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第261話 絶対的差
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「「「う、おおおおおおお!!!」」」
守兵たちが槍や剣といった各々の武器を手に取って一斉に魔族へと斬り込んだ。
しかし彼等の槍も剣も、
先程の弓矢同様に魔族の身体には傷を付けることが出来なかった。
まるで鉄柱相手に攻撃している様な感触。
むしろ攻撃している筈の自分達の手が痛んでダメージを受けた。
「はぁはぁ…
そ、そんな…
俺たちの武器が全く通じない…?」
この”魔力満ちる世界”エゾン・レイギスは
魔力が基準となっているセカイ。
高い魔力を持った生き物は、
より強靭な肉体を得ることが出来る。
つまり魔力の高い人間は、
人並以上に頑強な身体を持っているという事になるのだが…
剣で斬っても槍で突いても傷一つ付かない身体というのは、
少なくとも人間では聞いたことが無い。
あり得ない。
だが目の前に立つ魔族エクゼヴの魔力数値は420と、
我々守備隊個々の平均魔力数値10とは比較にならない数値である。
これほどの魔力数値の差は、
こんなにも肉体における絶対的差を生み出すものなのか…?
戦慄するクラシア守備隊。
「くくく…次はこちらの攻撃順だな、
ゆくぞ下等生物ども」
魔族エクゼヴは凄まじい速度で両手両足を振るう。
自分を取り囲んでいる守兵たちを、その武器ごと跳ね飛ばす。
守兵たちはまるで赤ん坊の手を捻るがごとく返り討ちにあって、
為す術も無く地面に転がった。
「「「火球!!!」
先程の戦闘には参加していなかった
控えの三人の魔法兵が同時に火属性魔法を放った。
魔族の身体が炎に包まれる。
「この程度の威力で『火球』だとでも言うのか?
くくく…こんなものは魔法で防ぐまでも無いな。
それでは返すぞ、下等生物ども」
魔族が手を払うと、
魔力の炎は放った術者へと返った。
ぼおん!
という爆裂音と共に三人の魔法兵は炎に包まれて、
煙を上げながらその場に倒れ伏した。
「ああ…お前たち…何と言う事だ…」
自分の配下である守備隊全員をあっと言う間に倒されて
力無く地に膝を付くレオ守備隊長。
「くくく…そう悲観することは無いぞ下等生物よ。
こ奴等は全員死んではおらんからな。
我は此の町に住まう人間を殺す気はない。
いや正確には…この地上で貴重な労働力となりうるお前たちを、
一人とて殺すのは惜しいと言うのが正しいな。
たった今この時から、
此の町は我が魔軍が地上から人間を排除するための前線の砦となる。
よってお前たちはこれから、
我等魔軍の砦を築く為の忠実なる奴隷となるのだ。
くくく…喜ぶが良い、
此の町に住まう人間共よ。
本来ならば全ての人間は我等魔族に根絶やしにされる存在。
だがお前たちだけは我等魔族の奴隷として、
今後も生き続けることが出来るのだからな」
守兵たちが槍や剣といった各々の武器を手に取って一斉に魔族へと斬り込んだ。
しかし彼等の槍も剣も、
先程の弓矢同様に魔族の身体には傷を付けることが出来なかった。
まるで鉄柱相手に攻撃している様な感触。
むしろ攻撃している筈の自分達の手が痛んでダメージを受けた。
「はぁはぁ…
そ、そんな…
俺たちの武器が全く通じない…?」
この”魔力満ちる世界”エゾン・レイギスは
魔力が基準となっているセカイ。
高い魔力を持った生き物は、
より強靭な肉体を得ることが出来る。
つまり魔力の高い人間は、
人並以上に頑強な身体を持っているという事になるのだが…
剣で斬っても槍で突いても傷一つ付かない身体というのは、
少なくとも人間では聞いたことが無い。
あり得ない。
だが目の前に立つ魔族エクゼヴの魔力数値は420と、
我々守備隊個々の平均魔力数値10とは比較にならない数値である。
これほどの魔力数値の差は、
こんなにも肉体における絶対的差を生み出すものなのか…?
戦慄するクラシア守備隊。
「くくく…次はこちらの攻撃順だな、
ゆくぞ下等生物ども」
魔族エクゼヴは凄まじい速度で両手両足を振るう。
自分を取り囲んでいる守兵たちを、その武器ごと跳ね飛ばす。
守兵たちはまるで赤ん坊の手を捻るがごとく返り討ちにあって、
為す術も無く地面に転がった。
「「「火球!!!」
先程の戦闘には参加していなかった
控えの三人の魔法兵が同時に火属性魔法を放った。
魔族の身体が炎に包まれる。
「この程度の威力で『火球』だとでも言うのか?
くくく…こんなものは魔法で防ぐまでも無いな。
それでは返すぞ、下等生物ども」
魔族が手を払うと、
魔力の炎は放った術者へと返った。
ぼおん!
という爆裂音と共に三人の魔法兵は炎に包まれて、
煙を上げながらその場に倒れ伏した。
「ああ…お前たち…何と言う事だ…」
自分の配下である守備隊全員をあっと言う間に倒されて
力無く地に膝を付くレオ守備隊長。
「くくく…そう悲観することは無いぞ下等生物よ。
こ奴等は全員死んではおらんからな。
我は此の町に住まう人間を殺す気はない。
いや正確には…この地上で貴重な労働力となりうるお前たちを、
一人とて殺すのは惜しいと言うのが正しいな。
たった今この時から、
此の町は我が魔軍が地上から人間を排除するための前線の砦となる。
よってお前たちはこれから、
我等魔軍の砦を築く為の忠実なる奴隷となるのだ。
くくく…喜ぶが良い、
此の町に住まう人間共よ。
本来ならば全ての人間は我等魔族に根絶やしにされる存在。
だがお前たちだけは我等魔族の奴隷として、
今後も生き続けることが出来るのだからな」
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