聖騎士団の集団奥義、
『聖騎士突撃滅』は
土くれの巨人をも数体をまとめて必滅する程の威力の筈…。
それをまともに受けて無傷とは!?」
数多の魔族を滅して来た必殺の一撃を
こうも軽々と防がれてしまっては…
流石の歴戦の聖騎士たちも驚愕の表情を浮かべるしか無かった。
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